趣味の原点を振り返る 江ノ電300とリファレンスのはなし

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 前回の宮沢模型のBタンクは16番モデルや小型機関車のリファレンスとなったモデルですが、今回紹介するのは15年前に鉄道模型の趣味を再開した時のリファレンスのはなしです。

 15年前、ちょっとしたきっかけから鉄道模型の趣味を再開することになった時は中断前と異なり最初からレイアウトを自分で作る事を目標に据えていました。
 ただ、今とは異なり目標としていたのはNゲージでも「ごく小型の電車が主体のレイアウト」というもので最急曲線は当時最も小径だったユニトラックの216R。それらに対応できる小型車両のラインアップはKATOやTOMIXでもそう多くはなく、作る前から不安を感じていたのも確かです。

 ましてやその前の20年のブランクの間にNゲージの動力がどの程度進歩していたかは全くの未知数。
 中断前に持っていた車両は幹線級の20M級編成でも当時の16番に比べると「とりあえず走ります」といったレベルにとどまっていましたし、ましてや小型車両のナインスケールのDCやアーノルドのT2はスローの性能が今ひとつどころかいま三つくらいでした。
(実はこの点も20年の中断の遠因になっていたのですが)
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 ですから21世紀のモデルの走行性がどれだけのレベルなのか、とにかくひと編成入手して確かめる必要がありました。
 そんな折にショップに入荷していたのがMODEMOの江ノ電300、いわゆる「チョコ電」仕様でした。

 MODEMO、すなわち「長谷川製作所の鉄道模型」は趣味の中断前にはまだなかったブランドでしたが「小型車両で2車体の連接車」と言うのは当時のメジャーどころでも製品化されていない変わり種中の変わり種に映りました。
 ですがこれの走りが実用に耐えるものだったら、レイアウトの先行きはかなり明るくなります。
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 当時の乏しい予算を割いていわばサンプルの積りでひと編成入手。急カーブや勾配などを試してみました。線路もパワーパックも中古品とはいえ21世紀の水準品でしたからチェック自体は可能です。
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 で、走行させてみて驚いたのがスローの性能の良さ!流石に人が歩く位のレベルは難しくとも小走りくらいのスローが実にスムーズだったのには驚かされました。しかも連接車ゆえにカーブに強く、離れた二つの台車から集電するため安定性も予想以上だったのです。
 これならレイアウトも行ける!

 この車両が呼び水となりレイアウトの着工にGOサインが出せた訳です。
 以後もMODEMOを始め直後に登場した鉄コレの小型車両などが順次増備され私の第一号のレイアウトは完成、小型車が行き交う運転を楽しむ事が出来るようになりました。
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 ですからもしこの300の走りが悪かったら最初のレイアウトの着工自体が無かったかもしれません。そればかりか、江ノ電300は以後入線する車両の走りを判断する基準(リファレンス)として私の中で地位を占める事になりました。

 それにしても驚かされたのは中断中の20年の間にNゲージはこんな小型車両ですらスローを語れるレベルまで腕を上げていた事です。
 この事が以後、幹線級の編成物の導入もNゲージで行く事の原動力になったのは間違いありません。

 そういう意味ではMODEMOの江ノ電300は私の趣味の中で大きな意味を持っていたと言えます。
光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2019年12月07日 11:20
モデモのチョコ電、よく走りますよね。
私も持っています。
大阪日本橋にある、虎軍団を贔屓にしている量販店で半額だったので、私の地元では殆ど馴染みの無い車両ながら購入しました。
普段見かけたり乗車する機会は無くとも、江ノ電はドラマやアニメなどによく登場するので親近感があります。
もしかしたら下手な大手私鉄よりも知名度が高いかも知れませんね。
ところでモデモのチョコ電、かなり急なカーブも通過しますが、取説に書いてるようにC140が限界みたいですね。
C103だと曲がれずに脱線します。
鉄道模型大好きおじさん
2019年12月07日 11:28
江ノ電の模型は、小型レイアウトで京阪大津線や箱根登山鉄道、叡電などと共演させると楽しいです。
サイズ的に近いので共演させても違和感が少ないです。
実物では有り得ない共演が楽しめるのが鉄道模型の素晴らしいところですね。
レサレサ
2019年12月07日 22:45
私の場合初めて購入したのがキャラメルNの木曽L型機というマニアックな奴(現在は改造されというか動力だけ取られて電動貨車になっている)で、次がキハ04(鉄コレ)のため「ミニカーブ通るのが当然」な始まりでしたね。

そしてちょうどこの時期がDD13が市場になかったので一番やりたかった「非電化区間の2軸貨車たちによる貨物列車」ができない(DD51やDE10は中央台車や3軸側が邪魔でミニカーブを通れないor不安定、蒸機は論外。)ということでその後いろいろあって車両も増え現在に至っています。

私の場合、逆に言えばDD13をあの時入手してたら鉄コレの電車が増えることはなかったろうなぁ・・・と。
光山市交通局
2019年12月07日 23:20
>鉄道模型大好きおじさん

 チョコ電を買った当時は鉄コレの登場前夜でまだミニカーブも出ていなかったですから、140Rがクリアできるスペックは当時としても十分でしたし、ミニカーブ登場以降はそのメリットが生かしやすくてよかったですね。

 実はチョコ電を選んだのには理由がありまして、そちらも仰る通り江ノ電自体の知名度が高すぎたのでフリーに近い設定のうちのレイアウトに向かない気がして「なるべく江ノ電らしく見えないカラーリングを」と言うので飛びついた記憶があります。

 ですが、実際にはこれ以降通常の江ノ電も多数入線してしまったので事実上有名無実化していますが(大汗)
光山市交通局
2019年12月07日 23:24
>鉄道模型大好きおじさん

 実は最初のレイアウトは正にその通りの方向に流れました(汗)

 江ノ電の次は叡電きらら、箱根登山鉄道のモハ1(それも旧塗装w)と次々に競演させましたし、当時入手が難しかった京阪600もGMのキットを探しに秋葉まで出かけてしまった恥ずかしい記憶が(大汗)

 ですがシーナリィ付きのレイアウトではそうした競演がとても楽しかったですね。こんなことを書いていたらまたやりたくなってき舞s多。
光山市交通局
2019年12月07日 23:29
>レサレサさん

 私が鉄道模型を再開させたタイミングが鉄コレ&ミニカーブの登場前夜だった事はある意味非常な幸運だったと思います。

 線路もですが急カーブを安定してクリアできる動力が潤沢に入手しやすい環境が整ったのは大きかったですね(例えばナインスケール時代のCタンクやDCロコなんかはミニカーブでは抵抗が大きくてあまり実用になりませんでしたから)

 DD13ですが今の製品はTOMIXはともかくKATOのリニューアル品がおしなべて140Rの走行性が不安定(特にポイント通過時)なのには参ります。