「幽霊列車~日本と世界の廃車図鑑~」


 私の場合、最近はコロナ禍はもとより近所から本屋が払底した影響で「新刊書を衝動買いする」行為自体が今では大変な贅沢になっています(涙)
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 そんな訳で今回紹介するのはイカロス出版の「幽霊列車~日本と世界の廃車図鑑~」(笹田昌宏著)
 幽霊列車とは言っても別に心霊本ではありません。

 最近の物を中心に廃線跡や野原の隅、あるいは民家の庭先で倉庫として使われながら草むらに埋もれ、朽ち果ててゆく鉄道車両を集めた一冊です。
 こういうのは建物だったら「廃墟」クルマだったら「草ヒロ」とか呼ばれるものですが鉄道車両の場合普及した呼び名がないせいか色々な呼び名が試行錯誤されている段階なのかもしれません。

 ただ、本書のタイトルだと棚刺しで黒い背表紙しか見えない状態なら本当に心霊本、オカルト本と間違えられそうではあります。

 本書ではまず冒頭に国鉄末期を中心とした廃車回送編成(時刻表にもなく駅から発車する時にベルすら鳴らないそうです)を一種の幽霊列車に例えるところから始まり各地のヤードに廃車待機状態を続ける旧型車の群れ、更には列車ホテルの鳴れの果てをはじめ保存車として残されながら急速に忘れ去られ朽ち果ててゆく各地の廃車体なども俯瞰されています。
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 昔は今の様に廃車回送に葬式鉄が群がるなんて事もなかったですからこの種の廃車回送が幽霊じみて見える事もあったのでしょう。
 (そういえば昭和50年頃、盛岡駅のホームでED75の牽引する貨物列車の次位に見るからに廃車回送臭いD51がつながっているのを見た事がありますが、その時の周囲の反応は全く普通の物で、カメラ小僧も居ませんでした。今からでは想像もできません)

 まあ、この流れだと確かに「幽霊列車」という呼称も悪くはないです。

 私の場合この種の廃車体を身近に見られるところというと故郷にあった「自動車の解体場の隅に並んでいる廃車体」でした。遠目で見てもサシ481なのが分かるツートンの車体とかあったりして驚かされましたし、聞くところではそれらの中には今では幻となった旧松尾鉱山鉄道の機関車なんてのもあったそうです。
 のちになると物置や倉庫代わりにワㇺやヨなどの貨車が農家の隅っこなんかに鎮座しているのを見かけたりもします。

 本書でも取り上げられている列車ホテルも現役時代に一二度見に行きましたが、今現在あんなレベルまで朽ち果てているとは思いませんでした(そもそも営業終了を知りませんでしたし)昭和40~50年代は客車や電車を店舗やホテルに転用した例がいくつかあったのですが今それらはどうなっているのでしょうか。
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 これらの廃車体は普通の人から見ればノスタルジーよりも単純な意味でお化け屋敷的な怖さも掻き立てられがち(特に夕方以降は)ですが、ファンの目からすれば眺めているだけでかつての栄華を偲べる一種のタイムマシンとして機能するものかもしれません。
 SLや記念車などを別にすればこの種の「普通の車両たち」はなかなかいいコンディションでの保存対象にならないですし、本書の様に朽ち果てるのを待つ一方の物が大半かもしれません。ですがそういうのもまた時代の流れというものなのかもしれないですね。
(車などもそうで50年前は腐るほどあった大衆車よりも数百台しか作られなかったスポーツカーの方が生き残りやすいですし)

 まあ、中には一部の事業車の様にメンテナンスのぞんざいさから現役でも廃車体みたいなのがあったりしますが。

光山鉄道管理局
 HPです。


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