メルクリンHO、それから・・・タンク機増備のはなし
先日入線のメルクリン基本セットの話の続きです。
すでに基本セットにはCタンクと客車2両があるわけですが、走りを楽しむなら動力車がもう1両くらいは欲しくなります。
とはいえ、メルクリンの機関車で安価な奴など、田舎ではそうそう見つかるはずがない。というわけで先々月のアキバ行きの折、中古ショップを回ってみました。
結果発掘したのが別なタイプのCタンクと貨車3両がまとめ売りしている出物でした。
基本セットのCタンクは客車用ですが、今回のロコは貨物用を想定している様です。
(上・下とも科学教材社 77年版工作ガイドブック 408Pより画像引用)
ところが帰宅後、資料を調べてみて驚きました。
こちらのCタンクは同じメルクリン基本セットの貨物列車仕様のバラシだった様なのです。
この基本セットは旅客列車と貨物列車のふたつの仕様からなり車両以外は共通の様です。
まあ、それだけなら驚かないのですが、2両の機関車を並べてみるとスタイルが違うのは勿論なのですが旅客用が3軸の動輪の1軸だけを駆動しているのに対して、貨物用のは3軸全軸を駆動する構造だったのです。
この貨物機、見た所ではZゲージでも先日入線しているBRの89形タンク機関車の様です。
(こちらはZゲージ仕様)
つまり同じ時期に出ている似た様な基本セットの似たようなロコなのに格好だけでなく中身まで全く違う仕様だったのです。
普通、他のメーカーなら貨物と旅客という別仕様であってもカッコが違うだけの中身が同じモデルでお茶を濁しそうなものですがメルクリンはそれぞれに専用の中身の機関車をあてがっているというのは結構新鮮な驚きでした。
おそらく貨物仕様の方は後から貨車を追加して長編成化するであろうことを想定して動力に余裕のある3軸駆動を採用していたのかもしれません。古典仕様の2軸客車の長編成は想定しずらいですし。
そのせいもあるのか同じセットでも貨物列車セットの方が2千円以上高価になっています。
走りっぷりは前のCタンクに比べると重量感のある走りでスローも幾分効いている反面スピードはあまり出ない様です。
さて、2両の機関車が入手できたならそれを同じ線路の上で走らせたらどうなるかを確かめたいですがそれについては次の機会に。
最後に
これまで当ブログのカテゴリは16・5ミリゲージを一纏めに「16番」と括っていましたが、手持ちの外国型の比率が高い事と16番と同スケールのナローモデルが入ってきた事もあり「16番/HO/9mmナローゲージ」と呼称を変更する事にしました。
何れ記事数が増えてきたら、これもまた分離させる事になると思います。
光山鉄道管理局
HPです。
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この記事へのコメント
日本型でも新幹線はHOですし。
私は鉄道模型はリマのHOで始めましたが、カタログには新幹線は勿論、103系電車や日本型貨車もHOと表記されてました。
海外ではHOと16番の区別はされてないのでしょうか?
その割には英国型はOOゲージと表記されてましたが…
そういえば有井から出ていたプラモデルは日本型であるにも関わらずHOと表記されてました。
現在、トミックスは1/80スケールと表記してますが、カトーは日本型であってもHOと表記してますね。
結局のところ、どれが正解なのか未だに解りません。
イタリアのリマが日本型であってもHOと表記していたし、カトーですらHOと表記しているからHOで良いのでしょうね。
ややこしいから私はHOと昔から言ってます。16番なんて言ったこと無いです。
この話をし出すとややこしくなりやすいのであまり触れなかったのですが、私個人の事情としてこのサイズのモデルは手持ちの日本型と外国型の比率がほぼ半々なので、便宜上16番とHOを分けた方が分かりやすいという判断があります。
(そもそもこのブログの分類ではナローまで混ざっていますから)
日本の16番は純粋に日本市場だけしか考えていない独自規格と言う性格上英国のOOに近い存在と捉えています。
実際16番スケールとHO規格のスケールではレイアウト用品ひとつとっても車のサイズや人形の身長に違和感を感じる事が多いですし(例えば16番スケールのカーコレ80とKATOのHOスケールのミニカーでは小型車と軽自動車くらいのサイズ差が出ます)
他の方がHOと16番を同一視して語るのは止めませんし、16番と言う呼称を推奨するつもりもないですが、私個人はこのふたつは分類上の便宜で分けて考えています。
実際この手の呼称問題はややこしい事この上ないですし、Nゲージだって日本型150分の1と外国型160分の1が同一視されていますから鉄道模型大好きおじさんのご意見は尤もだとも思っています。
(それでも上述したスケール違いの弊害はNゲージでもストラクチャー、アクセサリの上で存在しますが)
(現在規格上日本型と外国型のスケールが統一されているのはZゲージだけですし)
『鉄道模型趣味』でも手持ちの号で一番古い65年11月号のミキスト(通算p.743)で軌間とスケールの違いについて触れているのですが、当時からこれがもめていたらしく「(HOと)16番ゲージとして我々がとっている4㎜、3.5㎜、1/80などの話を入れると難しくなるからやめておくし、日本型の762㎜ゲージを1/80で作るか1/87で作るかというと話が長くなるからここではふれない。」とあります。
ところでこのミキストの本題は「9㎜ゲージとHOn2と1/2の違い」に関する説明で「分かっているようで意外に理解してない人が多い」…う~ん、スケールが2倍近く違って混同している人がいるのかよ?と言いたくなりますが、当時はそうだったんでしょうなw
(これから10年後の75年10月号にでさえ「ぼくは(鉄道模型を始めるにあたり)9㎜ゲージにしようか9㎜ナローにしようか迷っています。どちらの方がいいでしょうか。」と間違いなく混同している質問が来てました。)
実際、この種の呼称・分類問題は本当に面倒臭いですね。レールと言う共通規格に対する縮尺の相違は覚えきれないほどです。
かつてはOゲージでも「0番」と言う呼称がありましたしZゲージでも日本型で縮尺200分の1を謳う「スーパーZ」とかいうのを提唱していた向きもあります。
してみるとNゲージだけが日本型150分の1、外国型160分の1が混在していながら単独の呼称を使って定着した数少ない例だったのではないでしょうか。実はこれもNが16番を抜いた背景のひとつではなかったかと私個人は感じています。
「ナローとNを迷う」と言う発想、当時は私も笑ってしまった口ですが(汗)ビギナーにとってはどちらも「テツドウモケイ」な訳で線路の幅が同じでも提示される楽しみ方が根本的に違いますから悩むのも無理はなかったかもしれないですね。
この辺り70年代のSLブーマーに代表される「実物趣味からスタートしている従来の鉄道模型ファン」とは異なる「模型ファンとしての鉄道模型ファン」層が現われはじめた事も示唆され、興味深いです。