「耳できくのりもの」とイマジネーション

 昨年暮れの事ですが、例の鉄道カフェでご店主と雑談の折「こういうものがありますよ」と紹介されたレコードがありました。
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 おそらく昭和40年代後半の物でしょうか、学研の学習ずかん百科のひとつ「耳できくのりもの」
 図鑑と言っても中身はアナログレコードでいろいろな乗り物の音を収録したものの様です。

 そういえば昭和40年代頃を中心にこの手の「レコードで聴かせる図鑑」と言う体裁の物は結構あった記憶があります。
 CDに比べて直径が大きくて平たい事からB5やA4サイズの書籍に落とし込みやすかった事、また当時はDVDどころかVHSすら出ていなかった為に映像主体のソフトが作れなかった面もあったのでしょう。

 ご店主の所ではプレーヤーが無いので私の所のプレーヤーで再生して中身をチェックしてほしいとの事でした。
 早速自宅で再生、中身をチェックしました。


 収録されているのは主に蒸気機関車、新幹線、フォーミュラレーサー、DC-8型ジェット旅客機の音。
 なぜか船がありません。
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 SLブームの折ですから蒸機の音が入っているのは当然で、しかも大人向けの音源レコードだっていくらでもありそうですが、当時のマニアにほとんど無視されていた0系新幹線やDC-8の現役時代の音が聴けるというのは考え様によっては貴重とも言えます。 

 聴いていると蒸機のブラスト音とか新幹線のフォーンには確かに昭和40年代の空気が感じられます。
 最初はD51の3重連の石炭の投炭、確認の声、後補機を繋いだ状態での登坂が、後半では0系新幹線の通過音、ひかり33号の車内アナウンス、中でも「電話室からの呼び出しアナウンス」なんてのはこんなレコードでもないと収録されていないのではないでしょうか。 ナレーションでは岡山止まりらしいので収録時期は山陽新幹線開通前後の昭和47,8年頃でしょうか。

 またDC-8ではJAL105便大阪行きの空港内のアナウンスから始まり機内アナウンス、管制塔との交信を経て離陸音、着陸音が収録されています。

 ナレーションは教育映画のそれをイメージさせるもので教育テレビのそれよりも堅苦しさがあり、聴き様によってうっとおしいかもしれません(笑)が当時物の音を聴きながらあの頃の気分に浸るならこれはこれで雰囲気は悪くないと思います。
 今ではこの手の図鑑はレコードからビデオやDVDあるいはWEBに主役を譲っていると思いますが、今回聴いてみて思ったのは、レコードには映像主体のビデオ図鑑とは異質な「聞きながら情景を想像する」と言う意味でのイマジネーションを刺激させるものがある気がします。
光山鉄道管理局
 HPです。


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