「テツモシンドローム」とGMの「車上駅」のはなし

偶然というのは恐ろしいものです。
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昨日WEBのテツドウモケイ漫画「TEZMO SYNDOROME(テツモ シンドローム)」を当ブログで取り上げたと思ったら、その日(18日)のうちに新作がアップされるとは!

第一・二回がTOMIXの113系、第三回がKATOのキハ20と来ていたので次回は何が来るのかと思っていたら、意表をついてストラクチャーネタの「GMの車上駅」が取り上げられたのには驚きました。
確かにあのキットは中型駅と並んで初期のNゲージストラクチャーの「偉大なる凡庸」のひとつだった傑作モデルと思いますが、これを取り上げるとは作者の慧眼恐るべしです。

ところで早速スマホで本作を読みふけっているうち「そういえば私もこのキットをレイアウトに使っていたな」と思い出しました。
なのでマンガに便乗してGM車上駅キットの思い出でも書いてみようかと。

GMが中型駅に続いてバリエーションとして製品化した「車上駅」は駅ビルに跨線橋を合体させて階上から地上のホームに渡らせるという特異な構造のモデルです。

 私自身はこういうタイプの駅の実物にお目に掛かった事が無い(そういうのは大概「橋上駅」の形式になりますし)のですが、駅のバリエーションとしては面白い上にどこかの地方私鉄ターミナルなんかにありそうな構造にはとても惹かれるものがあります。

 あと、恐らくですが背面の跨線橋接続部を少しいじれば対向式ホームの高架駅にも使えるでしょう。

 ですがこのキットの場合はそれ以上にビルの壁面デザインのナチュラルさが魅力でした。実際に地方のデパートか雑居ビルにありそうな「普通感」のあるデザインに「これは作ってみたい!」と思わせる魅力を感じたのは確かです。

 但しそれを実行したのはリリースから30年以上経ってからでしたが(汗)
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 最初のレイアウトを作った時、駅前の「映画館通り」を製作する過程で「駅前のランドマークになる建物が欲しい」と思ったときに白羽の矢を立てたのがこの車上駅のキットでした。

 マンガでも書かれているように、このビルは駅舎としては「地表のホームに行くのにいったん3階まで登らせる回りくどい構造」で、そのために1階部分に中型駅より幾分緩やかな階段が横向きについています。

 実はこれを「2階の映画館に登らせる階段」と見立ててシネコン形式(当時はそんな言葉はありませんでしたが1階と2階に別々の映画館を入居させる形式のビルは地方でも結構ありました)の「映画館メインの雑居ビル」に見立てて改造するのに好適な素材だったのです。
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 ただ、ランドマークを志向していただけにキット一個では不満で縦に二個切り継いでボリュームを持たせました。
 屋上には目立つ広告塔をどんと載せ、キット付属の「電光掲示板」はコーナー部の目立つところに縦に取り付け。

 更に1,2階だけではまだ賑やかさが足りないとばかりにビルの右サイド(本来なら地下鉄入り口になる)の出入り口を使って「駅前地下の成人映画専門館」まで組付けました(実はこういうのも故郷に実際にあったw)
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 わたし的に好き勝手やって組み上げたビルですがレイアウトに配置したところ見事に「映画館通りのランドマーク」として機能してくれたのは嬉しかったです。
 (ただ、これが本来の意味での「テツドウモケイの楽しみ方になるのか」については少し考えるところもありますが汗)

 このビルディングは「車上駅」という素材を知っていたからこそやろうという気にさせてくれた物であり、またそんな気にさせてくれる素材をGMがいくつもリリースしてくれたがゆえに実現した物なのは間違いありません。
 こういうキットをリリースしてくれるGMというメーカーには感謝です。

 (・・・なので大分以前から予告されっぱなしの「横配列窓のビルキット」を早急に出して欲しいとこの機会に改めて希望させて頂きます)

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

レサレサ
2021年06月20日 21:58
この回を読んだ際「?」と見覚えがあり、手元のTMSをめくった所79年2月号(No.370)の製品の紹介で車上駅の紹介があったのですが、TMSの人も「車上駅」という分類を知らないらしく「駅ビルと跨線橋」と但し書きがあり。
「車上駅とは珍しい名前だが、駅ビルの3階から跨線橋が出てホームに連絡するタイプ。橋上駅ではないので、車輛の上にある駅ということでこの名をつけたのだろう。」
とのこと・・・さては、テツモシンドロームの作者もこれを読んだことあるなw
「組み立てると1階のショッピングセンターに隠れてしまう改札口や階段辺りをケチ精神を発揮して切り抜けば大いに利用できるわけである。」とか、「傑作なのは屋上につける新パーツ電工広告版でry」とか、TMSの指摘点を網羅しているし、こういう古い本も読んでくれるとは偉いと思いますわw
(ただ、「跨線橋部分の渡り廊下を長いまま使って貨物側線1本分通れるようにする。」と「1階の脇(石板で覆われた広い窓の部分)が派出所にもなれば荷役所にもある」というネタは生かしてないようですが、前者は電鉄と貨物の連想はあまりしないので仕方ないでしょうな…)
光山市交通局
2021年06月20日 22:32
>レサレサさん

 TMSの「製品の紹介」記事、私も思い出しました。そういえば「車上駅」の呼称はあの頃から「?」でしたね。

 私の場合は改札口より出札口と券売機コーナーをストックしていました。将来、ターミナル駅ビルを作る時の足しにするつもりだったのですが、実際にはTOMIXの高架駅を使って製作してしまったので役には立たなかったのですが涙

 派出所は当時の(いや、今もか)キットにステッカーが付いていましたが最初の中型駅を製作した時に私も派出所にしてしまった記憶があります。
 記述の通り反対側の地下鉄入り口は成人映画館になりましたがw

 作者の年代が正直読み切れない所もあるのですが、仮に私たちよりも若年世代だとすると相当に昔の専門誌を読み込んでいる様な印象はありますね。

 さて、次回は何が来ますやらw
レサレサ
2021年06月24日 00:14
>光山市交通局さん
>作者の年代
この手のうんちく漫画だと大惨事になってたのが、鉄道関係ないけど『だがしかし』ですかね。
駄菓子のうんちくネタ漫画ですが、メインヒロインの枝垂ほたるが「私の小学生の頃こざくら餅(駄菓子名)が18個入だったのに中学で15→高校で12→今じゃ10個」っていうのですが、こざくら餅の個数変化からするとほたるさんが20代後半になるという計算にw
多分作者がそれぐらいで実体験が元ネタなんでしょうが・・・
光山市交通局
2021年06月25日 23:05
>レサレサさん

>「だがしかし」電署の試し読みで1巻だけ読んでいます(恥)
 マンガ誌もご多分に漏れず読者と作者双方に高齢化の影響がそろそろ出始めていますか(笑)

 「TEZMO SYNDOROME」でもKATOのキハ20が今でも現役モデルな事に掛けて「おまえ、前から趣味が古いと思っていたが、まさか数十年サバを」なんてセリフが入っていますし(笑)

 余談ですが、先日同じサイトにアップされた「オオカミが電車を運転するだけのマンガ」これも結構面白かったです。