5月4日なので「C54のはなし」
先日に引き続いてGWスペシャル。
今日が5月4日なので「C54の日」とこじつけますか。

1934年に登場したC54は元々C51の後継機としてC51並みの性能と亜幹線での運用を想定した軽量化を図った改良型として設計された機関車でした。
ですが性能の向上と軽量化は皮肉な事に線路上での空転を招きやすく、また製造された数が少なかったために乗員の習熟がしにくいなどの問題点が露呈し早々と引退、廃車が進められ、現在では一両も保存機が存在しない悲劇の機関車として記憶されます。
(EF54、ED54、DD54と「54」の付く機関車は押し並べて薄幸な運命を辿る事が多い事で知られています)
この様に本機は経歴がパッとしなかった事もあって国鉄制式蒸気の中ではマイナーな部類に属し、人気もそうある物でもありませんでした。
が、NゲージでのC54は1980年代の前半という割合早い段階で中村精密がモデルをリリースしていました。

マイナーなのに何故?と思われる向きもあるかも知れませんが、モデルはC51の足回りとテンダーとC53のキャブが流用されており、C54用の部材はボイラーとデフ周りくらいでした。
つまり既発売の形式をベースに最小限の新規製作パーツの組み合わせで製品化できた事がC54リリースの背景だったのではないかと私個人は睨んでいます。

既製品のコンポーネンツを組み合わせて新車をでっち上げる(笑)というのは実物の鉄道車両はもとより自動車の世界でもよく使われる手ですが、それと同じノリをNゲージの模型の世界で実現するなどあの頃の中村精密でないとできなかったのではないでしょうか。
手元のC54を見ると適度に肩の力を抜いて製品化したせいか、ごくナチュラルに蒸気機関車らしさを感じさせる好モデルと思います。

実機も外見上は他形式に比べて個性に欠ける印象ですが派手さのない控えめな感じは意外とどんな風景にも溶け込んでしまう人徳があると思えます。
これがどういう事かというと後継機のC55や C57にはスター性に通じる個性がありますが、レイアウトやセクション上では主張が強すぎて時にそれがうるさく感じられる時があります。そんな時、それらのスターの背後にC54とか8620とかが居ると何か風景が和むような感じになる事があります。

スターの引き立て役、機関区の活気の彩りと言った用途はC54にとっては不本意な使われ方かも知れませんが、居るといないではシーナリィの雰囲気が違って見えるという点ではC54の人徳も捨てたものではないと思えるのです。

C54は後にマイクロエースからもプラ完成品が出ていますがあの頃のマイクロらしく、微妙にプロポーションが破綻しているものの走行性ははるかにスムーズです。更にキングスホビーやワールド工芸からもブラスモデルがリリースされる様になり模型の世界ではそれほど薄幸な機関車ではなくなっている感じもします。
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1934年に登場したC54は元々C51の後継機としてC51並みの性能と亜幹線での運用を想定した軽量化を図った改良型として設計された機関車でした。
ですが性能の向上と軽量化は皮肉な事に線路上での空転を招きやすく、また製造された数が少なかったために乗員の習熟がしにくいなどの問題点が露呈し早々と引退、廃車が進められ、現在では一両も保存機が存在しない悲劇の機関車として記憶されます。
(EF54、ED54、DD54と「54」の付く機関車は押し並べて薄幸な運命を辿る事が多い事で知られています)
この様に本機は経歴がパッとしなかった事もあって国鉄制式蒸気の中ではマイナーな部類に属し、人気もそうある物でもありませんでした。
が、NゲージでのC54は1980年代の前半という割合早い段階で中村精密がモデルをリリースしていました。

マイナーなのに何故?と思われる向きもあるかも知れませんが、モデルはC51の足回りとテンダーとC53のキャブが流用されており、C54用の部材はボイラーとデフ周りくらいでした。
つまり既発売の形式をベースに最小限の新規製作パーツの組み合わせで製品化できた事がC54リリースの背景だったのではないかと私個人は睨んでいます。

既製品のコンポーネンツを組み合わせて新車をでっち上げる(笑)というのは実物の鉄道車両はもとより自動車の世界でもよく使われる手ですが、それと同じノリをNゲージの模型の世界で実現するなどあの頃の中村精密でないとできなかったのではないでしょうか。
手元のC54を見ると適度に肩の力を抜いて製品化したせいか、ごくナチュラルに蒸気機関車らしさを感じさせる好モデルと思います。

実機も外見上は他形式に比べて個性に欠ける印象ですが派手さのない控えめな感じは意外とどんな風景にも溶け込んでしまう人徳があると思えます。
これがどういう事かというと後継機のC55や C57にはスター性に通じる個性がありますが、レイアウトやセクション上では主張が強すぎて時にそれがうるさく感じられる時があります。そんな時、それらのスターの背後にC54とか8620とかが居ると何か風景が和むような感じになる事があります。

スターの引き立て役、機関区の活気の彩りと言った用途はC54にとっては不本意な使われ方かも知れませんが、居るといないではシーナリィの雰囲気が違って見えるという点ではC54の人徳も捨てたものではないと思えるのです。

C54は後にマイクロエースからもプラ完成品が出ていますがあの頃のマイクロらしく、微妙にプロポーションが破綻しているものの走行性ははるかにスムーズです。更にキングスホビーやワールド工芸からもブラスモデルがリリースされる様になり模型の世界ではそれほど薄幸な機関車ではなくなっている感じもします。
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