鉄道ミステリとNゲージ 番外編 「黄金の新幹線」
まず最初に
昨日は辛気臭い話を書き殴ってしまいすみませんでした。
今回の件では色々と考えさせられる所の多かった一方、自分自身への自戒とスタンスを再確認するという意味では無意味ではなかった気はします。
そんな訳で今日は少しいつもと違ったネタでやってみたいと思います。
鉄道ミステリとNゲージネタ、今回は番外編です。

昭和40年代から50年代半ばにかけて当時の少年劇画で一世を風靡した望月三起也の「ワイルド7」
私も当時行きつけの大衆食堂に置いてあった少年キングを楽しませて頂いたものです(ジャンプやマガジンは放っていても同級生の誰かが学校に持ち込んでいたので不自由しなかった一方、なかなか目にしないキングを読むのはこうした食堂でしたw)
これがなぜこのブログにと不思議に思われる向きもおありかと思いますが、本作の中の一編が結構当時の私の琴線に触れていたからです。
その作品と言うのが「黄金の新幹線」
本作が描かれた当時は東北・上越新幹線が工事のとっかかりに入っていた時期でしたのである意味タイムリーな題材ではあります。
大雑把なあらすじはこうなのですが、実は本作はワイルドのシリーズ中でもあまり出来の好い方ではなく、プロットが二転三転するうちに整合性を失ってしまい、結末に近づくにつれて何がなんだかわからなくなってしまう弱点があります。
(本作は他の話が単行本2,3冊は消化しているのに1冊で収まるという通常の話の半分以下のボリュームなので、プロットが未消化のまま書かれてしまった可能性が高いですが)
尤も活劇目当てで読む分には問題ないですが。

(徳間書店 徳間コミック文庫 8Pより画像引用)
また、アクションやカーチェイス、あるいは新幹線絡みのスペクタクルもあるにはあるのですが、作者があまり鉄道を調べずに描いていた様で新幹線では見かけないプレートガーダー橋(この点について実例があるか調べてみたのですがよくわかりませんでした。ご存知の方、ご教示をお願いします)がトリックに使われたり、崖が線路のすぐそばまで迫っている様な普通ではあり得ないロケーションに線路が引かれていたりと鉄道ファンが読めば失笑する描写が続出します。
ですが当時の私はこれを随分とむさぼり読んだもので、単行本も複数買い込んだりしたものです(自慢にも何にもならない)
もちろん本作の持つ劇画調そのものと言った感じの勢いのある描写が最大の魅力でもあるのですが。

(徳間書店 徳間コミック文庫 10Pより画像引用)
作品の冒頭の大臣暗殺計画の所で実際の路線のレイアウトを組んで実演するところとか、物語中盤で線路を監視するヘリコプターの真上でがけが崩れるサスペンス、鉄橋から落ちかかった新幹線から車両が転落する前に乗客がゆっくりひとりづつ降りる描写など、レイアウト嗜好を感じさせるような描写に惹かれたのだと思います。
(その一方で銃器や車の描写は鉄道に比べると確かでコーナリングでFF車とFR車の違いをきちんと描き分けていたりするので鉄道の描写のいい加減さに比べてややちぐはぐだったりするのですが)
まあ、やろうと思えば本作をモチーフにしたレイアウトとかモジュールとかを作る事も出来ない事はないでしょうし。

又時代を象徴と言えば本作が描かれた当時は東北新幹線のカラーリングが決定していなかったので車両のカラーリングはまんま東海道新幹線のそれで、もちろん大窓車ですw
(昭和50年頃までは地元の新聞ですら東北新幹線の予想図に「青い新幹線」が描かれていた位なのでこれはミスのうちには入りませんが)
そんな訳で新幹線開通前夜のあの頃の私にとって本作は特別な位置を占めている一作でした。
光山鉄道管理局
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昨日は辛気臭い話を書き殴ってしまいすみませんでした。
今回の件では色々と考えさせられる所の多かった一方、自分自身への自戒とスタンスを再確認するという意味では無意味ではなかった気はします。
そんな訳で今日は少しいつもと違ったネタでやってみたいと思います。
鉄道ミステリとNゲージネタ、今回は番外編です。

昭和40年代から50年代半ばにかけて当時の少年劇画で一世を風靡した望月三起也の「ワイルド7」
私も当時行きつけの大衆食堂に置いてあった少年キングを楽しませて頂いたものです(ジャンプやマガジンは放っていても同級生の誰かが学校に持ち込んでいたので不自由しなかった一方、なかなか目にしないキングを読むのはこうした食堂でしたw)
これがなぜこのブログにと不思議に思われる向きもおありかと思いますが、本作の中の一編が結構当時の私の琴線に触れていたからです。
その作品と言うのが「黄金の新幹線」
本作が描かれた当時は東北・上越新幹線が工事のとっかかりに入っていた時期でしたのである意味タイムリーな題材ではあります。
新幹線用地の買収を見越して土地を買い占めていた黒星建設。しかし買収した土地の隣が運輸大臣の出身地だったために路線が変わってしまい大損害を蒙る事になってしまう。
その恨みから黒星建設は殺し屋を雇い大臣の暗殺を計画。
大臣の乗った新幹線の試験列車の路線上に仕掛けを施し、事故に見せかけた暗殺計画が決行される。
一方暗殺計画を察知したワイルド7の面々は大臣の護衛と犯人の解明と始末に乗り出す事になるが、事態が進むにつれて事件は暗殺にとどまらず新幹線の手抜き工事、更には会社そのものの乗っ取り計画へと二転三転してゆくのだった。
大雑把なあらすじはこうなのですが、実は本作はワイルドのシリーズ中でもあまり出来の好い方ではなく、プロットが二転三転するうちに整合性を失ってしまい、結末に近づくにつれて何がなんだかわからなくなってしまう弱点があります。
(本作は他の話が単行本2,3冊は消化しているのに1冊で収まるという通常の話の半分以下のボリュームなので、プロットが未消化のまま書かれてしまった可能性が高いですが)
尤も活劇目当てで読む分には問題ないですが。

(徳間書店 徳間コミック文庫 8Pより画像引用)
また、アクションやカーチェイス、あるいは新幹線絡みのスペクタクルもあるにはあるのですが、作者があまり鉄道を調べずに描いていた様で新幹線では見かけないプレートガーダー橋(この点について実例があるか調べてみたのですがよくわかりませんでした。ご存知の方、ご教示をお願いします)がトリックに使われたり、崖が線路のすぐそばまで迫っている様な普通ではあり得ないロケーションに線路が引かれていたりと鉄道ファンが読めば失笑する描写が続出します。
ですが当時の私はこれを随分とむさぼり読んだもので、単行本も複数買い込んだりしたものです(自慢にも何にもならない)
もちろん本作の持つ劇画調そのものと言った感じの勢いのある描写が最大の魅力でもあるのですが。

(徳間書店 徳間コミック文庫 10Pより画像引用)
作品の冒頭の大臣暗殺計画の所で実際の路線のレイアウトを組んで実演するところとか、物語中盤で線路を監視するヘリコプターの真上でがけが崩れるサスペンス、鉄橋から落ちかかった新幹線から車両が転落する前に乗客がゆっくりひとりづつ降りる描写など、レイアウト嗜好を感じさせるような描写に惹かれたのだと思います。
(その一方で銃器や車の描写は鉄道に比べると確かでコーナリングでFF車とFR車の違いをきちんと描き分けていたりするので鉄道の描写のいい加減さに比べてややちぐはぐだったりするのですが)
まあ、やろうと思えば本作をモチーフにしたレイアウトとかモジュールとかを作る事も出来ない事はないでしょうし。

又時代を象徴と言えば本作が描かれた当時は東北新幹線のカラーリングが決定していなかったので車両のカラーリングはまんま東海道新幹線のそれで、もちろん大窓車ですw
(昭和50年頃までは地元の新聞ですら東北新幹線の予想図に「青い新幹線」が描かれていた位なのでこれはミスのうちには入りませんが)
そんな訳で新幹線開通前夜のあの頃の私にとって本作は特別な位置を占めている一作でした。
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この記事へのコメント
当時、ワイルド7シリーズで唯単行本を購入しました。
橋げたが落ちて、脱線するシーンは、実は模型だったという。
持ち上げた腕のサイズと比較すると、16番よりも大きい様ですが。
さらに、高価な模型を水浸しにするという、贅沢なシーンが印象的でした。
話としては、いまひとつでしたが、やはり、新幹線・鉄道絡みということで、当時気になって、少ない小遣いで買ったものでした。
ワイルド7のシリーズは、その後、コンビニの廉価版で復刻したので、発売されたものは、全て揃えました。
何があったかというと、ここの線路を炎上したトレーラーが暴走、駅(仲土or仲戸駅)近くの高架を突き破り転落。」という派手なシーンに使われました。
で、社名から「この駅は東急の駅がモデル?」と思ったら駅そのものは京浜急行線の「仲木戸駅」だそうです。(作者が明言、外部構造もほぼ同じ)
ちなみにその後西急鉄道は次の『運命の七星』で肉玉鉄道(この回のワイルド7の敵)に買収されてしまったらしく、そっくりな駅が「仲本戸駅」と名前を変えて肉鉄の駅として登場してましたw
コメントありがとうございます。
新幹線大爆破以前に新幹線そのものを題材にしたスペクタクルを劇画でやったというのは私もインパクトが大きかったですね。
確かこの話はキングの増刊号で一挙掲載された話で私の記憶だと「新幹線の実景を背景に飛馬がピストルを構えるポーズだったと記憶しています。ひょっとしたら増刊用の書き下ろしだったのかもしれません。
運命の七星、私も覚えていますが「肉玉鉄道」略して「肉鉄」というネーミングのセンスは凄かったですね。
おまけに一私鉄が私設警察を持ちワーゲンビートルを凶悪に改造した「肉鉄パトカー」なんてのまで繰り出していたから当時の私は唖然としたものでした(笑)