関水金属 初代EF70のレストア(?)その2
前回紹介した関水金属初代EF70のレストアネタの続きから。
このモデルの問題のひとつは何といっても「これが走るのか?」
前のが不動に近いコンディションでしたからそこは気になるところです。
帰宅するまで私の手の中にあった2両目のEF70は、言ってみれば「シュレディンガーの猫」みたいなもの。
状態がよく分かっていない私からすれば「走れるモデルと思えば走れるモデルだし、走らないモデルだと思っても間違いではない」という矛盾に満ちた感情でいましたからw
いずれにしろ確率は「五分五分か七三で走らない可能性が高い」という覚悟で臨みました。
で、レールに通電すると
「ノイズはけたたましかったものの走り出した」のには驚くと同時にホッとします。
ただし、中間台車の押さえバネが欠落しているせいかちょっと走ると「中間台車が進行方向に傾く」という癖が確認でき、複雑な気分です。
しかしこれで「車体を交換すれば見た目的には改善する」事だけははっきりしました。
さっそく両者のボディを外します。
関水金属のEF70は発売当初ナンバーと帯の銀色を目立たせるために「いったん車体全体を銀メッキし、車体色を吹いた後から帯とナンバーを磨きだす」という空前絶後の造形がされたモデル。
実際ボディを裏返すと裏側がピカピカにメッキされているのが確認できます。
また、車体を取り外すと「ウェイトが車体側に付いて来る」のも今どきのNゲージに慣れた目からすると異様。事実手に持ってみると「ABSではなくてダイカスト製なのでは?」と思える位にずっしりしています。
最初のEF70のボディコンディションは2両目に比べるとはるかに良好。塗装の剥がれも少ないですしパンタグラフも問題ありません。
これならそのまま2両目の足回りにかぶせても大丈夫そうです。
さて次なる問題は片方が欠落している2両目のカプラー。
これも1両目の物を移植するのが手っ取り早い。
と思ったのですがカプラーとスカートの取り付け方法がこれまたユニークでまごつかされます。
裏返してみるとカプラーの辺りに変なピンが刺さっているのが見えます。
これがピンなのか、ねじの先なのかはとっさに判然としませんが、これを抜くことができれば台車からカプラー(とスカート)を外すのは容易と見ました。
でもどうやって?
少々悩みつつ台車の入ったシャシを眺めていたらシャシの先端左側に妙な穴が開いています。
「配線を通す穴でもないし何だろう?」と思いつつ覗いてみたら「スカートを首振りさせるとカプラー固定用のねじ山が視認できた」のに驚きました。
つまりアゴ割れスカートのカプラー交換用のメンテナンスホールだったのです。
それが分かれば後は早い。
穴から時計ドライバを突っ込んでねじを回すとあっさりとスカートは台車から外れ、交換も完了しました。
1両目のボディを2両目の足回りとコンバートしてEF70のカッコはついてきました。
もうひとつ、引っかかっていた「中間台車の不自然な挙動」
これは中間台車用の押さえバネの欠落が原因と判断。径が一致するコイルスプリングをホームセンターで調達しました。
ですが元々模型用ではないだけに、バネの腰が非常に強くただ付けただけだと「中間台車だけが浮き上がる」という無様な事になります。
ここは現物合わせでスプリングを慎重にカット。
実際のモデルよりも短めの長さになりましたが、中間台車の押さえとしてはどうにか使えるレベルになりました。
かくして関水金属初代EF70のレストアはどうにか形になりました。
走りははっきり言って昔のエンドウの模型を連想させる「重戦車系のノイズ」を派手にまき散らし、しかもその割に牽引力は大したことが無いレベル。
当時物のコキ(これ以外のモデルはX2Fカプラーではないので連結不可w)を数量牽かせても息を切らします。
(尤もこれはコキの方の台車の転がり抵抗がかなり大きいせいもあります。台車メーカーからスタートした関水金属も初めてのNでは台車の転がりのスムーズさを得るのにかなり手こずったのではないでしょうか)
実はレストアを済ませたEF70の初舞台はクラブの運転会でだったのですがあのノイズには大概の人が驚いたと思います。中には「これの方が機関車らしくて佳い」なんて感想もいただけましたがそれは少数派(汗)
ともあれ、EF70復活作戦はそこそこ成功と言ったところです。
光山鉄道管理局
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このモデルの問題のひとつは何といっても「これが走るのか?」
前のが不動に近いコンディションでしたからそこは気になるところです。
帰宅するまで私の手の中にあった2両目のEF70は、言ってみれば「シュレディンガーの猫」みたいなもの。
状態がよく分かっていない私からすれば「走れるモデルと思えば走れるモデルだし、走らないモデルだと思っても間違いではない」という矛盾に満ちた感情でいましたからw
いずれにしろ確率は「五分五分か七三で走らない可能性が高い」という覚悟で臨みました。
で、レールに通電すると
「ノイズはけたたましかったものの走り出した」のには驚くと同時にホッとします。
ただし、中間台車の押さえバネが欠落しているせいかちょっと走ると「中間台車が進行方向に傾く」という癖が確認でき、複雑な気分です。
しかしこれで「車体を交換すれば見た目的には改善する」事だけははっきりしました。
さっそく両者のボディを外します。
関水金属のEF70は発売当初ナンバーと帯の銀色を目立たせるために「いったん車体全体を銀メッキし、車体色を吹いた後から帯とナンバーを磨きだす」という空前絶後の造形がされたモデル。
実際ボディを裏返すと裏側がピカピカにメッキされているのが確認できます。
また、車体を取り外すと「ウェイトが車体側に付いて来る」のも今どきのNゲージに慣れた目からすると異様。事実手に持ってみると「ABSではなくてダイカスト製なのでは?」と思える位にずっしりしています。
最初のEF70のボディコンディションは2両目に比べるとはるかに良好。塗装の剥がれも少ないですしパンタグラフも問題ありません。
これならそのまま2両目の足回りにかぶせても大丈夫そうです。
さて次なる問題は片方が欠落している2両目のカプラー。
これも1両目の物を移植するのが手っ取り早い。
と思ったのですがカプラーとスカートの取り付け方法がこれまたユニークでまごつかされます。
裏返してみるとカプラーの辺りに変なピンが刺さっているのが見えます。
これがピンなのか、ねじの先なのかはとっさに判然としませんが、これを抜くことができれば台車からカプラー(とスカート)を外すのは容易と見ました。
でもどうやって?
少々悩みつつ台車の入ったシャシを眺めていたらシャシの先端左側に妙な穴が開いています。
「配線を通す穴でもないし何だろう?」と思いつつ覗いてみたら「スカートを首振りさせるとカプラー固定用のねじ山が視認できた」のに驚きました。
つまりアゴ割れスカートのカプラー交換用のメンテナンスホールだったのです。
それが分かれば後は早い。
穴から時計ドライバを突っ込んでねじを回すとあっさりとスカートは台車から外れ、交換も完了しました。
1両目のボディを2両目の足回りとコンバートしてEF70のカッコはついてきました。
もうひとつ、引っかかっていた「中間台車の不自然な挙動」
これは中間台車用の押さえバネの欠落が原因と判断。径が一致するコイルスプリングをホームセンターで調達しました。
ですが元々模型用ではないだけに、バネの腰が非常に強くただ付けただけだと「中間台車だけが浮き上がる」という無様な事になります。
ここは現物合わせでスプリングを慎重にカット。
実際のモデルよりも短めの長さになりましたが、中間台車の押さえとしてはどうにか使えるレベルになりました。
かくして関水金属初代EF70のレストアはどうにか形になりました。
走りははっきり言って昔のエンドウの模型を連想させる「重戦車系のノイズ」を派手にまき散らし、しかもその割に牽引力は大したことが無いレベル。
当時物のコキ(これ以外のモデルはX2Fカプラーではないので連結不可w)を数量牽かせても息を切らします。
(尤もこれはコキの方の台車の転がり抵抗がかなり大きいせいもあります。台車メーカーからスタートした関水金属も初めてのNでは台車の転がりのスムーズさを得るのにかなり手こずったのではないでしょうか)
実はレストアを済ませたEF70の初舞台はクラブの運転会でだったのですがあのノイズには大概の人が驚いたと思います。中には「これの方が機関車らしくて佳い」なんて感想もいただけましたがそれは少数派(汗)
ともあれ、EF70復活作戦はそこそこ成功と言ったところです。
光山鉄道管理局
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この記事へのコメント
この初代EF70を総本山で走らせたら、さぞや語り草になると妄想…。
貸しレイアウト各店でも注目と驚愕を得られること請け合いです。店主が思わずツィートのネタにするかもしれません。
……余談ですが、今回はなるべく短くせねば。
当方の手元にある上下分割式動力ユニットを装備したEF70三代目。そのドナー用でお顔が割れた跡が残る挙句、パンタがPS22に交換されたEF70をジャンクで確保。EF81に見立てた改造なのか、お顔が割れるような被害ゆえパンタもダメージを受け、やむなく手に入ったパンタで代用したのか……。
EF70四代目と五代目にも共用のドナーで65PFを確保。片側の前灯プリズムをもらってます。プリズムも共用が利くとは思いませんでした。
一昨年に練馬駅前にほど近い古い某個人店で、分売パーツを入れを漁ると車輪・カップギヤ・シャフト・軸受けの一式が入った台車用ケースを発見。そうそう手に入らないセットでした。店主殿がこれを用意してユーザーのトラブル対処していたのかもしれません。
結局長くなり申し上げないです。
>秋津のOBさん
>
今回の様に「ニコイチのドナーが見つかる」しかも「互いの劣化、破損個所が異なる」という偶然はそうそうあるものではないと思いますから本当に驚くと同時に嬉しかったですね。
曲がりなりにも走りましたし(汗)
今の私の行きつけのショップなんかがそうなのですが「ご店主自らが簡単な補修程度ならやってくれる」様なショップは本当に有り難いものがありますね。
そういう店は大概ASSYの在庫も豊富なのでユーザー自身が補修する手助けにもなるものなのですが・・・
最近ではそういうショップは本当に見なくなりました。