鉄コレ東武5700系と「模型と工作」の記事から
今となってはもう52周年くらいになってしまっているのですが、久しぶりに50年前の模型と工作別冊の16番製作法から50年後のNゲージモデルと比べて語る企画をば。
この別冊について、私鉄車両の制作法が結構多い中で東武の車両が突出して多かったと書いたことがあります。他社がひとつかふたつなのに東武だけ3種も載っていたのですから。
で、これまでにそのうちの1700系と6000系のふたつまでは紹介してきた(つまりその後の50年の間にNゲージの完成品が出ている機種)のですが、残る三つ目までもが鉄コレで出るとは思いませんでした。
ここ数年の鉄コレは「3Dの私鉄電車プロファイル」と化している気がします。
最近東武絡みの話題が多い当ブログですが、先日の上京の折にまた事業者限定版の鉄コレを入手しました。
ものはいわゆる「ネコひげ」と呼ばれる5700系。昭和26年頃に登場した東武の特急車の草分け的存在です。
この中でネコひげの愛称で呼ばれるのは流線型の前面を採用しているモハ5700とクハ700、中間連結されるモハ5710とクハ710は貫通扉の付いた半流線形です。
(技術出版「模型と工作鉄道模型工作ハンドブック」1964年134Pより画像引用)
50年前の「模型と工作」の16番製作記事では車体はペーパー製、先ず構面の妻板と両側の側板から組み立て、特徴的な流線形の前面は下半分に12.5ミリ幅の白ボール紙を両側板に接着。
上半分は半紙の様な薄い紙をあてがって型紙を作り窓をけがいたうえで画用紙で内貼りをして窓を抜くという現物合わせに近いノリで製作しているのが特徴的です。
(技術出版「模型と工作鉄道模型工作ハンドブック」1964年135Pより画像引用)
こんな工程を私なんかがやったら確実に5,6個はしくじる事は必定ですが昔はこれ位出来ないとモデラーとは言わなかったのでしょう。
クハの貫通幌もボール紙とヒューズ線(懐)を使った自作ですが作例写真を見る限りはかなりでかい造りになっています。
作例は白黒写真で印刷が荒い点を差し引いてもかなり大雑把な作りですがフォルムは実車の特徴を捉えている様です。
今どきこういう技法で16番を作るというのはほとんど見なくなりましたが「どこでも手に入る材料で誰がやってもそこそこの物が作れる」というのはビギナーがこの趣味に入りやすいと言う意味で大切なのではないかと思います。
今どきの車両工作は専門誌も入門書もレベルが高すぎて素人がやる気を失いかねない危惧すら抱かせるものですが、やる気はあっても腕に自信の無いビギナーに「模型って、こんなものでもいいんだ」と安心させるくらいの物があっても良い気がします。
(と書いておいて自分の下手さの予防線にする。と、汗)
その5700系が東武の事業者限定品とはいえ鉄道コレクションでプラの完成品がリリースされるとは!
しかも初期仕様と白帯、青帯仕様など都合4タイプも。
ネコひげ電車は東武の博物館に実車が展示されているそうなのでそれと比較されやすいと言う意味で造形に気が抜けないモデルと思いますが、例によってモデルとしてはそつなく纏まっていると思います。
個人的には流線型前面の湘南電車的な二枚窓に前面下部にシルが回り込んだデザインがクラシカルさとモダンさを両立させている感じがして個性的に感じます。
まだ動力化させていないのですがセクションの隅っこに留置させているだけで何となく和みます(笑)
ともあれ今回のリリースで東武の優等列車の歴史をNゲージのモデルで再現する事がまた更に容易になりました。
改めて思いますが鉄コレはつくづく恐ろしい。本書に収録されている私鉄車両はどれもこれも50年物のクラシックモデルなのにその大半が鉄コレで出てしまっているのですから。
光山鉄道管理局
HPです。
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この別冊について、私鉄車両の制作法が結構多い中で東武の車両が突出して多かったと書いたことがあります。他社がひとつかふたつなのに東武だけ3種も載っていたのですから。
で、これまでにそのうちの1700系と6000系のふたつまでは紹介してきた(つまりその後の50年の間にNゲージの完成品が出ている機種)のですが、残る三つ目までもが鉄コレで出るとは思いませんでした。
ここ数年の鉄コレは「3Dの私鉄電車プロファイル」と化している気がします。
最近東武絡みの話題が多い当ブログですが、先日の上京の折にまた事業者限定版の鉄コレを入手しました。
ものはいわゆる「ネコひげ」と呼ばれる5700系。昭和26年頃に登場した東武の特急車の草分け的存在です。
この中でネコひげの愛称で呼ばれるのは流線型の前面を採用しているモハ5700とクハ700、中間連結されるモハ5710とクハ710は貫通扉の付いた半流線形です。
(技術出版「模型と工作鉄道模型工作ハンドブック」1964年134Pより画像引用)
50年前の「模型と工作」の16番製作記事では車体はペーパー製、先ず構面の妻板と両側の側板から組み立て、特徴的な流線形の前面は下半分に12.5ミリ幅の白ボール紙を両側板に接着。
上半分は半紙の様な薄い紙をあてがって型紙を作り窓をけがいたうえで画用紙で内貼りをして窓を抜くという現物合わせに近いノリで製作しているのが特徴的です。
(技術出版「模型と工作鉄道模型工作ハンドブック」1964年135Pより画像引用)
こんな工程を私なんかがやったら確実に5,6個はしくじる事は必定ですが昔はこれ位出来ないとモデラーとは言わなかったのでしょう。
クハの貫通幌もボール紙とヒューズ線(懐)を使った自作ですが作例写真を見る限りはかなりでかい造りになっています。
作例は白黒写真で印刷が荒い点を差し引いてもかなり大雑把な作りですがフォルムは実車の特徴を捉えている様です。
今どきこういう技法で16番を作るというのはほとんど見なくなりましたが「どこでも手に入る材料で誰がやってもそこそこの物が作れる」というのはビギナーがこの趣味に入りやすいと言う意味で大切なのではないかと思います。
今どきの車両工作は専門誌も入門書もレベルが高すぎて素人がやる気を失いかねない危惧すら抱かせるものですが、やる気はあっても腕に自信の無いビギナーに「模型って、こんなものでもいいんだ」と安心させるくらいの物があっても良い気がします。
(と書いておいて自分の下手さの予防線にする。と、汗)
その5700系が東武の事業者限定品とはいえ鉄道コレクションでプラの完成品がリリースされるとは!
しかも初期仕様と白帯、青帯仕様など都合4タイプも。
ネコひげ電車は東武の博物館に実車が展示されているそうなのでそれと比較されやすいと言う意味で造形に気が抜けないモデルと思いますが、例によってモデルとしてはそつなく纏まっていると思います。
個人的には流線型前面の湘南電車的な二枚窓に前面下部にシルが回り込んだデザインがクラシカルさとモダンさを両立させている感じがして個性的に感じます。
まだ動力化させていないのですがセクションの隅っこに留置させているだけで何となく和みます(笑)
ともあれ今回のリリースで東武の優等列車の歴史をNゲージのモデルで再現する事がまた更に容易になりました。
改めて思いますが鉄コレはつくづく恐ろしい。本書に収録されている私鉄車両はどれもこれも50年物のクラシックモデルなのにその大半が鉄コレで出てしまっているのですから。
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