「鉄道100年の記録」と思い出

先日古本屋さんで見つけた一冊から
DSCN9873.jpg
 いわゆる「鉄道100年」というのは私の記憶では1972(昭和47)年だったと思うのですが今回入手した別冊週刊読売「鉄道100年の記録」は1970年の12月号で微妙に手前のタイミングです。

 鉄道100年の記念イベントでは当時小学生だった私は盛岡機関区で盛岡工場謹製のミニC57やミニED75の牽引する模型列車に乗った記憶があります。遊園地やイベントのそれとは異なるノリで「直線線路を行ったり来たりするだけ」だったのですがそれまでこの手のミニSLなんてのはテレビでしか見た事がありませんでしたから、乗ったというだけで妙に感動した覚えがあります。
 この他、機関庫内では本線引退直後の蒸気機関車の展示(それも2,3両)100年の時は結構なお祭り騒ぎが各地の駅や鉄道で繰り広げられましたから、ある世代の鉄道ファンには「どこかでその手のイベントを見に行った」確率も高かったと思います・

 この他0系新幹線をあしらった「鉄道100年記念切手」なんてのも買いましたっけ。
 
 余談はさておき
 本書はSLブームたけなわの時期と「電車で国民大移動イベント」の側面もあった大阪万博の直後という一般人の鉄道への関心が高まっていたタイミングでの上梓でしたから、実際の100年とはずれていても時期としては絶妙だった気もします。

 前半はなつかしの蒸気機関車にかなりのページを割いているのは時代の空気を最も反映した部分と思います。その一方で次のページがナローの尾小屋鉄道というのが渋い。

 その他の項についても新聞社が出しているだけに歴史的資料や写真(特に戦前までの資料)が豊富なのが特徴的です。いわゆる模型製作の資料と言うよりも風景との組み合わせで時代を表現している写真には個人的に惹かれるものがあります。
 この種の新聞社系俯瞰本として私にとっての定番本である毎日新聞社の「昭和鉄道史」に比べると半分程度の厚みなのですが内容的には遜色ありませんでした。この2冊を並べ読みするといっぱしの昭和鉄道史博士(爆笑)の気分には浸れます。
DSCN9874.jpg
 さて本書で一番印象的だったのは実は裏表紙
 時期がぴったりだったとはいえあの「ポンパ号」がどんと載っていたのに驚きました。そういえばうちの最初のカラーテレビもキドカラーだった事を思い出します。
 あの当時はよもやあれが鉄道模型、それもNゲージで製品化されるなんて想像すらできませんでした。

この記事へのコメント