シンカンセンでテツドウモケイが買えた頃(笑)
先日来の肺炎騒動に伴う休日蟄居生活が依然続いているのですが、それの数少ないご利益として普段はなかなか億劫がってしまい進まない押し入れや物置の整理をやる様になっています。
整理の対象が書籍ばかりなので腕力と体力を結構使うのですが、それでもごくたまに「しまい込んだまま忘れていた資料とかアイテムが再発掘される」なんてのがありますから、そう悪い話ではありません。
そんな訳で今回はそうした発掘品から。
押し入れの本箱の底から発掘したJR東日本の通販カタログ「Train Shop」
この件に関しては以前コメントなんかでちらりと話しましたし、半完成レイアウト自体については高志国太郎さんのブログでかなり詳細に紹介されていますので詳しいところはそちらを見て戴いた方がいいと思います。
Nゲージ考古学「半完成レイアウトあれこれ」
こちらでは専ら当時の思い出と改めて目を通した感想をメインに書きます。

1990年代から現在に至るまで私の暮れの帰省と言えば新幹線を使うのが定番ですが、車内での退屈しのぎによく目を通していたのが座席の背もたれに挟まっている「トランヴェール」と「TrainShop」でした。
これらは持ち帰り可なので気に入った奴はたびたび持ち帰ったものです(たまにスペーシアを使う時は「TobuMarco」というのが加わる)
TrainShopの方はJREの通販カタログで暮れの時期だと「宅配おせち」をメインにでっかい本棚やら庭木の切り株を腐敗させる薬剤、あるいは洗車ギアなんかのアイデア商品のオンパレード。
普通の通販カタログよりも呑気な雰囲気があって結構楽しんだものです。
ですが2000年代辺りではそれらに混じって「ホビー」「鉄道グッズ」のジャンルで「テツドウモケイ」が通販されていた時期がありまして「ほう、鉄道模型が車内で注文できるのか」なんて驚かされました。
それがまたどれもこれも高額商品で、少なくとも子供がお父さんにおねだりして買える様な代物ではありませんでしたから「どんな人がこれを注文して買うのだろう」なんて余計な心配をしたりして(笑)
例えば2003年の4・5月号のメインは「天賞堂の16番」と「メルクリンミニクラブの基本セット」
(NRE TrainShop 2003年4・5月号14Pより画像引用)

(NRE TrainShop 2003年4・5月号15Pより画像引用)
何しろ「1両が25万3千円のC51」なんてのが平然と乗っているのですから普通の人が予備知識なしで見たら仰天すること間違いありません。
「大正8年試作の国産初の大型蒸機」という煽り文句もマニアック。明らかに趣味人志向の大人向けを狙ったフレーズです。
ミニクラブはまたこっちで2万9千円の基本セット。Nゲージのスターターセットが1万円台だった頃のそれですからすごい話です。
で、煽り文句が「知的な趣味を楽しむなら世界最小の鉄道模型 メルクリンミニクラブ」ときます(笑)
スノッブな大人たちならこういう口説き文句に弱い気もしますが、実際これからテツドウモケイに入門した人はどれくらいいたのか知りたい気がします。
(この当時でさえメルクリンミニクラブが買える模型屋さんというのは大都市圏を除けば皆無に近かったと思いますし)

そして2006年の4・5月号になるとメインがNゲージに移行。
ただしここでの売りは「レイアウトひとつまるごと・車両付き」
(NRE TrainShop 2006年4・5月号1Pより画像引用)
こちらは「Nゲージ鉄道模型のパイオニア『KATO』製。古き良き美しい風景が色鮮やかに蘇ります」「今日からあなたも憧れの機関士」「細部まで精巧な作り」と続きます。
以前のスノッブ臭は薄められ専ら情感に訴える惹句が並びます。

こちらはKATOのカタログにも掲載されていたデスクトップレイアウトをベースに建物類を追加、C50とスハニ32・オハフ33の列車が付いて13万7千2百37円。
まあ、ブラスの16番機関車1両よりは安いですし、届いたその日に運転できるレイアウトですから訴求力はそれなりにあります。
これを読んだ当時は私自身趣味を再開した時期に当たっていたので「金さえあればこういうイージーなのもありかな」とか思いながら目を通していた記憶があります。
ですがやはり「レイアウトはお仕着せよりも自分でコーディネートした方が圧倒的に楽しいに違いない」とも思えたので結局見るだけでしたが。

で、こちらの方はそれなりに需要があったのかその年の暮れ、2006年12月号になるとレイアウト自体がモデルチェンジして掲載されていました。

(NRE TrainShop 2006年12・1・2月号14Pより画像引用)
今度はベースがNOCH製。前作が駅前に何もなかった(ある意味「昭和30年代の古き良き時代のレイアウト」っぽくも見える)のに対しTOMIXの駅舎の据えられた駅前にこれまた当時人気が出始めた頃の「ジオコレ(当時は「街並みコレクション」と呼称)の駅前商店街が配されています。
KATOワンブランドの時よりもかなり賑々しい構成ですが前作のスマートさに比べると「ご近所の誰かが作ったレイアウト」っぽくもありますw
「Nゲージ鉄道模型のパイオニア『KATO』製の蒸気機関車が美しい風景を走り抜けます」「古き木造家屋が並ぶ昭和の町を再現」「見る角度によって風景が変わります」
惹句は更に情緒的になっています。
このカタログで鉄道模型が扱われたのは大体この時期頃までと記憶しています。以後はもう少し安価な鉄道グッズに取って代わられましたし、TrainShop自体も昨年くらいで打ち止めになってしまったそうで帰省の楽しみのひとつが減りました。
光山鉄道管理局
HPです。

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整理の対象が書籍ばかりなので腕力と体力を結構使うのですが、それでもごくたまに「しまい込んだまま忘れていた資料とかアイテムが再発掘される」なんてのがありますから、そう悪い話ではありません。
そんな訳で今回はそうした発掘品から。
押し入れの本箱の底から発掘したJR東日本の通販カタログ「Train Shop」
この件に関しては以前コメントなんかでちらりと話しましたし、半完成レイアウト自体については高志国太郎さんのブログでかなり詳細に紹介されていますので詳しいところはそちらを見て戴いた方がいいと思います。
Nゲージ考古学「半完成レイアウトあれこれ」
こちらでは専ら当時の思い出と改めて目を通した感想をメインに書きます。

1990年代から現在に至るまで私の暮れの帰省と言えば新幹線を使うのが定番ですが、車内での退屈しのぎによく目を通していたのが座席の背もたれに挟まっている「トランヴェール」と「TrainShop」でした。
これらは持ち帰り可なので気に入った奴はたびたび持ち帰ったものです(たまにスペーシアを使う時は「TobuMarco」というのが加わる)
TrainShopの方はJREの通販カタログで暮れの時期だと「宅配おせち」をメインにでっかい本棚やら庭木の切り株を腐敗させる薬剤、あるいは洗車ギアなんかのアイデア商品のオンパレード。
普通の通販カタログよりも呑気な雰囲気があって結構楽しんだものです。
ですが2000年代辺りではそれらに混じって「ホビー」「鉄道グッズ」のジャンルで「テツドウモケイ」が通販されていた時期がありまして「ほう、鉄道模型が車内で注文できるのか」なんて驚かされました。
それがまたどれもこれも高額商品で、少なくとも子供がお父さんにおねだりして買える様な代物ではありませんでしたから「どんな人がこれを注文して買うのだろう」なんて余計な心配をしたりして(笑)
例えば2003年の4・5月号のメインは「天賞堂の16番」と「メルクリンミニクラブの基本セット」

(NRE TrainShop 2003年4・5月号14Pより画像引用)

(NRE TrainShop 2003年4・5月号15Pより画像引用)
何しろ「1両が25万3千円のC51」なんてのが平然と乗っているのですから普通の人が予備知識なしで見たら仰天すること間違いありません。
「大正8年試作の国産初の大型蒸機」という煽り文句もマニアック。明らかに趣味人志向の大人向けを狙ったフレーズです。
ミニクラブはまたこっちで2万9千円の基本セット。Nゲージのスターターセットが1万円台だった頃のそれですからすごい話です。
で、煽り文句が「知的な趣味を楽しむなら世界最小の鉄道模型 メルクリンミニクラブ」ときます(笑)
スノッブな大人たちならこういう口説き文句に弱い気もしますが、実際これからテツドウモケイに入門した人はどれくらいいたのか知りたい気がします。
(この当時でさえメルクリンミニクラブが買える模型屋さんというのは大都市圏を除けば皆無に近かったと思いますし)

そして2006年の4・5月号になるとメインがNゲージに移行。
ただしここでの売りは「レイアウトひとつまるごと・車両付き」
(NRE TrainShop 2006年4・5月号1Pより画像引用)
こちらは「Nゲージ鉄道模型のパイオニア『KATO』製。古き良き美しい風景が色鮮やかに蘇ります」「今日からあなたも憧れの機関士」「細部まで精巧な作り」と続きます。
以前のスノッブ臭は薄められ専ら情感に訴える惹句が並びます。

こちらはKATOのカタログにも掲載されていたデスクトップレイアウトをベースに建物類を追加、C50とスハニ32・オハフ33の列車が付いて13万7千2百37円。
まあ、ブラスの16番機関車1両よりは安いですし、届いたその日に運転できるレイアウトですから訴求力はそれなりにあります。
これを読んだ当時は私自身趣味を再開した時期に当たっていたので「金さえあればこういうイージーなのもありかな」とか思いながら目を通していた記憶があります。
ですがやはり「レイアウトはお仕着せよりも自分でコーディネートした方が圧倒的に楽しいに違いない」とも思えたので結局見るだけでしたが。

で、こちらの方はそれなりに需要があったのかその年の暮れ、2006年12月号になるとレイアウト自体がモデルチェンジして掲載されていました。

(NRE TrainShop 2006年12・1・2月号14Pより画像引用)
今度はベースがNOCH製。前作が駅前に何もなかった(ある意味「昭和30年代の古き良き時代のレイアウト」っぽくも見える)のに対しTOMIXの駅舎の据えられた駅前にこれまた当時人気が出始めた頃の「ジオコレ(当時は「街並みコレクション」と呼称)の駅前商店街が配されています。
KATOワンブランドの時よりもかなり賑々しい構成ですが前作のスマートさに比べると「ご近所の誰かが作ったレイアウト」っぽくもありますw
「Nゲージ鉄道模型のパイオニア『KATO』製の蒸気機関車が美しい風景を走り抜けます」「古き木造家屋が並ぶ昭和の町を再現」「見る角度によって風景が変わります」
惹句は更に情緒的になっています。
このカタログで鉄道模型が扱われたのは大体この時期頃までと記憶しています。以後はもう少し安価な鉄道グッズに取って代わられましたし、TrainShop自体も昨年くらいで打ち止めになってしまったそうで帰省の楽しみのひとつが減りました。
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この記事へのコメント
その割にはラインナップが旧国鉄車両やドイツ形というのがユニークですね。
E2系や231系といったJR東日本自社の車両はラインナップされてなかったのですか?
>
>東北新幹線の車内で販売をしていたということは、JR東日本が運営するお店だったのでしょうか~
NREがJR東の系列だった様なので仰る通りと思います。現行車両や新幹線系のグッズは基本子供向けのステーショナリーがメインだったのであまり注意していなかったです。
その車内販売も今はかなり縮小傾向になってしまいました。