謎の専門誌「鉄道模型の友」ってなんだ?

 年末年始のエバーグリーン探訪に関連して。

 今回帰省の帰りにここに立ち寄ったのは主に「とれいん」のバックナンバー狙いだったのですが、ついでのつもりで買った本の方が面白くて考え込んでしまったというおまけが付きました。

 年末年始のセールという事もあったのでしょうが今回は古書、古雑誌のボリュームもやたらと多く、いっとき古本漁りに精を出す羽目になりました。
 鉄道模型の店なのに汗
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 で、そこで何の気なしに面白そうだからと手に取ったのがこの雑誌です。
 「鉄道模型の友」第4号(1974年)

 最初は模型屋さんのパンフレットか何かと思い気に留めなかったのですが、帰りの電車の中でよく読んでみると一応奥付もあり定価も付いています。
 雑誌扱いではない物の一応定期的に刊行されていたものの様です。
 発行所はアートプランニング。編集兼発行人に藤田欣史と言う名前が載っています。
 総ページ数は32ページで、本文にカラー印刷はありません。ぱっと見では「昔の自治体の広報」か何かのようにも見えます。
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(「鉄道模型の友」第4号6・7Pより画像引用)

 16番全盛の時期の雑誌らしく内容はペーパーによるキハ23の工作法に始まり、ペーパー車体の上手な塗装方法、蒸機用ロストパーツを使った簡単なディテールアップ、車両の展示台をやさしく作るとビギナー向けの工作記事が並んでいます。
 更に「鉄道模型の通信販売の利用について」という記事もあり当時はあまり一般的ではなかった通販の利用法について懇切丁寧に記してあるのが目を引きました。
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(「鉄道模型の友」第4号11Pより画像引用)
 読んだ感じは「模型と工作」「模型とラジオ」の鉄道模型関連記事だけを切り抜いて一冊にまとめたという趣で、カラー印刷が無い地味な装丁と併せて「入門者~中級モデラーの工作ガイド」といった内容です。

 それにしても、70年代前半にTMSとは別個にこんな鉄道模型の専門誌が出ていたなどこれまで全く知りませんでした。
私の故郷のような田舎で売られていたとは考えにくく、また地味すぎる装丁から見て一般書店に流通していたとも考えにくい所があります。

 紙面には模型店の広告も多いのですが、首都圏の他近畿圏、中京圏の店も名を連ねている所から見て本誌は主に3大都市圏の模型屋さんを中心に流通していたのではないかと言う印象を持ちました。

 これに興味を覚えてネットで検索してみたのですが、驚いた事にヒットしたのは画像、記事ともに二つか三つ。
 しかも本誌の創刊事情や何号まで出ていたのか等の基本的な情報が一切不明なまま。まさに「謎の鉄道模型雑誌」です。

 創刊は1971年前後らしいので殆ど年1回程度の刊行ペースだった様ですが5号以降出ていたのかは不明。
 もし本誌について何か情報をお持ちの方が居たらご教示頂けるとありがたいですが…

 それを別とすれば、本誌の内容はTMSよりやや下、模型と工作よりやや上と言う微妙な読者層を狙っている様な印象でこういうのがもう少し続いていたらと思わせるには十分な内容でした。

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

2019年01月17日 02:11
はじめまして。桜山軽便と申します。
鉄道模型の友は、小、中学生の頃に読んでいた雑誌であり、懐かしく拝見しました。
ボロボロですが今でも残っており、久しぶりに読み返し、ブログの記事にしました。
よろしければご覧ください。
https://sakurayamalr.at.webry.info/201901/article_4.html
光山市交通局
2019年01月17日 21:42
>桜山軽便さん

 コメント及び情報ありがとうございます。

 本誌についての情報が少なかっただけに大いに参考になりました。
 具体的な内容についての感想はそちらのブログに上げさせて頂きます。

 まずはお礼まで。