列車のお立ち台と「特撮」のはなし
今回は先日製作した「列車の侍らせ台」の話の続きです
線路と土手、その手前の道路だけというシンプルな展示台ですが、このやり方のメリットは奥に並ぶ街並みを気分や車両に合わせて自在に入れ替えられる事にあります。
単純に線路を並べるのに比べ、手前に線路のある土手を配する事で模型のストラクチャーが玩具っぽく見えてしまう原因のひとつである「建物の裾がすべて丸見えになってしまうのを防ぐ」効果もあります。
これを戸棚とかの目の高さよりやや上に配置すると煽りのアングルになり、実際以上にリアルな風景に見せる事が可能です。
(その代わり真上から見ると一気に馬脚が現れるw)
さて、今回の工作の発想になったのは1960年代の特撮映画、それもテレビの特撮もののミニチュア配置です。
これらの特撮ものでは怪獣や巨大ヒーローが現れるミニチュアシーンが多用されますが、予算や時間の都合で毎回新しい建物や風景が作れないため予めどこにでも置けるように作られた家や工場のミニチュアを用意しそれらの配置の妙で毎回違った風景に見せるように工夫するやり方をとっています(これを「パーマネントセット」と言うそうです)
これは見せ方のセンスやミニチュアの在庫量によってリアルにも見せられればちゃちにも見えてしまう諸刃の刃なのですが、Nゲージの建物類は種類が多いうえに嵩をとらないのでこうした差し替え風景には有効です。
これに縮尺の大きいHOの車両とかトミカサイズのミニカーなどを近景として組み合わせると、いわゆる「強遠近法」に近い効果も得られます。
(但しこれは専ら直接モデルを見るよりも写真撮影なんかで有効な方法と思います)
大掛かりなベース工作が不要な事、走行前提でないので面倒な配線も必要ないというのもメリットの入ると思います。
弱点としては前述の様にある程度高いところに配置しないとリアルに見えない事がまず挙げられますし、運転自体を愉しめません。
それでも飾り台と称する「何もない空間に無造作に車両が置かれているのに比べるとはるかに楽しく、見ていてワクワクしてくる」のも間違いありません。
気に入らなかったりじゃまになったらすぐに撤収できますし。
これらの例から言っても元々レイアウトやジオラマを中心とした鉄道模型は特撮のミニチュアセットに近い部分があり、それらのノウハウを応用する事は鉄道模型にとっても意外と面白いものがあると思います。
これらについてはいずれ改めて纏めてみたいと思います。
光山鉄道管理局
HPです。
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線路と土手、その手前の道路だけというシンプルな展示台ですが、このやり方のメリットは奥に並ぶ街並みを気分や車両に合わせて自在に入れ替えられる事にあります。
単純に線路を並べるのに比べ、手前に線路のある土手を配する事で模型のストラクチャーが玩具っぽく見えてしまう原因のひとつである「建物の裾がすべて丸見えになってしまうのを防ぐ」効果もあります。
これを戸棚とかの目の高さよりやや上に配置すると煽りのアングルになり、実際以上にリアルな風景に見せる事が可能です。
(その代わり真上から見ると一気に馬脚が現れるw)
さて、今回の工作の発想になったのは1960年代の特撮映画、それもテレビの特撮もののミニチュア配置です。
これらの特撮ものでは怪獣や巨大ヒーローが現れるミニチュアシーンが多用されますが、予算や時間の都合で毎回新しい建物や風景が作れないため予めどこにでも置けるように作られた家や工場のミニチュアを用意しそれらの配置の妙で毎回違った風景に見せるように工夫するやり方をとっています(これを「パーマネントセット」と言うそうです)
これは見せ方のセンスやミニチュアの在庫量によってリアルにも見せられればちゃちにも見えてしまう諸刃の刃なのですが、Nゲージの建物類は種類が多いうえに嵩をとらないのでこうした差し替え風景には有効です。
これに縮尺の大きいHOの車両とかトミカサイズのミニカーなどを近景として組み合わせると、いわゆる「強遠近法」に近い効果も得られます。
(但しこれは専ら直接モデルを見るよりも写真撮影なんかで有効な方法と思います)
大掛かりなベース工作が不要な事、走行前提でないので面倒な配線も必要ないというのもメリットの入ると思います。
弱点としては前述の様にある程度高いところに配置しないとリアルに見えない事がまず挙げられますし、運転自体を愉しめません。
それでも飾り台と称する「何もない空間に無造作に車両が置かれているのに比べるとはるかに楽しく、見ていてワクワクしてくる」のも間違いありません。
気に入らなかったりじゃまになったらすぐに撤収できますし。
これらの例から言っても元々レイアウトやジオラマを中心とした鉄道模型は特撮のミニチュアセットに近い部分があり、それらのノウハウを応用する事は鉄道模型にとっても意外と面白いものがあると思います。
これらについてはいずれ改めて纏めてみたいと思います。
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この記事へのコメント
館では、天井との継ぎ目が見えるとリアリティがないので、客席部分にひさしの垂れた屋根を設けて「あずまやの中から見ている」という演出で継ぎ目を死角にしたそうです。
(乱歩の「パノラマ島奇譚」で詳しい説明がある)
時々箱のようなものにレイアウトやジオラマを設ける系がありますが、これも視線を限定させてそういうリアリティを見せるものでしょうかね。
> 時々箱のようなものにレイアウトやジオラマを設ける系~
鉄道模型ではないのですが、数年前の「特撮博物館」の展示で「アパートの一室からミニチュアの風景を見せる」というのがあって触発されたものです。
「東屋の中から見せる」のに近いものも昭和40年代のガメラシリーズで常用されたテクニックで「特撮用ではない為に低いステージの天井を隠しながら怪獣の煽りアングルを実現する」策として用いられていました。
鉄道模型でこれに近い事をやっていたのがGD LINEのJOHN ALLEN氏で氏の撮影用ジオラマでは屋根ではなく木の梢を上部に配置して遠近感の強調の役目も同時に持たせたりしています。
ジョン・アレン氏のテクニックだと、レイアウト内に置いた鏡で向こうに続いている様子を見せる際、鏡をむやみやたらと高くしてもコストがかかるどころか実感に有害(部屋の天井が映るので)けど、低い位置だけやると上部の切れ目が見え見えになるというので「跨線橋などまたぐ構造のストラクチャーで隠す」という王道方法以外に「雲や煙(鏡に直接描く)で隠す」というのを見てなるほどと思ったことがあります。
なお、これの影響で私が作りかけて未完になったストラクチャーに、工場の引き込み線終端に門型クレーンを置き、内部に鏡というのがありました。
(貨車が鏡に激突しないように何らかの対策が必要ですが。)
この反対側は塀(鏡の裏に張り付けてある)になってまして、
「引き込み線側から見ると塀の向こうまで線路(カーブしているので先は見えない)」
「反対から見ると塀で隠れているが工場の積み込み設備がクレーン上部であると分かる。」
「側面から見た場合は鉄骨の厚みで鏡がよく見えない」となっております。
GD LINEを語る時に鏡の効果も外せない要素ですね。
「世界最大の屋内駐車場」とか「無限に続く地下ホーム」なんてのもありましたね(笑)
鏡の上部を雲で隠した作例は当時のTMSで見た事がありますが周囲とのマッチングも自然で驚かされました。
こういう部分のセンスは日本のモデラーはまだまだ磨く余地がありますね。
(そもそも鏡を積極的に使う姿勢自体が希薄ですが)