カラーブックスの「ディーゼルカー①私鉄」

 久しぶりに鉄道ネタのカラーブックスから。
 (実は先日サブブログで紹介している「さつき入門」はたまたまワゴンセールで見つけた奴でしてわたし的な本命はこちらの方でした)
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 「ディーゼルカー①私鉄」(飯島 巌 諸河 久共著)
 カラーブックスの鉄道ネタは随分入手していましたが今回古本屋の店頭で現物を見つけるまで「気動車の本がある事自体を知らなかった」と言うお粗末な話です(大恥)

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 そんなくらいですから、これまで古本屋で店頭で見かけた事もありませんでした(あったら多分とっくに入手しているでしょうから)
 余談ですがこの手の気動車ネタというとケイブンシャの大百科の「ディーゼルカー大百科」というのを見た事がありますがお値段が定価の10倍以上だったので手が出なかったのを思い出しました。
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 さて、本書は昭和62年時点での私鉄のディーゼルカーを網羅した一冊で従来のカラーブックスよりも各形式の解説が詳細なのが楽しい。
 まあ、私鉄のディーゼルカーはその大半が地方ローカル私鉄の看板・主力車種である事が多いので形式説明も徒や疎かにできなかったのでしょう。
 何しろ岩手開発鉄道のキハ202なんてマイナー車にカラー写真付き2ページも割いてくれているのですからその詳細さは嬉しいものがありました。
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 一方でこの時期は第3セクター系を中心にディーゼルカーの新車のニーズが高まっていた時期でもあるので妙にあか抜けたレールバスが多いのも特徴です(例の信楽高原鉄道の事故以降、パッシブセーフティに問題のあるレールバスも急速に姿を消してゆくのですが本書の出版時期はその3年位前です)

 巻末の白黒ページでは「ディーゼルカーの運転の仕方」に12ページも使ってくれていたのがこれまた面白い。性格的にはもっとも自動車に近い様に思われている気動車ですがこれを読むとやっぱり運転の要領(特にエンジンのコントロール)は異なる事がよくわかります。
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 ローカル私鉄の気動車の鉄道模型に脚光が当たったのはやはり鉄コレの功績が大きいと思いますが鉄コレリリースの気動車の大半が本書に掲載されている辺り、ガイドブックとしての使い方も大いにありそうですね。

光山鉄道管理局
 HPです。昨日「車両紹介」の項一部追加しました


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この記事へのコメント

レサレサ
2020年12月18日 20:15
そう言えばNの私鉄気動車って国鉄と同型除くと、長い間大手メーカーで市販されていませんでしたよね。
(HOはナローで結構あるんですが)

私も最初非電化私鉄の想定で気動車集め(鉄コレ第10弾はすでに売り切れ、雑誌の付録の里山交通1001をどうにか入手)に苦労したのを覚えています。

>信楽高原鉄道の事故以降、パッシブセーフティに問題のあるレールバスも急速に姿を消してゆく
こういう事故がきっかけで消えていくものだと、「旧型単行電車」もそうですよね。
2000年の京福電鉄のブレーキ故障事故でブレーキが1系統だけだと危険と国交省から通達が出て、旧型電車の単行走行が原則中止。
(気動車はエンジンやシャフトが邪魔なので戦前から2系統あるのが普通、客車は機関車との連結が前提。)

模型では重宝しますが、現実はなかなか難しいものです。
光山市交通局
2020年12月18日 22:06
>レサレサさん


 気動車に限らず地方私鉄の車両はNばかりか16番でも長い事傍流扱いでしたね。鉄コレが切り開いた新市場の功績は大きいものがあります。

 京福の連続事故も後の影響は大きかったですね。
 福井支社の電車の鉄コレも結構出ていましたが(当人が意識しているかは別として)見るからに地方の私鉄という感じのレトロ感あふれるラインナップは魅力でした。
鉄道模型大好きおじさん
2020年12月19日 23:56
私鉄の気動車といえば、鉄道車両で最もマイナーなジャンルかもしれませんね。
大手私鉄が縦横無尽に走る都会の人などは鉄道ファンでもない限り、私鉄には電車しか走っていないと勘違いしてる人もよく居ますからね。
もちろん大手私鉄でも南海や小田急、東武、名鉄などは気動車を運行していたこともありましたが極めて少数派でしたしね。
筋金入りの鉄道ファンを自称する私ですら幼少期は、私鉄には気動車は存在しないとか、そもそも都会にしか私鉄は存在しないなどと思い込んでました。
地元を走る近鉄は全て電車で運転されていて、気動車といえば片町線や和歌山線など国鉄ばかり、父親の田舎を走る姫新線や津山線も国鉄。
だからそのように思ったのかもしれまさん。
お恥ずかしいことに、私鉄にも気動車が存在することを知ったのは中学生になってからでした。
図書館で見た本で関東鉄道などを知った時は衝撃的でした。
それと私鉄は全国各地に存在することも知りました。
光山市交通局
2020年12月21日 22:21
>鉄道模型大好きおじさん

 気動車に限った話ではないのですが、大手でない地方の私鉄というのは鉄コレの登場以前は模型の世界ばかりか実車の解説本の世界でも基本的に傍流扱いで、地元以外ではなかなか表に出る機会がなかった存在と思います。

 現に「私鉄」という物が存在しなかった(鉱山鉄道や貨物専業
鉄道ならありましたが)私の故郷では本や図鑑で知る「私鉄」とは西武や近鉄の様な大手の私鉄しか認識されなかったので、鉄コレが出た時には「日本にはこんなにいっぱい私鉄があったのか」というカルチャーショックを受けたものです。

 それでもカラーブックスが纏まった形で地方の私鉄を扱う冊子を複数出していてくれたのは有難いですね。

レサレサ
2020年12月21日 23:44
>鉄道模型大好きおじさん &光山市交通局さん
>私鉄は都会・電車

私の故郷(静岡県中部)は非電化軽便では比較的豪華な駿遠線があったせいか、私鉄気動車自体はあまり違和感ないんですが、逆に軽便=非電化のイメージが強く、電化の762㎜軌間は変な気分がします。
(前回の投稿で「HOナローでは私鉄気動車も」というのはこれ)

光山市交通局
2020年12月22日 21:31
>レサレサさん

 私のところではナローというと故郷に存在した岩手径便鉄道(宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」のモデル)があったのですが、蒸機メインからいきなり電車に変わった(メイン路線は国鉄に切り替わったので1067に変更されています。ここでは花巻方面に残った路線のこと)ので気動車のイメージが殆どありません。
 有名な「馬面電車」もナロー規格だからこそああいう形状になった訳で。

 とはいえ、単行電車メインの運用はナロー気動車っぽい運行形態ではあったのですが。