「絵とき鐵道科学」に舌を巻く(汗)
今回は書籍ネタです。
前回の「鉄道模型の友」と同じくエバグリでの戦利品から
交友社発行の「絵とき鐵道科学」(鐵道教育研究會著)
初版が昭和21年ですから70年以上前の本という事になります(因みに当時の定価は18円)
時期が時期なだけに紙質は仙花紙の様なざらざらしたもので見るからに時代を感じます。
それもあって最初は単なるレトロ趣味程度のつもりで購入したのですが、これがなかなか侮れない内容でした。
本書では線路、保安、車両の3章に分けて鉄道の基本知識をわかりやすく図解しているのですが画が大きくて見やすい上に、文字が少ない割に情報量も多く非常にわかりやすいのです。
ほんの一部を引用させて頂くとこんな具合です。
(交友社 鐵道教育研究會著「絵とき鐵道科学」94Pより画像引用)
本書の後に出た鉄道図鑑や鉄道百科の類は数えきれないほどある筈ですがこれよりわかりやすい本はどれだけある事か。
発行時期が時期ですから読者の対象に「鉄道模型マニア」が入っていないと思われます。日本で「レイアウト」の概念が紹介されたのは恐らく 昭和23年以降、鉄道模型も主流はOゲージで16番はようやく黎明期だったはずです。
(交友社 鐵道教育研究會著「絵とき鐵道科学」72Pより画像引用)
それなのに特に線路や保安などの記事を通しで読むと「無性にレイアウトが作りたくなる」気分になってくるのです。それ位施設関連の説明とイラストがよく出来ていて理解しやすいのです。
こう言っては何ですがある程度鉄道施設に関してリアルなレイアウトを作ろうと思ったら本書は必携の一冊ではないでしょうか。(勿論これ以降の技術や環境の変化も勘案しなければならないですが。何しろ本書の頃にはATSもCTCもなし、国鉄内でも電車はまだまだ傍流でしたが)
何しろ本書ではタブレット式通票が「単線閉塞方式の王座」なんて大仰に書かれ「通票閉塞器の操作法が2ページにわたって書かれている!」くらいです。
車両にしても同様でこれを読むと「無性にブレーキホースや放熱管を追加したくなる」魔力が(以下略)
面白いのは本書の場合記事の中心が線路や施設の解説にある事で車両に関しては全体の3割ほどしかありません。この辺り「鉄道を施設産業と捉えて車両も含めたシステムとしての鉄道に興味を持ってもらおう」とする当時の著者のポリシーを感じます。
先に書いた様に文章は平易ですし(但し旧仮名遣いで今では使わない漢字も多数ある点に注意すれば)イラストも的確かつ大きく描かれているので「これ一冊読んだら鉄道博物館に行かなくてもいいんじゃないか?」とすら思えるほどです。
これくらい出来のいい本なら重版や復刻の可能性もありますが・・・なんて書いていたらこれは今でもKindle版で電子書籍化されて容易に読めるのだそうです。
ですが、これほどの名著が今回たった100円で入手できた(上記の電子書籍版でも350円するのに)のですからエバグリ恐るべし。
そう思うと来月の閉店が改めて惜しまれてなりません。
光山鉄道管理局
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初版が昭和21年ですから70年以上前の本という事になります(因みに当時の定価は18円)
時期が時期なだけに紙質は仙花紙の様なざらざらしたもので見るからに時代を感じます。
それもあって最初は単なるレトロ趣味程度のつもりで購入したのですが、これがなかなか侮れない内容でした。
本書では線路、保安、車両の3章に分けて鉄道の基本知識をわかりやすく図解しているのですが画が大きくて見やすい上に、文字が少ない割に情報量も多く非常にわかりやすいのです。
ほんの一部を引用させて頂くとこんな具合です。
(交友社 鐵道教育研究會著「絵とき鐵道科学」94Pより画像引用)
本書の後に出た鉄道図鑑や鉄道百科の類は数えきれないほどある筈ですがこれよりわかりやすい本はどれだけある事か。
発行時期が時期ですから読者の対象に「鉄道模型マニア」が入っていないと思われます。日本で「レイアウト」の概念が紹介されたのは恐らく 昭和23年以降、鉄道模型も主流はOゲージで16番はようやく黎明期だったはずです。
(交友社 鐵道教育研究會著「絵とき鐵道科学」72Pより画像引用)
それなのに特に線路や保安などの記事を通しで読むと「無性にレイアウトが作りたくなる」気分になってくるのです。それ位施設関連の説明とイラストがよく出来ていて理解しやすいのです。
こう言っては何ですがある程度鉄道施設に関してリアルなレイアウトを作ろうと思ったら本書は必携の一冊ではないでしょうか。(勿論これ以降の技術や環境の変化も勘案しなければならないですが。何しろ本書の頃にはATSもCTCもなし、国鉄内でも電車はまだまだ傍流でしたが)
何しろ本書ではタブレット式通票が「単線閉塞方式の王座」なんて大仰に書かれ「通票閉塞器の操作法が2ページにわたって書かれている!」くらいです。
車両にしても同様でこれを読むと「無性にブレーキホースや放熱管を追加したくなる」魔力が(以下略)
面白いのは本書の場合記事の中心が線路や施設の解説にある事で車両に関しては全体の3割ほどしかありません。この辺り「鉄道を施設産業と捉えて車両も含めたシステムとしての鉄道に興味を持ってもらおう」とする当時の著者のポリシーを感じます。
先に書いた様に文章は平易ですし(但し旧仮名遣いで今では使わない漢字も多数ある点に注意すれば)イラストも的確かつ大きく描かれているので「これ一冊読んだら鉄道博物館に行かなくてもいいんじゃないか?」とすら思えるほどです。
これくらい出来のいい本なら重版や復刻の可能性もありますが・・・なんて書いていたらこれは今でもKindle版で電子書籍化されて容易に読めるのだそうです。
ですが、これほどの名著が今回たった100円で入手できた(上記の電子書籍版でも350円するのに)のですからエバグリ恐るべし。
そう思うと来月の閉店が改めて惜しまれてなりません。
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