趣味の原点を振り返る 宮沢のBタンクとリファレンスのはなし

 久しぶりの趣味の原点のはなしから
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 テツドウモケイに限った話ではないのですが、物が介在する趣味の場合「最初に触れたアイテムがその趣味の原点になる」と言うのはよくある話です。
 趣味を始めたタイミングで良いものに出会えればそれが後の趣味の展開を図る基準点として作用するでしょうし、逆に碌でもない物に当たってしまうと早々と嫌気がさしてその趣味をやめてしまうというのもよくある話です(もちろん例外もありますが)

 私がこの趣味を始めたのは1975年の事で最初からNゲージを選択していたのですが、鉄道模型そのものに興味を抱いたのはそれより数年前、当時機関士をしていた親類が16番をやっていた影響を無視することはできません。

 とはいえ、それらの模型はあくまでその小父さんのものであって私個人のものではなかったのですがそれでも家にお邪魔した折に小父さんの制作した模型を運転させてもらいながら「いつかはこんなのを」と夢見たのも確かです。
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 それらの模型の中でも宮沢模型のBタンクの印象は格別でした。
 他のスケールモデル(自作車両を含む)に比べて非常に可愛らしいデザインでありながら、明らかに玩具とは異なる存在感がありましたし、金属製ゆえの質感はヘタな細密感よりも蒸気機関車である事を強く主張するものだったのです。
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 それだけでも凄いのに線路に通電させ、パワーパックを操作すると前進も後退も自由自在。それどころかつまみをひねれば思う様にスピードの調整までできるというのは当時のガキだった私には大変なアドバンテージだったのです。
 今ではその小父さんも鬼籍に入り、何年か後にそのモデルをご遺族から譲り受けた時の感慨は忘れられません。
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 これがきっかけの一つとなり16番やHOのモデルにまで手を出し始めて大分経ちます。
 ですがここ数年は大型のスケール機のロコよりも自由形などの小型機関車に手を出す事が多くなりました。
 三つ子の魂百までと言いますか、店頭でこれらのロコを見ると反射的に宮沢Bタンクを思い出してしまうからかもしれません。

 実際、小型の自由形機と言うのは細密感とか実車の再現性とか言うところよりもデザインセンスと印象把握で機関車らしさを感じさせるところにメーカーの腕の見せ所があると思いますが、後に入線させた16番小型機を見ると無意識的に「ああ、このロコはここが宮沢のあれと違うな」とか「宮沢のあれよりも走りっぷりがいいな」とか感じてしまう。
 そういう意味で宮沢のBタンクは私の中で模型機関車の評価の基準点として作用している気がします。
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 今ではNスケールでもこれに負けないくらいのミニ機関車がスケール機、自由形を問わず次々と製品化されるようになりましたが、それらを眺める時でさえ同じ様に宮沢のBタンクと比べてしまうのですから大したものです。

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

eltonjohn
2019年12月05日 11:25
今日は:

Bタンク、懐かしく拝見しました。
当時、つぼみ堂なども比較的安価な入門用として出していた記憶があります。

現在のNスケールでは、こういう小型の方が却って設計製作が大変で、高価になってしまうのは皮肉ですね。
それでも、トミーのトーマスシリーズのように(かなりオーバーサイズとはいえ)頑張っている物もありますが…
雪篠電車
2019年12月06日 19:54
素人の思いつきで恐縮ですがD51か9600あたりに門デフをつけてランボードや下廻りを赤く塗ったらドイツ機っぽく見えますかね。
それを運転会で見抜けてしかも洒落の通じるファンがいたら素晴らしいですよね。
手間とお金がかかりそうですが…
鉄道模型大好きおじさん
2019年12月07日 02:14
Nゲージの小型蒸気機関車、大型機と値段的に変わらないのが多いですね。
例えばカトーのC11なんて旧製品時代は定価でも5500円だったのに、新製品にリニューアルされたら11000円と大型機並の値段になってしまいました。
チビロコは安いけど、客車に押されて走るユーレイというのが難点。

トミックスのトーマスシリーズ、比較的安いとは思いますが、Nゲージとしては大き過ぎますね。
もはやTTゲージと呼ぶべきという気がします。
ただ、トーマスシリーズの場合は年少者がメインユーザーなので、取り扱い易いように敢えて大きめにしているのかも知れません。
年長者でトーマスシリーズを買う人は少数派と思われますので…
私もアニメは好きな方ですが、トーマスシリーズにはイマイチ食指が動きません。
正式なNゲージスケールだったら購入したかもしれませんが。
鉄道模型大好きおじさん
2019年12月07日 02:25
門鉄デフと呼べるか微妙ですが、D51 499の足回りを赤く塗ればドイツの蒸気機関車みたいにならないでしょうか?
光山市交通局
2019年12月07日 22:56
>雪篠電車さん 鉄道模型大好きおじさん

 うろ覚えなので違っていたらすみません。

 下回りを赤く塗った9600と言うのはかつて実行された実例があります。但しやったのは日本人でなくドイツ人なのですが(笑)

 1970年代半ばにTMS誌上をにぎわせた「レパ・バーン」と呼ばれる巨大な駅のレイアウトを物にしたロルフ・エルツマー氏がそのレイアウト上でドイツ風に加工した9600を使っていたと思います。

 余談ですがJOHN ALLENの大レイアウト、GD LINEの中のライブスチームのミニシーンではC62のネクタイピンを加工したミニ機関車が飾られていた例もあります。

 こういう点では意外と欧米の模型ファンの方が柔軟な思考をするようですね。
光山市交通局
2019年12月07日 23:15
>鉄道模型大好きおじさん

 トーマスは仰る通りのオーバースケールが玉に疵で、あれと動力を共有しているBタンク機なんかはもろにプロポーションのしわ寄せが来てしまっています。制式機に転用できるくらいの動力を最初から開発してくれれば有難かったですね。
 
 Nの安価な小型機が少ないのはまだメーカーが需要を読み切れていない感じもあります。

 かつてのKSKタイプCタンクみたいなのがきちんとした動力で5000円位で出せるなら40センチ四方くらいの小レイアウトのニーズを結構拾える気もするのですが・・・
光山市交通局
2019年12月07日 23:37
>eltonjohnさん

 Nの場合、デザイン上の整合性の問題もあるでしょうが「小型機なのに急カーブがクリアできない」問題に対処するのも結構大変な気がしますね。

 ナインスケールのCタンクや津川のB6なんかがそうですがミニカーブでは苦戦するのに250R以上の標準カーブでは走りが見違えるなんて小型機は結構ありますし。

 その意味では数年前に入線させているフライッシュマンのDタンクは「あの小ささでこれほどの走りができるとは!!」と言うくらいスローも効きますし急カーブでもスムーズです。未だに欧州メーカーの動力のレベルは高い物がある事を認識させられますね。