久しぶりに走らせる「223系と221系」のはなし

 平日休に思い出の編成を走らせる休日蟄居ネタ。
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 今回は実車に思い出がないにも拘らず複数の編成を仕立ててしまったという変わった経緯のあるモデルです。
 物はKATOの223系1000番台と2000番台、そして中古モデルのセットバラシを入線させていた221系。
 何れもJR西日本の近郊型電車です。

 ですから東北出身で現在の生活圏も東日本に属する私にとっては実車には何の馴染みもありません。
 では何故これらを増備したかというと、これには私自身のレイアウト趣味の変遷が絡んでいます。
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 15年前に最初のレイアウトを製作した時のメイン車種は路面電車と軽快車でした。
 レイアウトと言えども街並みを構築したものが欲しかった事、併用軌道を持っているため街並みとの親和性の高い電車として路面電車と軽快車が似合うレイアウトを製作した経緯があります。
 
 ですから当初は20M級の編成物を走らせることはあまり念頭に置いていませんでした。
 とはいえ、レイアウトの製作を重ねてくると「路面電車がとことこ走っている頭上の高架を編成物の電車が走り回る」いわばコラボレーション走行をやってみたいという欲求も出てきました。
 ですから当初は編成物の電車というのは当時の私の趣味の中では傍流もいいところでその頃の手持ちの編成物は中古で買った415系常磐色くらいなもの。
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 あの頃は上記のコラボレーション走行ができるのは年に一回。
 大晦日の年越し運転の折にあちこちに分散していた2つ3つのセクションレイアウトを組み合わせてその外周にTOMIXの複線高架線路を引き回し路面車と編成物を同時に走らせるという贅沢を楽しんでいた訳です。

 ですが路面電車や軽快車の殆どが私の生活圏ではお目に掛かれないものばかりでしたから、それとコラボする編成物も特に思い出の編成とか近所で見かけるデンシャとかには拘りを持っていませんでした。
 むしろ「架空の設定のレイアウトなのだから自分の生活圏とは全く関係ない地域の電車の中から気に入ったデザインの物を選んで走らせよう」というノリで主に中古モデルを物色しました。
 そこで見つけたのが上述のJR西日本の3編成だった訳です。
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 223系は3扉の4連という基本セットの組み合わせが手頃だった事と軽快感のあるステンレスボディの造形、JR東とは明らかに異なるシックな配色のカラーリングなどから早い段階で候補に挙がっていたものです。
 丁度同じ時期に2000番台のモデルもリリースされたタイミングもあって2編成を入線させました(複線線路なので微妙な仕様違いの2編成のすれ違い走行ができると踏んでの事です)

 更に221系の方もセットバラシ品を新宿の某中古屋さんで見つけ、すれ違い運転に変化をつける意味で入線させたものです。
 
 この経緯からわかるように私の趣味においてはメインは路面電車系に置かれていてこれらの編成物は「動く背景」程度の意味しかなかったのです。それでもコラボ走行ではレイアウトの情景に変化を与える意味で大きな存在感がありましたし「レイアウトの風景の一部」として私なりの「どこにもない風景」を演出する立役者のひとつでもあったのです。

 ですがそれから数年の間に私の嗜好は大きく変わりました。
 クラブに入ってモジュールレイアウトを作り始めた辺りから運転会向けの編成物が増え始め、加えて故郷で馴染みだった編成や現住地の地元の編成が次々増備されました(まあ、大半がジャンクか中古ですが)

 そんな中で路面車や軽快車の方が徐々に傍流として行き、いまではそちらの方が滅多に運転されなくなっています。
(ミニSLレイアウトの「棚幡線」やモジュールの中にミニカーブのエンドレスを組み込んでいるのは最近行き場の少なくなった軽快車の救済の一面もあります)
 それに伴い221系や223系の方もこのところ出番がなかったというのが実情でした。
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 今回何年かぶりにこの3編成を揃い踏みさせて同時運転をやってみましたが、似たような編成ばかりがただエンドレスを回っているだけなのにレイアウト全体が生き生きして見えるのには驚きました。
 3本の通勤電車が行き交うというのはそれだけで風景に活気を与えてくれます。
 これらの近郊電車というのは、派手な優等車やイベント車とは違い「普段着の風景の中でこそ命を吹き込まれる」感覚が強く、それらが行き交うレイアウトの「普通の風景のなかの普通の日常」が表現されるのには独特のわくわく感がありました。
 これには「自分で構成した風景だから」という面も大いに関係していそうです。

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2020年05月01日 06:59
地元では馴染みが無い形式を簡単に楽しめるのが模型の醍醐味ではないでしょうか?
私も313系や415系1500番台、713系、E127系など地元関西では無縁の近郊型電車を幾つか保有していますよ。
近郊型でなくても455系グリーンライナーや205系京葉線色なんてのも有ります。
気動車ならキハ110系やキハ25系1000番台なども…
私鉄なら小田急7000形や江ノ電1500形、東急300系など。

いつでも実物を見たり、乗ったりできる地元の車両は寧ろ少数派です。
光山市交通局
2020年05月02日 23:24


>鉄道模型大好きおじさん
>
>地元では馴染みが無い形式を簡単に楽しめるのが模型の醍醐味ではないでしょうか~

 まさにその通りですね。模型だからできる、楽しめる事を発掘しながら楽しむのは趣味の特権だったと今更ながらに思います。

 わたしの地元では関西系では何故か阪急と阪神の中古の出物が多かったのですが、そのおかげで両社の電車が割合好きになった経緯もあります。ジャンクモデルが取り持つ縁というのも模型ゆえの楽しみとは言えますね。