5月9日で「EF59」のはなし(笑)

 GWスペシャル企画(笑)もここいらが打ち止めどきと思います。
 (GWどころかもう母の日ですし汗)
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 今回の企画のラストを飾るのは5月9日に因んで「EF59」をば。

 山陽本線の瀬野~八本松間上りの通称「セノハチ」と呼ばれる区間は22.6パーミルの勾配が連続しているにも拘らず本州最大の幹線区間の一部であるために特急列車から長大貨物まであらゆる種類の列車が通過しなければならないという、あらゆる意味での「難所」と言える区間と言えます。

 それゆえにこの区間を走る機関車牽引の列車(一部電車の例もあり)は本務機とは別に補機を繋いで乗り切るのが通例になっています。

 明治27年の開通以来この区間では様々な「補機」が活躍してきました。その中には私の好きな蒸機のひとつであるC52や近代型の電気機関車なのにデッキを追加されたEF61 200番台、EF67などの(他所の目から見れば)曲者ともいえる変わり種を輩出している「補機の宝庫」でもありました。
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 今回紹介するEF59もその中のひとつです。
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 同じデッキ型電気機関車ながら、よく見るとこのふたつは形状の差異が大きいことにお気づきの向きも多いと思います。
 これ、実はどちらも同じ名称の「EF59」なのです。

 元々EF59はセノハチの補機用として東北本線などで余剰となっていたEF53のギア比変更、連結器の自動開錠装置(走行中に列車を切り離すため)などの装備を施したうえで別形式としたものでした。
 ですが種車のEF53だけでは数が足りない(それでも19両居たのですが)という事でEF56をベースにした5両が増備されたという経緯があるため同じ名前で出自が異なる2タイプの機関車が存在する事になったそうです。
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 こんな曲者の機関車がプラの量産品で出る事などまずないだろうと思われていたのですが、一時期出せる機関車なら何でも製品化するかのごとき新製品攻勢をかけていたマイクロエースから、ご丁寧に両方のタイプが製品化されています。

 前面のゼブラ模様が個性的なEF59ですが、EF53ベースの方は末期のPS22パンタ搭載タイプをモデル化、曲者ぶりに拍車をかけています(笑)
 それにしても、こんな特殊なマイナー機まで製品化できるところまでNゲージのラインナップが充実した事には一種感慨を禁じ得ません。

 (しかもセノハチ機関車がこれで終わりかというとそんな事はなく、C52もEF61 200番台も、EF67もが律儀に製品化されたのですから凄い話です)
光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2021年05月09日 11:01
EF59。
EF53からの改造車とEF56からの改造車は車体が異なりますが、国鉄お得意の番台区分が無いというのが珍しい機関車ですね。
少数派だから番台区分をしなかったのかも知れませんが。
でも、その割にはEF52とEF54は番台区分どころか、形式そのものを分けていますけど…EF59より少数派なのに。

そういえばEF59の後継機EF61-200も、更にその後継機EF67も他形式からの改造車でしたね。
現在のEF210-300も通常のEF210を補機仕様にしたものですから、最初からセノハチ専用として開発された機関車は無いのですね。
EF63が新規開発された碓氷峠や、EF71が新規なされた板屋峠と比べると冷遇されているような…
光山市交通局
2021年05月09日 21:38
>鉄道模型大好きおじさん

 まあ、EF63の場合は碓氷峠の条件が特殊というのもあったでしょうし(EF62と異なりEF63は他への転属も難しかったらしいですね)EF71の場合は改造のタネになりそうな旧式機が無かった(交流電機自体の歴史の浅さから)というのもあったと思います。

 個人的にはあらゆる機種が寄り集まったワンダーランド的な魅力を感じるのがセノハチの機関車群だと思います。

 EF200もここで本来の性能を発揮して欲しかったですが・・・