韮崎にC12を詣でて思ったこと
先日紹介した韮崎行きのはなしの続きです。
お目当てのC12は公園の奥、先日触れたライブスチームのコースの脇にあるというロケーションでした。
この間清里で見たC56の時もそうでしたがこの手の小型機関車は高原の風景が似合う気がします。
割と高台だけに空気も爽やかですし澄み渡った青空も街中や博物館で見るそれとはまた違った感動を与えてくれました。
さて、展示されていたC12は5号機です。履歴を書いた看板によると昭和8年に製造以来、宇都宮を振り出しに北海道(苗穂、遠軽、小樽築港)を経て横川、最後に甲府とあちこちを渡り歩いています。簡易線の入線を前提に設計されていたC12ですが、逆を言えばそれ以上の規格の線区ならどこにでも行けた訳ですから特に地方の線区では入替用や短編成などによく使われたのではないかと想像されます(性能上、簡易線以外での主力機にはなれなかったかもしれませんが)
さて、C12は最近になってKATOのNとかトラムウェイの16番モデルなんかが登場しモデルの世界ではそれなりに話題をさらっているモデルです。私もNや16番を入線させているのでそれらのモデルを思い出しながら各部を見てみようと思いました。
遠目から見たプロポーションは簡易線区用ゆえに他の蒸機に比べて幾分華奢な印象ですが、小さいなりに凝縮感のあるフォルムです。実際にはやや下側から見上げる形になるのですがこのアングルからだとマイクロエースのC12の雰囲気に近い印象がありました(笑)
われながら意外に思いますが、モデルを見ると実車に似ていない事夥しく見えるマイクロのプロポーションも角度によっては似て見える事もあるというのは結構な発見だった気がします。
真横から見る従輪なんかも相当に華奢に見えます。
最近のNの蒸機はこの華奢さもきちんと再現しようとする方向になっているので意外と違和感は感じませんでした(笑)最も、模型の機関車、特にNのそれは車輪が分厚くてフランジが異様にデカいのが通り相場ですが。
ボイラー廻りの梯子やパイピングは模型に比べるとかなり華奢なものです。特に梯子なんかは真面目にスケールダウンしたらかなり弱弱しく見えたのではないかと思います。市販の模型の場合はこの辺りのパーツ強度の確保も兼ねたディフォルメがなされている事を改めて感じました。
模型だからと言って何もかも実物の縮小コピーでは力強く見えないという事なのでしょう。
同じ事は前や後ろから見た時のゲージ幅の印象についても言えます。
斜め横から見ると上回りに対して足回りが引っ込んだ、いわゆる「狭軌感」と言う奴を顕著に感じます。
軌間が実物より広いNや16番のモデルではもう少し足回りが横に出張る形になりファインスケールモデラーから嫌われる「がに股」プロポーションになりがちです。
なるほど、ファインスケールに拘るのはこういう印象の再現が大事だからかと再認識させられました。
ですが一方で正面から見てみると上回りに対して軌間の狭さからくる不安定感もまた感じてしまいます。
このC12を見ていると横から突っついたら簡単にコテンと行きそうに見えたのはこれまで他の車両も見ている筈なのでわれながら意外でした。
見ようによっては「こんなに狭い足回りにこんなでかいボディ乗せて大丈夫か?」とも取れるかもしれません。これが車やなんかだったら走行安定性を稼ぐために左右の車軸幅を広く取ったりワイドなタイヤを履かせて見た目にも安定感を与えるのが定石なのですが、鉄道の場合はなかなかそうもいかないですし。
(上記の感想はあくまで実車を見た印象を書いたものですので気に障った向きにはご勘弁下さい)
・・・などと七面倒くさいことを考えもしましたが、やっぱりよく晴れた空の下、初春の澄んだ空気を吸いながら好きな形式の蒸気機関車を眺めて過ごすというのは理屈抜きに楽しいものです。
しかも今回の探訪はC12だけで終わらなかったのがわたし的にはサプライズでした。
何の事かについては次の機会に。
(と言っても地元の人ならわかりきった事なのですが汗)
光山鉄道管理局
HPです。
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