趣味の原点を振り返る54・TMSが模型屋さんで買えた頃

 今回のネタは「テツドウモケイがデパートで買えた頃」の姉妹編みたいなものです。

 昭和50年当時、鉄道模型の記事が載っている雑誌の中で普通に本屋で買えたのはまず「模型とラジオ」次いで「子供の科学」でした。
 あとは当時創刊したばかりの「とれいん」が大きな書店に並び始めた位でしょうか。

 つまりあの当時鉄道模型の専門誌である「鉄道模型趣味」(略称TMS、以下同)を置いている書店と言うものが故郷になかったのです。
 他誌などで「高級趣味誌」とか書かれていましたから雑誌の存在自体は知っていたのですが、本屋さんに並ばないせいで実物を見かける機会と言うものが殆どなかったわけです。

 ですからこの趣味を初めて最初の1年くらいはTMSを見たり買ったりすることはありませんでした。
 それが変わったのは翌年の正月に故郷のとある模型屋さんを覗いた時でした。
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 そこは当時はどこにでもあった市井の模型屋さんでプラモデルやミニカー、モデルガンなども扱う「模型のデパート」的な存在で鉄道模型もNゲージを中心に(これは実は当時非常に珍しい事でした。大概の店ではまだまだ16番が幅を利かせていましたから)いろいろ置いてありました。
 最初の頃はNゲージの線路やら車両やらをたまに買いにゆく程度(当時の私の懐具合から言って年に3,4回行ければいい方でしたか)だったのですが、この時は他のジャンルも見て回るつもりで店内をぐるりと回ってみたのです。
 すると店内の奥まった一角にガラス張りの書棚があり、モデルガン専門誌などと並んでTMS誌が置いてあるのを発見しました。
 しかも最新号だけでなく、過去1年半分くらいのバックナンバーも付いて。

 当時はまさか模型屋さんに雑誌が置いてあるとは思わなかったので意外に思うとともに、初めてのTMS誌を手にできた喜びにずいぶんと舞い上がったものです。
 「高級趣味誌」と呼ばれていただけあって小学生や中学生にはやや敷居の高い文体と専門用語だったと思いますが、写真でみるレイアウトや車両の作例記事はそれだけでこの世界の広がりの豊かさを実感させてくれるものでした。
 そうなると最新号だけで満足できるわけがない。
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 この趣味の二年目はその半分位がその店に通って「TMSのバックナンバーを揃える事」に費やされた記憶があります(笑)
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 今思い出しましたが、「陸蒸気からひかりまで」もここで買った記憶があります。

 模型そのものに触れなくてもこうした雑誌を見られる事でかなり渇が癒されたと同時に模型屋さんだけではわからない工作や最新事情などの情報が得られた事も実に大きかったと思います。
 実際当時はTMSだけが唯一の専門誌でしたから、ビギナーからベテランまでに対応すると同時に、Nゲージからライブスチームまでの幅広いジャンルを扱っていました。
 ですから意外と年少者や素人にも取りつきやすく、且つ総合誌として視野をかなり広げてくれる存在でもありました。
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 結局、ここで購入したバックナンバーは20冊近くになりましたか。
 3年目くらいになるとそのTMSもぼつぼつ書店の店頭でも買えるようになり上述の渇や不便さはかなり解消されました。
 これにはおそらく、TOMIXの登場と普及に伴うビギナーの増加がかなり影響していたのではないかと思います。

 それとともに(実家から遠かった事もあって)この模型屋さんへの足も遠のき、やがて現住地への引っ越しなどで30年位そこを覗く事はありませんでした。

 一昨年あたりに車で帰省した折にそのことが思い出されたので久しぶりに覗きに行ったのですが、模型店はその場所に依然としてあったものの「モデルガンとミリタリーギア」に軸足が移ってしまっていて店の構え以外に当時を偲ばせるものは残っていませんでした。
 (当然客筋もサバゲ系)
 

 これ、店そのものが無くなっている事よりも衝撃的だったりします(大汗)

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

2018年10月05日 10:18
こんにちわです。

懐かしいTMSです。表紙の写真で、この号を持っていた事を思い出しました。
内容も薄らながら覚えていますね。それほどあの頃は何回も記事を読み直していたんだと思います。
あの当時は子供で、早々模型を買う訳にも行かず、この雑誌で将来のレイアウト建設の夢を馳せていましたね。
私の実家の近所の本屋にはTMSは置いて無く、自転車で隣町の本屋まで買いに行ってました。
光山市交通局
2018年10月05日 23:48
>がおう☆さん

>この雑誌で将来のレイアウト建設の夢を馳せていましたね~

 実は私もその口です(笑)実際に実現したのは30年以上も後でしかも出来がお話にならないのですが。

 当地では既述の通り模型屋さんでの扱いだったのですが本屋さんでないだけにコンスタントに毎号入荷していた訳ではなかった様で、入荷自体が無かった号もいくつかありました。
 その教訓もあってある時期から書店取り寄せによる定期購読に切り替え、以後それが現在まで続いています。