GMのバス営業所キットで思いついたこと
今回はかつて作ったストラクチャーキットに絡む因縁話みたいなネタです。

この趣味を再開して間もない頃、いつか使うつもりで買い入れたGMのバス営業所のキット。
モデルとしては素組みで特に目新しいこともないのですが、看板だけはオリジナルにこだわりました。
昭和50年代始め頃まで建物が存在していた盛岡の「東日本急行」というバス会社。実はある写真集でその建物を見た折、妙に懐かしい感じがしていたので、形は違っていても雰囲気くらいは近づけたいという思いから看板を差し替えたものです。

その時はそれですみましたし、のちのレイアウト製作でその営業所が使われることもなく10年くらい記憶の隅に追いやられていました。
その建物がわたしの中で再び注目されたのはつい先日の事です。
たまたま故郷にかつて存在していた映画館(もちろん今はありません)について調べていた折、上記の東日本急行バスの建物の位置に昭和40年代のはじめ頃まで映画館があったという事を知ったのです。

(地方公論社刊 伊山治男著「この角を曲がれば」34Pより画像引用)
改めて写真を見返して見ると建物の古ぼけ具合から見て映画館を取り壊してバス営業所を建てた様には見えない。
つまりこのバス営業所は「映画館の建物を改修してバス車庫に転用した」と見るのが正しい様です。その目で見ると単なるバス営業所としては屋根が異様なほど高いのです。おそらくこのプロポーションがなんとなくGMのバス営業所キットに近かったので看板を差し替える気になったのではなかったかと思いつきました。

ところでそのGMのバス営業所ですがこれまた後に出たジオコレやジオタウンのバス営業所に比べて異様に大きい。当のGM自身エコノミーキットと称するストラクチャーキットのセットを出した折におまけとしてこれよりふた周りは小さいバス営業所のペーパーキットを付けていたくらいですから、このキットの異様な大きさを認識していた節があります。

更に予告のみで発売に至らなかったストラクチャーキットの中に「映画館」というのがありまして、試作品の写真を見る限りバス営業所の屋根部分を転用している様です。

(クラッセ刊 鈴木文彦著「岩手のバスいまむかし」30Pより画像引用)
恐らくですが「かつての映画館の建物がバス営業所に転用された」というケースは他にも結構あったのでしょう。GMの企画者がこの実例を踏まえて「映画館に転用できるバス営業所」を考えていたのではないでしょうか。
(実物とは逆のパターンですが)
実はこの考察を生んだ「昔の映画館」の資料集めですが、建物の個性とか立地の特異性とか(昭和30年代の映画黄金期には「まさかこんな所に!」という様な場所にまで映画館があったという記録があります)なかなか興味深いものがありました。
ただ、この形状と側板の鉄扉の多さからすると映画館よりも「映画の撮影所」の方がぴったりくる気もします。或いはこれまたGMカタログの予告で終わった「空港の格納庫」なんかも。
レイアウトの中に「映画館通り」を作った事のある身からすれば「この世界もなかなか奥が深い」と思えます。
光山鉄道管理局
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この趣味を再開して間もない頃、いつか使うつもりで買い入れたGMのバス営業所のキット。
モデルとしては素組みで特に目新しいこともないのですが、看板だけはオリジナルにこだわりました。
昭和50年代始め頃まで建物が存在していた盛岡の「東日本急行」というバス会社。実はある写真集でその建物を見た折、妙に懐かしい感じがしていたので、形は違っていても雰囲気くらいは近づけたいという思いから看板を差し替えたものです。

その時はそれですみましたし、のちのレイアウト製作でその営業所が使われることもなく10年くらい記憶の隅に追いやられていました。
その建物がわたしの中で再び注目されたのはつい先日の事です。
たまたま故郷にかつて存在していた映画館(もちろん今はありません)について調べていた折、上記の東日本急行バスの建物の位置に昭和40年代のはじめ頃まで映画館があったという事を知ったのです。

(地方公論社刊 伊山治男著「この角を曲がれば」34Pより画像引用)
改めて写真を見返して見ると建物の古ぼけ具合から見て映画館を取り壊してバス営業所を建てた様には見えない。
つまりこのバス営業所は「映画館の建物を改修してバス車庫に転用した」と見るのが正しい様です。その目で見ると単なるバス営業所としては屋根が異様なほど高いのです。おそらくこのプロポーションがなんとなくGMのバス営業所キットに近かったので看板を差し替える気になったのではなかったかと思いつきました。

ところでそのGMのバス営業所ですがこれまた後に出たジオコレやジオタウンのバス営業所に比べて異様に大きい。当のGM自身エコノミーキットと称するストラクチャーキットのセットを出した折におまけとしてこれよりふた周りは小さいバス営業所のペーパーキットを付けていたくらいですから、このキットの異様な大きさを認識していた節があります。

更に予告のみで発売に至らなかったストラクチャーキットの中に「映画館」というのがありまして、試作品の写真を見る限りバス営業所の屋根部分を転用している様です。

(クラッセ刊 鈴木文彦著「岩手のバスいまむかし」30Pより画像引用)
恐らくですが「かつての映画館の建物がバス営業所に転用された」というケースは他にも結構あったのでしょう。GMの企画者がこの実例を踏まえて「映画館に転用できるバス営業所」を考えていたのではないでしょうか。
(実物とは逆のパターンですが)
実はこの考察を生んだ「昔の映画館」の資料集めですが、建物の個性とか立地の特異性とか(昭和30年代の映画黄金期には「まさかこんな所に!」という様な場所にまで映画館があったという記録があります)なかなか興味深いものがありました。
ただ、この形状と側板の鉄扉の多さからすると映画館よりも「映画の撮影所」の方がぴったりくる気もします。或いはこれまたGMカタログの予告で終わった「空港の格納庫」なんかも。
レイアウトの中に「映画館通り」を作った事のある身からすれば「この世界もなかなか奥が深い」と思えます。
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この記事へのコメント
画像検索かけてみましたが、確かにこのバス営業所の流用ですね。(よく見ると暖房用のボイラー煙突も工場付属設備の流用)
ちなみにバス営業所の車庫ですが、TMS1988年12月号(508)の製品紹介で「小鉄道の車庫や工場に直すこともできよう」と
早くもバス車庫にしては巨大なことをうまく生かして応用する案が出ていました。
このかまぼこ屋根施設は公式にも汎用性あると想定されているらしくGMカタログには「劇場(映画館)」・「格納庫」の他に文章のみですが
「学校の体育館などにも改造応用」と記載があって、他は何で発売に至らなかったのかわかりませんが、「格納庫」だけは一応分かります。
GMのイラスト書いてらっしゃる小林信夫さんがTMS2009年7月号(769)で「空港建設に関する諸考察」という記事を書いてらっしゃるのですが、
「空港は滑走路が長すぎて(1500mくらいで「短い」というレベル)レイアウト化が困難」とあり「いかに滑走路なしで空港を作るか」という記事になってます。
冗談半分で書いてある冒頭のも豪快に滑走路がはみ出し、本文中のまともなのもレイアウト隅の三角地に格納庫と滑走路(絵)への道があるだけw
レシプロ機専用ならもっと小規模にできるでしょうし、カタログも「フライングスクールや航空測量会社」とそういう物を想定しているようですが、
そこまで小さいと今度は格納庫や管制塔が不要になってきて、小林さんの言う「野原に吹流しが立っている」という滑走広場になるそうです。
なお、GMカタログ(1985年度版)でも鉄道ではなく1/144の航空機プラモで鉄道レイアウトの隅っこに飛行場の燃料タンクと引き込み線を設け、
横っちょに管制塔(その外側に滑走路の一部)を置くという飛行場の作り方がありましたが、この方式でも格納庫はキツイかもしれません。
学校の体育館~
あのキットは丸屋根や妻板パーツの予備があったのでバス営業所を作った後でもロウレリーフ風に体育館を組み込んで使えるようになっていましたw。
ブログの作例では背面の妻板に天窓がありますが、実はこれは素組みでは窓無しです。窓に当たるところに切れ込みがあり窓付きと無しを選べるようになっていたのですが、この辺りも体育館を想定していた部分と思います。
実は私が最初に製作したモジュール(?)は「空港滑走路」でした。当時は144分の1の旅客機モデルがなかったのでB737とDC9の200分の1モデルを使っていたのですが、レサレサさんの仰るように滑走路と格納庫を同じスペースに入れるのはあのサイズでは困難ですね。
近所に航空学校があるので、施設の雰囲気は知っている積りですが、あの程度の物でも家のレイアウトに使うにはNはおろかZゲージでも困難と思います。むしろ一方向から眺める前提で強遠近法を使う方が現実的ではないかと。