「モハようございます」


 先日入手した古本から
IMG_4849~photo.jpg
 上京の折に立ち寄る某鉄道ショップではこれまでカラーブックス系をはじめとして地元ではなかなか入手できない書籍や専門誌のバックナンバーが田舎よりも容易に入手できるので重宝しているのですが、それとは別に「帰りの電車の中で読むような肩の凝らない本」なんかを安価に購入する事もあります。

 肩の凝らない本の中には一頃よくあった「鉄道マニアの生態本」なんてのも含まれますが鉄道ショップの場合この手の本はブック●フ辺りより安価に並んでいる事が多くお財布には優しい買い物ができます(笑)
DSCN6143b.jpg
 今回紹介するのは平成20年初版の「モハようございます。あの人はなぜ、鉄道にハマるのか?」(吉田一紀著\オーム社)
 この本が出た頃は「テツ」「鉄分」といった用語がテレビなんかでも取り上げられ始めた頃(人によってはこれを「バブル」と呼称していた向きもあります)
 模型に限らず鉄道趣味というものが単なるマニアックな世界から徐々に一般に認知され始めた時期でもあった一方で「撮り鉄」「葬式鉄」などの起こす問題がクローズアップされ始めた頃とも重なります。
 とはいえ、一般レベルでポジティブにクローズアップされるのは主に「乗り鉄」と呼ばれるジャンルの事が多く(恐らく旅番組や紀行本との相性が良いからと思いますが)他の趣味については相変わらず「ご近所の変わり者」レベルを脱していないことが多かったですが。

 新刊でこの本が出た時、書店の店頭でこれを見た事はあったのですが、どうにも心地悪い感じがして手が出せなかった記憶があります(笑)10年を経て東京の古本屋でこれを見かけてようやく入手した次第。

本書は一般書の体裁で「鉄道マニアの生態と彼らが語る鉄道趣味の魅力」を俯瞰で見られる事を主体に置いています。前書きにもあるように著者自身は鉄道ファンでもなければライターでもないとの事で、様々なマニアに取材し彼らが語る肉声を通してあらゆる角度から見た鉄道趣味の魅力が語られています。

 例えばそれは時刻表であったり音の収集だったり、さらには線路のカーブの魅力とか旧国鉄型とか廃線巡りなども取り上げ、できうる限り広範に鉄道趣味を俯瞰しています。もちろん専門書ではないので個々の記述に突っ込み不足と取れる部分も散見されるのですが、読んでいる分には肩が凝らないのも確かです。

 また、鉄道趣味というのは一種「薀蓄自慢の楽園」的な側面が強く、仲間内だけで通用する専門用語紛いの隠語が行き交い、世間に対する理解そのものを拒否する姿勢が特にSLブームの前後には顕著だった気がしますが、そんな中でも少しづつ世間に対してわかりやすく噛み砕いて趣味の魅力をアピールしようとする流れが始まっている事が本書を通して実感される事。それがこの本を通して読んだ事だったりします。

 ただ、本書に限らずこの種のマニア俯瞰本では大概の場合鉄道模型の記述が他の趣味に比べておざなりだったり知識面でいい加減だったりする事が多く、その意味ではストレスが溜まるといえば言えます(笑)
 まあ、そんなのを気にするのは私くらいなもんですが。

 本書が出てから10年が経ち、その間に秋葉原をはじめ私の原住地にまで鉄道カフェが登場し、CSの民放系チャンネルに必ず鉄道番組が組まれるようになりました。一見して世間的な認知度はそれほど変わっていないように見えますが、鉄道趣味に対する認知度は少しづつ変わってきていると思います。

 もし今こうした形式の本が再び出たとして内容がどう変化しているか、確かめてみたい気もします。

光山鉄道管理局
 HPです。


にほんブログ村


にほんブログ村


にほんブログ村


鉄道模型 ブログランキングへ

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。


この記事へのコメント