「駅弁大会」

 最近のスーパーの秋の風物詩のひとつに「駅弁フェア」と言うのがあります。
 昔はこの手の全国駅弁イベントという奴はデパートのお家芸みたいなものでしたが、最近ではそこいらのスーパーでもふと思い立ったように開催されるので有難味は薄れつつある気もしますが。
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 先日も近所のスーパーで駅弁フェアがあり、久しぶりに買い込んできました。
 とはいえ田舎スーパーの事ゆえ品ぞろえはモールの半分以下。
 尤も、ここなどはまだ好い方で健康志向で売り上げを伸ばしている別のスーパーなどは添加物の少ない駅弁ばかりより集めた結果、トータルで10種類を切るという、どこが「大会」なんだかわからないイベントになったケースもあります。

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 そんな訳で割合手軽に食べられそうなサンドイッチ系ばかり買う羽目になりました。
 おかげでその日の昼食に妙に賑やかな事!

 これらをぱくついていてふと思い出した一冊がありました。
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 光文社新書が発刊時にラインナップしていた一冊「駅弁大会」(京王百貨店駅弁大会チーム 光文社)です。
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 デパートでの駅弁大会が本格的にブームとなったのはここ30年位の事ですが、その始まりは昭和20年代に大阪の大丸で始まったものだそうです。
 それから10年後に開業したばかりの百貨店の目玉イベントとして駅弁大会を育て上げたのが本書を著した京王百貨店の駅弁大会だったという事で、そこまでに至る苦労話を纏めたドキュメンタリーと言う形式です。

 最初は単なる駅弁の羅列だったところから始まり人気投票形式から「駅弁の甲子園」と呼ばれるほどのステイタスを得るまでの過程(これは同時にいつも同じ名物ばかりが並びがちな駅弁大会の新陳代謝を常に促す事でイベント自体の陳腐化を防ぐ意味合いもあったそうです)
 或いは日本最初の駅弁を限定復刻(つまり「おにぎりとたくあんだけ」という事になりますが笑)や廃線となった駅の駅弁の復刻などのイベント性の高いメニューの投入。
 客商売だけに常に陳腐化を恐れ定番商品の羅列に終わらせないスタッフの努力と苦心がページを通して伝わります。

 何より駅弁大会そのものを「お祭り化」して単なる買い物にさせないという意気込み。その熱気が何よりも読んでいて楽しかった部分でもあります。
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 で、翻るに地元の駅弁大会がなんだか貧相に見えてしまうのも同時に感じさせられたりしました。

 このブログでも取り上げた先日閉店したショッピングモールでは私の所属するクラブとのコラボで「テツドウモケイの運転会」とセットで駅弁フェアをやっていたものですが、これなどは他店との差別化の意味で結構いいアイデアでした。
 何しろ会場のショッピングモールは半径2キロ以内に線路も駅もないというロケーションでしたから、そのままだと旅情が薄い事夥しい(汗)
 実際、そこの品ぞろえは他店を圧倒する規模でしたし、それだけに捌けるのも早かった様です。

 とはいえ私などはレイアウトにかまける事が多くて終わった時には殆どが売り切れていて肝心の駅弁がなかなか買えなかったですが。


光山鉄道管理局
 HPです。


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