「鉄道『大百科』の時代」
今回は久しぶりのケイブンシャの「大百科」ネタです。
南正時著「鉄道『大百科』の時代」(実業之日本社)

表紙を見て懐かしさに焦がれる向きも多いかもしれませんが、本書はかの「ケイブンシャの大百科」シリーズの中でも特に鉄道ジャンルに特化して当時の著者の南正時氏が当時の思い出とシリーズの俯瞰を記したものです。
更に当時の「特急・急行大百科」の人気記事「ブルートレイン『富士』同乗記」をそっくり再録しているというなかなかお得感の高い内容(笑)
元々「原色怪獣怪人大百科」からスタートしたケイブンシャの大百科シリーズは当初は特撮物を中心に展開していましたが徐々にスポーツや芸能、各種ホビーなどのジャンルを取り込みながら「子供のカラーブックス」並みのジャンルの広さを誇る一大シリーズに成長しましたが、その中でも鉄道物はごく初期の頃からラインナップされていて大百科シリーズを支える一大勢力に成長していました。
当時これらの大百科をきっかけに鉄道趣味に入り込んだ小・中学生は非常に多かったと思います。

ただ、私は当時は微妙にそれより上の年代だったのでリアルタイムでそれらにハマる事はありませんでした。が、弟が他の大百科と共に鉄道ネタも何冊か買っていたのを最近になって目を通し、その内容のわかりやすさと濃さに感心したものです。
乗車ルポなんかはビジュアル中心で子供にも分かりやすく鉄道旅の魅力を伝えてくれますし、当時の類書の一部にありがちな「子供相手だから」みたいな砕けすぎたキャプションや文章も思いのほか少なく、大人が読んでも楽しめるようになっているのも美点と言えます。
何よりも本書を読んでいると70年台後半から80年第前半にかけてのSLブーム~ブルトレブームにかけての出版側の熱気が手に取るように伝わってくるのが心地いいのです。
そしてこういう本は今読んでいても「何か元気をもらった様な気分」になれて嬉しいものがあります。
今の鉄道本は資料性こそ高いものの不思議と堅苦しさがつきまとう、或いは単なるマニアのスノビッシュな自慢話みたいなものが多い気がします。
それに比べて、構成上の穴や隙があるにしろ趣味の楽しさをアピールしようという勢いを感じさせるこういう本にまた出会いたい気もしています。
光山鉄道管理局
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表紙を見て懐かしさに焦がれる向きも多いかもしれませんが、本書はかの「ケイブンシャの大百科」シリーズの中でも特に鉄道ジャンルに特化して当時の著者の南正時氏が当時の思い出とシリーズの俯瞰を記したものです。
更に当時の「特急・急行大百科」の人気記事「ブルートレイン『富士』同乗記」をそっくり再録しているというなかなかお得感の高い内容(笑)
元々「原色怪獣怪人大百科」からスタートしたケイブンシャの大百科シリーズは当初は特撮物を中心に展開していましたが徐々にスポーツや芸能、各種ホビーなどのジャンルを取り込みながら「子供のカラーブックス」並みのジャンルの広さを誇る一大シリーズに成長しましたが、その中でも鉄道物はごく初期の頃からラインナップされていて大百科シリーズを支える一大勢力に成長していました。
当時これらの大百科をきっかけに鉄道趣味に入り込んだ小・中学生は非常に多かったと思います。

ただ、私は当時は微妙にそれより上の年代だったのでリアルタイムでそれらにハマる事はありませんでした。が、弟が他の大百科と共に鉄道ネタも何冊か買っていたのを最近になって目を通し、その内容のわかりやすさと濃さに感心したものです。
乗車ルポなんかはビジュアル中心で子供にも分かりやすく鉄道旅の魅力を伝えてくれますし、当時の類書の一部にありがちな「子供相手だから」みたいな砕けすぎたキャプションや文章も思いのほか少なく、大人が読んでも楽しめるようになっているのも美点と言えます。
何よりも本書を読んでいると70年台後半から80年第前半にかけてのSLブーム~ブルトレブームにかけての出版側の熱気が手に取るように伝わってくるのが心地いいのです。
そしてこういう本は今読んでいても「何か元気をもらった様な気分」になれて嬉しいものがあります。
今の鉄道本は資料性こそ高いものの不思議と堅苦しさがつきまとう、或いは単なるマニアのスノビッシュな自慢話みたいなものが多い気がします。
それに比べて、構成上の穴や隙があるにしろ趣味の楽しさをアピールしようという勢いを感じさせるこういう本にまた出会いたい気もしています。
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この記事へのコメント
私も子供の頃に数冊持ってました。
写真や挿絵などが大きく、丁寧な解説がされてましたね。
大百科シリーズと、学研の鉄道図鑑が鉄道趣味の教科書みたいなものでした。
高校生くらいになると、カラーブックスシリーズに移行しましたけど。
返信が遅くなりすみませんでした。
私がこの趣味に入った時はまだ大百科シリーズがなかったので殆どカラーブックス一択状態でした。
大百科が店頭をにぎわせていた頃は他の怪獣物やアニメネタの間に埋没していたせいか実をいうとそれほど注目していなかったのです(恥)
幸か不幸かw歳の離れた弟が何冊か買っていたのを帰省の折などに読んでその凄さを改めて認識している次第です。
ごく一部ですがそれらの個々の大百科はいずれ紹介できると思います。
この本、私も店頭で見つけて懐かしさのあまり読みふけってしまいました。
買うかどうか迷った挙句、後日買いに行ったら売りきれで・・・
それはともかく、私はこのシリーズの全盛期直撃世代で世代で何冊か親に買ってもらいました。
ですから、「ケイブンシャの大百科」シリーズの南正時さんといえば当時の私にとっては「すごい人」で少し大げさに言えば山崎喜陽氏的な存在でした。
それだけに、その後ほとんどお名前を聞くことがなく消息が気になっていたのですが、この本を見て今も活躍中なのをうれしく思いました。
この本の中でも触れられていますが、同じような読者を対象とした、同じサイズ・価格帯で他社からも出版されていて、なかでも小学館のコロタン文庫(「全百科シリーズ」)も有力でした。南さんは鉄道友の会の人が書いていて専門的な小学館のものより『大百科』の方が人気があったと書かれていますが、私としては小学館のシリーズも面白く、甲乙つけがたしという印象です。両社のラインナップには同一テーマの本もあり、比べて読むとよりいっそう楽しめる気がします。
コロタン文庫の「私鉄大全科」は私の弟が持っていてごく最近読ませてもらったのですが、こちらもまた濃い内容ですね。
この種の大百科を買う層は年代的に背伸びがしたくなる年頃ですからある程度専門性のある内容のものでもある程度受け入れられたのではないかと思います。