中古モデルを買ってふと思ったこと

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 先日訪れた中古ショップで久しぶりにとある鉄コレの中古を入手しました(何かについてはいずれ触れる機会もあるかと思います)
 その折にふと思った事から。

 今回入手した鉄コレはいわゆる「Nゲージ化した」アイテム。
 元々の鉄コレは「無動力でプラスチック製の車輪、大雑把な造形のパンタグラフが付いている」ものです。
 実質的にモデルとしての見どころは車体と台車枠のみといっていい(それでもデスクトップで飾るには十分な仕様ですが)代物と言えます。
 Nゲージ化というのは後付けのパーツで車輪を金属化しパンタグラフもTOMIXのASSY品をあてがい、必要とあれば専用のユニットを仕込んで動力化した仕様の事です。
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 もともとこの手の鉄コレの中古は本格的な完成品のテツドウモケイに比べると安価な事が多いのですが、例えば同じ鉄コレでもシークレットだったり特別な仕様だったりするととんでもないプレミア価格で並んでいる事も結構あります。
 一方でNゲージ化されたモデルはノーマルに比べると明らかにグレードアップ品になっているのに拘わらず、異様なほどに安いモデルに当たる事もしばしばなのです。
 実は同じ事はGMのキットメイク品でも言える事でして、作り手の腕の違いを別としてもこれまた他に比べて異様な安価であることが多いものです。
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 ここで思ったのは安価である基準が「オリジナルの製品に手を加えている点」である点にあります。
 同じメーカーの同じモデルでも「購入した時の状態そのままであるモデル(後付けパーツやレタリングも含めて)」の方が高価になっている事。

 これは売る側が完全な「コレクター視点」で製品を扱っている事でもあります。

 私の様な側からすれば「入線させて即走らせられるモデルが安価に入手できる」というのは大いに有難いものですし「自分とは別な観点で手を加えられているモデルの魅力」というのもそれなりに感じるところですから、こうした風潮にとやかく言う筋はないとは思います。ですがそれでもやっぱり釈然としないものもあるのも確かです。
 なぜって、吊るしの状態の飾り物モデルよりはディテールアップされて且つ自走できるモデルの方がプライオリティは高いはずですから。

 それでもこれが都会の専門店とかだったらマニアックに手が加えられ、キットメイクでもきちんと仕上げられているモデルなんかはそれなりに評価の対象としてプレミア価格になるケースもあるのかもしれません(むしろそういうのはショップよりもネットオークションの方が盛んかもしれない)そういうモデラー視点での中古モデルの流通というのは特に田舎ではなかなかお目に掛かれない価値観ではあります。
(まあ、地方では「そういう視点が通用するくらいの凄腕作品自体が少ない」という現実もありますが)
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 そもそもこんな事を考えるのも「地方なんかでもコンスタントに中古のテツドウモケイが手に入る様になった」からな訳で、この手のショップが絶無だった昔と比べれば良い時代であるのも確かです。
 
 で、更に話を進めるなら「入線させて即走らせられるモデルが安価に入手できる」という感想が成立するくらい鉄道模型の趣味が(知らず知らずのうちに)多様化している点にも気づかされるわけです。
 なぜってこういうのは昔だったら「買ってすぐって、一体どこで走らせるの?」という話になりますから。
 そこに今世紀に入ってからの鉄道模型趣味の変化の一端があると思うのですが、それについては次の機会に。

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

2020年11月06日 17:51
安価である基準が「オリジナルの製品に手を加えている点」である点に関しては、私も多少疑問に思うところですが、正直な話としては、安く買える分には、オリジナルよりもむしろ有難いと感じています。
光山市交通局
2020年11月06日 23:44
>Oomoriさん
>
 実際、買う立場としては全くその通りで「得した!」と思って入手していればそれで済む話なのですが、一面では前ユーザーの思い入れが金銭的に値踏みされている気もしてもやもやした気持ちになるのも確かですね。
鉄道模型大好きおじさん
2020年11月07日 13:45
中古の鉄道模型はお買得なのが多いですね。
確かに鉄コレを動力化したものやキットを組み立てたものは異常な安さだったりします。
私も先日、日本橋のぽちでGMキット組立て品と思われる京急2100形4両編成を2700円という信じられない価格で購入しました。
いくらキット組立て品とはいえ剰りにも激安な価格でしたが、もちろん理由があって、床下機器一部欠品、パンタグラフ劣化、車体に傷や塗装ハゲありという最低ランクでした。

日本橋のGMストアに寄って足りないパーツを調達、帰宅して直ぐにレストアに取り掛かりました。
床下機器を補修、パンタグラフ交換、一部パーツを再塗装、貫通幌を取り付け、カプラーを切り詰めて連結面の間隔を短縮しました。
特に床下機器は元から付いていたパーツと追加したパーツの色合いを合わせる為に全て再塗装しました。
3時間かけてレストア終了。
まだまだ粗が目立ちますが、何とか見られる程度にはなりました。
パーツ代を含めて4000円も掛かっておらず、損はしてないと思います。
中古は安く買えるだけでなく、レストアする楽しみも味わえるのが良いですね。
光山市交通局
2020年11月07日 21:18
>鉄道模型大好きおじさん

 この種の「なぜ安いのか」の理由がわかりやすく、自分の技量でどうにかなりそうなモデルを格安で入手する場合は「釈然としない、もやもやした気分」がないので考えようによっては楽しい買い物になりますね。

 ジャンクモデルのレストア・サルベージというのは昔のテツドウモケイでは考えにくかった趣味の方向なのですが、今では経済面や趣味性の面からもジャンルとして定着した感があります。

 (専門誌でこそ話題になりませんが)そうでなければ、ぽちのジャンクブースにあんなに客が群れ集まる筈がないですし。