「HOゲージ」と「16番」で思うこと

 今回はちょっと拗らせると面倒な事になる話題なので、あくまで当ブログにおける便宜上の表現の表明と捉えてください。
 決して特定の呼称を押し付けて「こうあるべきだ」というものではない事を予め申し上げておきます。
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 当鉄道では10年ほど前からHOゲージの線路を使用する模型の増備が始まり、現在では中古モデルを中心にそれなりの数が揃えられています。
 (それだけに自慢になる様なモデルは殆どありませんが)

 ただ、ここは他の大半のファンとは異なる点だと思うのですが、当鉄道の場合米国・欧州型の87分の1スケールモデルと日本形、80分の1スケールモデルがほぼ同じ比率で混在しているという特徴があります。

で、同一の線路上をサイズが接近しているもののスケールの異なる列車が走り回るという特殊な状況での楽しみ方になっています。
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 これを指して日本形では「16番ゲージ」という呼称が使われ国際的な統一性の高い外国形では「HOゲージ」という呼称を使い分ける事がある程度の層のユーザーに普及しています。
 一方で同じレールを使う事から日本型も外国形もひっくるめて「HOゲージ」と呼ぶ層も存在し、今ではそちらの方が多数派ではないかと思います。

 確かに同じレールを使い大きさもほぼ同じですから後者の考えにも一理あるのですが、それでも二つを並べるとスケール感の違いは一目瞭然な事が多いのです。
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 先日のグランシップの運転会でHOゲージの線路上を16番とHOの列車を同時に走らせているとこの微妙なスケール設定の違いが違和感となって感じられることが実感させられました。
 87分の1の編成の隣に80分の1の列車が停まると「妙に日本車の方がデカく見える」のです。こんな印象は実車ではまず有り得ない事(最も鉄道の世界で同じ線路上を建築限界の異なる二つの列車が一堂に並ぶなど日本ではミニ新幹線くらいでしか見られないのですが)です。
 しかもこれはお座敷運転に近い「ベース上に線路しかない状態」での話です。

 シーナリィを想定した場合、レイアウト用品でのこの差異は意外な形で表面化しています。一例がミニカーでして「カーコレ80の5ナンバーサイズのクラウンがヘルパのメルセデスベンツEクラスより大きい」という車好きだったら明らかにツッコミを入れそうなサイズの違いを生んでいます。人形のサイズでも同じ事は言えます。

 こうした事実を目にして、さらにわたしにとって個人的なある出来事が加わったこともあって「16番とHOを一緒くたにするのはやっぱりおかしい」と感じ始めた次第です。
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 この二つが同じ線路を走る事自体は別に問題がある訳ではないのですが、問題は線路規格としての「ゲージ」と模型サイズに拘る「スケール」の呼称が混用されがちな所に混乱の要因があると考えました。

 (同じ事は「外国形160分の1、日本形150分の1を使っているNゲージ」でも言える事なのですが、後付けの呼称が登場しなかったので呼称は「Nゲージ」で概ね統一されてはいます。最もシーナリィ付きレイアウトの場合「日本形のホームに欧州車が止まるとドアの下端より高い位置にホーム上端が来る」なんて間抜けな光景がたまにあるのですがw)
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 そこで当ブログでは今後はHOについては線路の規格については「HOゲージ」の呼称を使い80分の1の日本形は「16番スケール」ドイツやアメリカ形などについては「HOスケール」という呼称を使おうと思います。これなら混乱も最小限で済みますし書いている側からすれば幾分でもスッキリした気分で書けるという精神衛生上のメリットもありそうですw

 さて、こんな事を書くきっかけになった「個人的なある出来事」なのですが、それは先日「HOでも16番でもない第3のスケールの車両が入線したから」という事情があったりします。
 それは英国形でしか通用しない「76分の1のOOスケール」なのですがその車両についてはいずれ紹介したいと思います笑

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

レサレサ
2021年06月25日 21:10
Nスケールの場合だと不思議なのはプライザーの人形です。

質の点でいえば上級なんですが、メーカーの国からすると1/160なのに1/150のトミックスのジオコレの人形(ややぼってりしてて手足も太い)より大きい。

欧州人と日本人の体格差にしてもそこまであるかって気がするし・・・
光山市交通局
2021年06月25日 23:13
>レサレサさん

 プライザーは無塗装を中心に今でもストックして必要に応じて使っていますが身長差よりも「無闇な長足」と「異様にスリムな体格」に違和感を感じます(笑)

 コスプレ大会にはちょうどいい体格なのですが。

 前にも書いていますが同じ日本車でもカーコレは150分の1なのにKATOの日本車は160分の1なのでふたつを混ぜるとヴィッツが軽自動車大に、セドリックがマークⅡクラスの大きさになります。

 クルマ好きは結構こういうのを気にするのですが(なので箱スケールのトミカは統一スケールを好む旧来のミニカーコレクターから玩具扱いされる事も多かったです)むかしのTMSのレイアウト記事では80分の1の16番スケールのレイアウトに65分の1のトミカが平然と置いてあったりしたのである意味おおらかでした。
鉄道模型大好きおじさん
2021年06月26日 08:28
鉄道模型の世界では昔から論争が絶えないネタですね。
私自身の意見は欧米形、英国形、日本形に関係無く同じ16.5mm幅のレールを走る模型であればHOで良いと思っています。
メーカーもカトーやマイクロエースは日本形であっても公式にHOゲージと呼称していますし、トミックスにしても型番にHOという記号を入れています。
かつてリマは世界中の車両を製品化してましたが、カタログには英国形は一応OOゲージと表記されてしたが、日本形はHOと表記されてました。
マイクロエースからプラモデルとして発売されている製品群も、有井ブランド時代から箱にHOと表記されています。
このようにメーカーがHOと表記するのなら、それで宜しいのではないかと。
勿論、メーカーでもイモンなど一部は1/80で12mm幅のレールを走る日本形をHOと呼称したりしていますけどね。
昔から世界的に普及している規格なのに、何故メーカーは正式な統一呼称を制定しなかったのでしょうか…
Nゲージは縮尺に関係無く9mm幅のレールを走る模型であれば世界的に呼称が統一されていますし、Zゲージも然りですね。

光山市交通局
2021年06月26日 22:02
>鉄道模型大好きおじさん

 今回の題材は線路幅の呼称であるはずの「ゲージ」が「スケール」と混用されている事に対する「私個人の便宜上の用語の使い方の表明」程度のものなのでそれ程目くじら立てて呼称の押し付けをする気はありません。

 ただ、16番もOOも呼称の成立の経緯にはそれなりの背景がありますので、そのポリシーに対する理解と敬意は示したいという気持ちもあります。
(スケールとゲージの混用の影響が大きいのはむしろ「13ミリゲージ」と「HOj」の方かもしれません。ポリシーは同じでも現実に異なるゲージが採用されてしまっていますから)

 現時点でスケールとゲージが完全に一致しているのは日本型も公称で220分の1を表明している「Zゲージ」位でしょうか。
 つまりZゲージだけは「新幹線と在来線の大きさの違いが表現されている」事になるのですが手持ちのモデルでまだそれを確かめていません(汗)