テツドウモケイ4大誌を比べてみる3、個人的な感想

先日来鉄道模型の専門誌4誌を読み比べて比較するなんて事をやってみましたが、今回は私個人の主観から4誌についてそれぞれ感想を語ってみたいと思います。

 ちょうど今日あたりは4誌中3誌の発売日に当たっていますし。
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 気が付いたら40年以上の付き合いになっているTMS(新規の購読開始が昭和50年頃)ですが、TMSが本屋さんで買える唯一の鉄道模型専門誌だった頃はビギナーからベテラン、16番はじめNやライブスチーム、日本型から外国型までのあらゆる嗜好に適度に対応した総合誌としての性格が強いものでした。それでいて投稿される記事の製作水準はおしなべて高く、ビギナーには歯が立たないレベルの物が多かった一方で「私の鉄道から」「鉄道模型相談室」といったビギナーへの配慮も忘れないといういい意味での「総合誌」だったと思います。

 最近のTMSは基本的に製作記事がメインで記事の内容もかなり具体的ですし、参考になる点も多いという意味ではとても重宝する存在ではあります。が、昭和50年代以前のTMSに比べると何処か堅苦しい窮屈さを感じる面も多い気もします。お目あての記事は毎号ひとつやふたつはありますし、そういう記事はむさぼり読むのですが、それ以外の記事をなかなか見ない事の方が多くなっています。
 かつてのTMSならばそう言う時の息抜きになるようなコラムやビギナー向けコーナー、或いは読者の視野を広げてくれるような海外の著名作の記事や新しいコンセプトの紹介があったのですが、そういうのも最近はありませんし、良くも悪くも「高級模型クラブのアカデミックな会報か同人誌」的な雰囲気が強まっている気もします。

 ただ、わたし的に読んでいる時の安心感は4誌の中で一番高いのも確かです。
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 とれいんの方も創刊から40年以上経過してTMSとはやや異なるベクトルの高級趣味誌的なステイタスを確立している感じがあります。確かにハイレベルな作品の製作記事がメインではありますが(今回の号ではZゲージの線路を使ったNのファインゲージ化が割合面白かったです)TMSに比べると全体に長閑な部分がまだ残っている気もします。同じ読むのでもTMSが「ワークショップの片隅で目を三角にして読む」様な感じになりがちなのにとれいんの方は「帰省の帰り、真夜中の特急のクロスシートに納まって読み流す」様な雰囲気が似合う様な感じとでもいうのでしょうか。

 そこは好感が持てるのですが何と言っても私の所では置いている本屋さんがないのと、4誌の中で一番高いのがネックです(汗)

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 RM MODELSは元々Rail Magazineという実物誌から派生した模型誌という性格のせいか実車記事が思いのほか少なくその分を製作記事や製品紹介に費やしている感じがあります。
 先行誌にない特徴として毎号核になる特集が組まれ、複数の製作記事や実物紹介を並べているところはいい意味で商業誌的であり、一方でフリーランスや製作技法記事にも意を用いている辺り4誌中最もエンターテイメント的な性格が強いと感じます。
(Nゲージスケールの「走るジャパリバス」なんて先行2誌はまず載せないでしょうし)
 以前より減ってはいるもののビギナー向けの記事や連載も残され雑誌としてのバランスは最もよく取れている印象です。

 ただ、それだけにディープな工作マニアにはやや食い足りないところもあるかもしれません。個人的に感じる本誌の弱点は印刷が豪華で頁数が多いだけに「本が重すぎて寝っころがって読むと肩が痛くなる」点だったりします(笑)
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 そして最後発であり且つNゲージ専門の隔月刊という、もっとも異色な「N」

 対象を特化しているだけにNゲージャー以外が読む機会が少なさそうですが、毎号「実車の知識を応用してモケイを楽しむ」事の紹介に力を入れている点は先行誌ではなかなかやらないだけに貴重な存在と思います。
 また毎号キットメイクやジオラマ製作のハウツーを掲載しているので「中身が毎号変わる教科書」の様な楽しみ方もできますし、実際の製作に即使えるのも嬉しいポイントです。
 
 個人的に「万年入門誌」(勝手な呼称で済みません汗)と呼んでいる本誌ですが、ビギナーが読んで勉強するにはもっとも好適な雑誌ですし、こういう雑誌は絶対に必要だと思います。かつては「模型と工作」「模型とラジオ」といったビギナー向け総合模型誌が存在しそこで模型の基礎を学ぶ(『泥沼にはまるきっかけを得る』とも言いますw)初心者も多かったのですが現在は本誌が比較的近い立ち位置にいると思います。

 本誌の弱点「いい歳こいたおっさんが電車の中で読むのに一種の気恥ずかしさを感じさせるなにか」がある事でしょうか、実はRM MODELSにもそれに近い物はあります。
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 実は今回の比較をやってみるまで「鉄道模型の専門誌を4つも一気読みするなんて退屈の極みじゃないか?」とか思っていたのですが、一誌しか読まない時に比べるとかなり楽しめたのに驚いています。
 それぞれの雑誌で視点やポリシーが異なる事と、読者の嗜好の幅が広いせいかクルマの雑誌なんかと違って「同じ新車で右ならえ」みたいな展開にならない事も大きいのでしょう。

 このブログで最初に書きましたが、4誌を一気読みした後の「ひとり文化祭状態」的なお祭り騒ぎ気分は一種のトリップでした(笑)

 これだけのボリュームで迫られれば「そういえばあのキットもう2年くらい作ってなかったな、そろそろやるか」という気分になってくるという隠れたメリットも(爆)
光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

まーくん
2018年03月22日 09:07
解説ありがとうございます。
自身の作品が載った号さえ献本がなければ
買わないような体たらくですが久しぶりに
本屋でも行って見ようかという気になりました。
雪篠電車
2018年03月22日 20:23
口はばったいことを申しあげますが、そのように「いい歳した大人が」等とおっしゃられては…。
むしろ堂々と読んでやる位の気概がほしいと思います(汗)
光山市交通局
2018年03月22日 21:14
>雪篠電車さん

実を言いますと私個人は自分が面白いと思えば大概の本は割合堂々と読むたちの人間だと思っています(この間も「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」の絵本を帰りの電車で開いていたくらい・・・自慢にも何にもなりませんが)

 ただ、今回の場合はなぜ気恥ずかしさを感じたのか自分でもわからないのが不思議です。別に内容が悪い訳ではないですから。なので「なにか」というあいまいな表現になってしまいました。
光山市交通局
2018年03月22日 21:23
>まーくんさん

 単なる感想の羅列ですがご参考になれば幸いです(汗)

 一誌だけだったら私もこんな風なブログは思いつかなかったと思います。視点が微妙に異なる4誌だからこそ相乗効果で面白く感じたのではないかと思います。

 ただ、4冊も一時に買うと鉄コレの3両セットか猫屋線のナローが買える位のコストが掛かるのが辛いです。本当に最近の雑誌は高いですね。