帰省とあの頃の模型屋さんのはなし

 帰省で故郷にいる間は用事やら買い物やらであちこち飛び回りますが、その折に感じるのが街並みの変転の激しさです。

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 故郷の街中を流していてふと目についたのは、かつて地域のRC模型の殿堂とされ、鉄道模型もそれなりに充実していた模型屋さんの建物でした。
 看板こそ残ってはいますが現在はとうに廃業し、別の事業所が入っている様子です。

 そういえばこの趣味を始めた頃は、盛岡だけでも5軒以上は鉄道模型を扱う模型屋さんがあったのですが今では新品が買える模型屋さんは実質一軒だけです。その一方で中古モデルを扱う店は3,4軒ありますから中古の方が入手しやすいという状態になっています。

 これは現住地でも同様でして新品の模型屋さんよりも中古モデルの店の方が多いのですが、どちらの場合も近場にホビー系の量販店がないという共通点があります。

 つまり量販店すらない様な地方都市でも個人経営の模型屋さんは確実に減少傾向にあるという事は言えそうです。
 (もちろんネット通販の普及という要因も無視できませんが、この種の商品を手に取って確かめもせずに万単位の金をポンとクリックするというのは相当の度胸を要求される気がします)
 田舎だから模型のニーズが薄いという訳でもない様なので、一番の問題は後継者難ではないかと思えるのですがこればかりは厄介な問題かもしれません。
 ただ、そんな中で生き延びているショップは私個人では帰省の度に必ず覗きますし、大概の場合パーツ一個、キットひとつにしろ何かしら買って帰る事が多いのも確かです。特に車での帰省の時は帰省先でちょっとした工作をやる事もままありますし、現住地から持ち込んだモデルのトラブルの際には非常に重宝するのです。

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 それにしても、手に届く所に「模型の事に詳しく、ちょっとした相談に乗ってくれるご店主が居る模型屋さんがある」というのは単なるノスタルジーとは別に実に重要な気がします。
 そういう店はたとえ定価販売で値引きがないか少なくても定期的に覗いてみたくなりますし、工作中にちょっと「あれが欲しい、これが足りない」と言った時のコンビニ的な存在としても、とても大事な気がします。ある意味ショップによってユーザーが質的に育まれるという要素はあるのではないでしょうか。

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

2018年08月19日 21:29
こんばんは。
「模型の事に詳しく、ちょっとした相談に乗ってくれるご店主が居る模型屋さん」、私の街にも昔はあったのですが、気づけば閉店から6年は経過したでしょうか。
いまだにそのお店の喪失感は大きいです。
ちょっとした部品でも通販で買わなくてはならず、鉄道からミニカーまで揃っているお店はあれど、あるのはプラ製品ばかりで、しかもゆっくり話ができる雰囲気でもありません。
近年私がプラモに走った(出戻りですが)のは、まだ経験豊かな店主のいるお店がその分野には数軒あるからです。

現存する中古ショップなどでは、アドバイスはおろか整備能力もないので、不動品を安く買って自分で直して遊ぶというくらいの利用法はありますが、それにしても淋しい気がします。
結局自宅で見られる奥に小遣いをつぎ込みがちな昨今です。
送料がかかるのは同じなんですけれども……

新たに開業する模型屋さんも、大都市に偏っていますよね。
模型とて商売ですので、仕方がない面もありますが。
光山市交通局
2018年08月21日 20:26
>ebさん

遅ればせながらコメントありがとうございます。

 プラモデルの場合は鉄道模型よりも敷居が低い上にコンスタントに入門層が入ってきやすい(それがガンプラやミニ四駆であっても)要素が大きいと思います。熱心な所では店舗単位の展示会やコンテストもやっていますし。

 何れにしろ「モノ」を売るだけでなくそれに付帯するノウハウや雰囲気も提供するという感覚が求められそうですね。

 趣味性の高いジャンルほど価格よりもこうした付加価値が重視されなければ(殊に地方の場合)量販店やネット通販に対抗できないと思います。

 この辺りもこれからの鉄道模型を考える上で重要な気もしますね。