歴代C57のモデルを比べてみて思うこと
先日入線のKATOのC57 1次型に関連して。
KATOのC57を入れたらどうしてもTOMIXのそれと並べてみたくなり押入れから引っ張り出しました。
でこのふたつを並べて「ああ、やっぱり最新モデルはええなあ~」とか盛り上がっていたりするのですが(笑)
そうなると次は中村精密のを、次はTOMIXの初期モデルをとじたばたし始める私がいるわけでまったくあほというか幼稚と言うか(恥)
これまで電車区の風景にしていた機関区風セクションも久しぶりに蒸機仕様に差し替えしたりします。
でそれらの歴代モデルを並べて感じた事から。
Nゲージのモデルの中でもC57は模型としての時代の変遷をかなりはっきりと映し出すモデルと思います。
もちろん他に103系とかキハ20系とかの歴史が長いモデルでも「ああ、やっぱり進化しているなあ」と感じさせることはあるにしろ今回のC57程の驚きと感慨は感じないのではないかと。
つまり最初期のモデルでも造形の基礎がしっかりしていたものは時代が過ぎてもそれほど印象の差が出ないという事でもあります。
ですがなぜかC57に関しては比較的早くから競合モデルが出た事や、それらがNゲージや蒸機の造形に不慣れだった面とかがそっくり反映していて部位によっては大きな違いになってしまっている面が大きいのです。
今回並べたのは私の手持ちのC57のすべて。KATOの初期モデルのやまぐち号、TOMIXの初期モデル、中村精密のやまぐち号、そして第二世代TOMIXの135号機と今回のKATO第二世代モデルです。
どうかすると30年選手のモデルやジャンク上がりのレストア品なんかもあったりするのでそこは割り引いてみてほしいのですが。
面白いのはこれらのモデルはKATOの初代がやや大きめにスケールアウトしているのを除いてどれもがほぼ同じサイズ(つまりスケール)に収まっている事です。
それだけに個々のモデルの造形の差が出やすいとも言えます。
中村精密製のモデルはこれらの中でも最も古いモデルと思いますが造形面で意外に健闘している印象でした。C57のプロポーションの再現センスが良いからなのではないかと思います。
逆にTOMIXの初代モデルはエンジン部の造形はかなりいいのですが足回りの部分でかなり損をしている印象です。特に当時の感覚で見ても異様なほど目立つフランジのでかさとキャブ下の隙間がこれまた異様に空いてしまったのは繊細な上回りのイメージからするとかなりアンバランスな感じがします。
KATOの初代モデルもフランジ自体は大きいのですがやや大きめにスケールアウトしたボディのおかげで案外バランスよく仕上がって得をしている感じでした。
TOMIXと今回のKATOの第二世代モデルについては殆ど粗らしい粗が感じられません。どアップで接写したら16番以上のサイズと間違えられそうです。
(だからこそ特定番号機特有の細部の違いが問題になるのかもしれません)
これ以前のモデルに共通した弱点である「キャブ下の大きめの隙間」についても両モデルともこれでもかと言わんばかりにこの部分にパイピングがされ不自然さをまるで感じません。
KATOに至っては炭水車下のATS車上子までごく自然に再現されていますし。
走りに関しては最新モデルはどちらも昔のNゲージを知る人が見たら腰を抜かしかねないほどのスムーズネス。特にフライホイールの空走効果は実物ほどの惰行はできないまでもごく自然な停まりっぷりを見せます。
旧製品ではKATO、中村、TOMIXの順。但し中村のはジャンク品をレストアした個体なので元々本調子ではありません。ここでも初代TOMIXはプラスチック軽量ボディとテンダードライブの組み合わせが祟ってか「エンジン部が妙に軽々しい」走り味になってしまったのが痛かったと思います。
案外、この「軽っぽさ」の反省もあったのか第二世代の135号機はスムーズさと重厚さを併せ持ったかなりいい走りを見せます。
同じC57でもこれだけ時期やメーカーの個性がはっきりしていると、個人的にはモデルとしてどれも魅力的に見えます。
今回のKATO車が歴代に比べると極めつけレベルのモデルである事(同じ事はTOMIXの135号機でもいえます)は間違いありませんが、他の3モデルについてもどれもが面白いですし、あからさまな欠陥を持っている訳ではないだけにどれもが愛おしく見えました。
模型の歴史が「実物に似せる歴史」だとするなら今回の5車の並びはまさに30年以上にわたる造形の進化が俯瞰でき、あたかも博物館の展示を思わせます。
でも同時に「実物の縮小コピー」に留まらない「模型としての独自の魅力」の点では30年前よりも退化している部分も無きにしも非ずといえます。
冷酷さすら感じさせるいたずらな細密化、スムーズだけれど一生懸命感に欠ける可愛げのない走り、ユーザーのアレンジを拒否したかの様な特定機への特化。
「ホビーとしての模型」の観点からするとこのままではいずれ行き詰る(それも「良くなりすぎて」袋小路に入る感覚)のではと少し危惧も感じたりします。
光山鉄道管理局
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KATOのC57を入れたらどうしてもTOMIXのそれと並べてみたくなり押入れから引っ張り出しました。
でこのふたつを並べて「ああ、やっぱり最新モデルはええなあ~」とか盛り上がっていたりするのですが(笑)
そうなると次は中村精密のを、次はTOMIXの初期モデルをとじたばたし始める私がいるわけでまったくあほというか幼稚と言うか(恥)
これまで電車区の風景にしていた機関区風セクションも久しぶりに蒸機仕様に差し替えしたりします。
でそれらの歴代モデルを並べて感じた事から。
Nゲージのモデルの中でもC57は模型としての時代の変遷をかなりはっきりと映し出すモデルと思います。
もちろん他に103系とかキハ20系とかの歴史が長いモデルでも「ああ、やっぱり進化しているなあ」と感じさせることはあるにしろ今回のC57程の驚きと感慨は感じないのではないかと。
つまり最初期のモデルでも造形の基礎がしっかりしていたものは時代が過ぎてもそれほど印象の差が出ないという事でもあります。
ですがなぜかC57に関しては比較的早くから競合モデルが出た事や、それらがNゲージや蒸機の造形に不慣れだった面とかがそっくり反映していて部位によっては大きな違いになってしまっている面が大きいのです。
今回並べたのは私の手持ちのC57のすべて。KATOの初期モデルのやまぐち号、TOMIXの初期モデル、中村精密のやまぐち号、そして第二世代TOMIXの135号機と今回のKATO第二世代モデルです。
どうかすると30年選手のモデルやジャンク上がりのレストア品なんかもあったりするのでそこは割り引いてみてほしいのですが。
面白いのはこれらのモデルはKATOの初代がやや大きめにスケールアウトしているのを除いてどれもがほぼ同じサイズ(つまりスケール)に収まっている事です。
それだけに個々のモデルの造形の差が出やすいとも言えます。
中村精密製のモデルはこれらの中でも最も古いモデルと思いますが造形面で意外に健闘している印象でした。C57のプロポーションの再現センスが良いからなのではないかと思います。
逆にTOMIXの初代モデルはエンジン部の造形はかなりいいのですが足回りの部分でかなり損をしている印象です。特に当時の感覚で見ても異様なほど目立つフランジのでかさとキャブ下の隙間がこれまた異様に空いてしまったのは繊細な上回りのイメージからするとかなりアンバランスな感じがします。
KATOの初代モデルもフランジ自体は大きいのですがやや大きめにスケールアウトしたボディのおかげで案外バランスよく仕上がって得をしている感じでした。
TOMIXと今回のKATOの第二世代モデルについては殆ど粗らしい粗が感じられません。どアップで接写したら16番以上のサイズと間違えられそうです。
(だからこそ特定番号機特有の細部の違いが問題になるのかもしれません)
これ以前のモデルに共通した弱点である「キャブ下の大きめの隙間」についても両モデルともこれでもかと言わんばかりにこの部分にパイピングがされ不自然さをまるで感じません。
KATOに至っては炭水車下のATS車上子までごく自然に再現されていますし。
走りに関しては最新モデルはどちらも昔のNゲージを知る人が見たら腰を抜かしかねないほどのスムーズネス。特にフライホイールの空走効果は実物ほどの惰行はできないまでもごく自然な停まりっぷりを見せます。
旧製品ではKATO、中村、TOMIXの順。但し中村のはジャンク品をレストアした個体なので元々本調子ではありません。ここでも初代TOMIXはプラスチック軽量ボディとテンダードライブの組み合わせが祟ってか「エンジン部が妙に軽々しい」走り味になってしまったのが痛かったと思います。
案外、この「軽っぽさ」の反省もあったのか第二世代の135号機はスムーズさと重厚さを併せ持ったかなりいい走りを見せます。
同じC57でもこれだけ時期やメーカーの個性がはっきりしていると、個人的にはモデルとしてどれも魅力的に見えます。
今回のKATO車が歴代に比べると極めつけレベルのモデルである事(同じ事はTOMIXの135号機でもいえます)は間違いありませんが、他の3モデルについてもどれもが面白いですし、あからさまな欠陥を持っている訳ではないだけにどれもが愛おしく見えました。
模型の歴史が「実物に似せる歴史」だとするなら今回の5車の並びはまさに30年以上にわたる造形の進化が俯瞰でき、あたかも博物館の展示を思わせます。
でも同時に「実物の縮小コピー」に留まらない「模型としての独自の魅力」の点では30年前よりも退化している部分も無きにしも非ずといえます。
冷酷さすら感じさせるいたずらな細密化、スムーズだけれど一生懸命感に欠ける可愛げのない走り、ユーザーのアレンジを拒否したかの様な特定機への特化。
「ホビーとしての模型」の観点からするとこのままではいずれ行き詰る(それも「良くなりすぎて」袋小路に入る感覚)のではと少し危惧も感じたりします。
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