「アサヒグラフ」とテツドウモケイのはなし2
先日紹介した「アサヒグラフのテツドウモケイ記事を見に行ったはなし」の続きです(汗)
早速図書館で借り出した「昭和50年のアサヒグラフ」
1月から12月までの全巻(52冊)をチェックしたのですがそれらしい記事に全く当たらなかったのには往生しました。
これは水野氏の記憶違いかミスだったのかと思いましたが気を取り直し、その前後の年のアサヒグラフに網を広げてチェック。
すると前年の昭和49年(1974年)の合本からようやくその記事を見つけ出せました。
昭和49年は奇しくも前に紹介した「少年サンデーでも鉄道模型特集が組まれていた年」に当たります。つまりこの前後の時期は一般の目に触れる誌面で鉄道模型の記事が露出していた事になります。
(余談ですが翌50年の春には学研の「6年の学習」でも関沢新一氏のレイアウトが掲載されていました)
余談はさておき当該の「アサヒグラフ」ですが「ほびぃ」という趣味の連載企画があり毎号2ページのボリュームで各種の趣味の世界を取り上げていました。この前後にはCQ無線や洋酒のミニチュア瓶、陶芸や天体観測などが取り上げられています。
「鉄道模型」も同様の形式で掲載されていたのですが、他の趣味が8回〜10回程度の分量なのに鉄道模型の記事はなんと全20回!他のホビーの倍かそれ以上の扱いでした。
この記事には当時のTMSー機芸出版社もかなり協力していたとのことで70年代前半の主要なレイアウトや車両模型の中からトップクラスの上澄みを選り出して掲載している感があります。
(機芸出版社 「鉄道模型趣味」223号 49Pより画像引用)
具体的には
荒崎良徳氏の「雲竜寺鉄道 祖山線」
坂本 衛氏の「摂津鉄道」
鯉江 成氏の「美園鉄道」
グループですでんの「遠江鉄道原野谷線」
などの16番スケール系に混じって黎明期のNゲージから
池田 稔氏の「千里山鉄道」
平石久行氏の「三江鉄道」(1971年にダブルスリップを自作した黎明期の傑作レイアウトです!)
が取り上げられ、車両模型では
平岡幸三氏の「ライブスチーム」
平野和幸氏の「明治の汽車」
西尾博保氏の「私鉄特急電車」
と、錚々たるラインナップ。
更に
篠原正瑛氏の「メルクリン」
椙山 満氏の「アメリカン」
87Precintの「ダックス」
(朝日新聞社「アサヒグラフ」1974年10・11号104Pより画像引用)
などTMSのメインから外れたジャンルも取り上げてバランスを保ち
最終回は伝説の大レイアウト ジョンアレンの「GD Line」で締めるという充実ぶり!
(この記事ではTMS本誌でも取り上げられていないアレン氏の死去時の様子も書かれており晩年の氏を知る上でも貴重と思います)
全て合わせても40Pそこそこというボリュームですが密度の高さは少年サンデー以上。
通しで読み通すと大概の人が鉄道模型の魅力に酔っ払うこと請け合いの記事と思います。
というのも、専門誌ではないだけに難解な用語や言い回しは控えられ、細かな技法よりも「それぞれのオーナーやモデラーの趣味に対するポリシーの表明」にしている事で一般の人やビギナーには非常に共感を得やすい構成になっているからです。
(機芸出版社 「鉄道模型趣味」223号 49Pより画像引用)
これを読むために図書館への訪問を丸半年我慢してきましたが、実際それだけのことはありました(笑)
しかも偶然と言いますか、帰りがけに立ち寄った古本屋で最終回の入った1冊だけ残っていたのを見つけ200円で買って帰れたのも有難かったです。
アサヒグラフは県立・または市立クラスの図書館であれば大概のバックナンバーは揃っていると思われますので興味をお持ちの向きには是非御一読をお勧めします。
光山鉄道管理局
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早速図書館で借り出した「昭和50年のアサヒグラフ」
1月から12月までの全巻(52冊)をチェックしたのですがそれらしい記事に全く当たらなかったのには往生しました。
これは水野氏の記憶違いかミスだったのかと思いましたが気を取り直し、その前後の年のアサヒグラフに網を広げてチェック。
すると前年の昭和49年(1974年)の合本からようやくその記事を見つけ出せました。
昭和49年は奇しくも前に紹介した「少年サンデーでも鉄道模型特集が組まれていた年」に当たります。つまりこの前後の時期は一般の目に触れる誌面で鉄道模型の記事が露出していた事になります。
(余談ですが翌50年の春には学研の「6年の学習」でも関沢新一氏のレイアウトが掲載されていました)
余談はさておき当該の「アサヒグラフ」ですが「ほびぃ」という趣味の連載企画があり毎号2ページのボリュームで各種の趣味の世界を取り上げていました。この前後にはCQ無線や洋酒のミニチュア瓶、陶芸や天体観測などが取り上げられています。
「鉄道模型」も同様の形式で掲載されていたのですが、他の趣味が8回〜10回程度の分量なのに鉄道模型の記事はなんと全20回!他のホビーの倍かそれ以上の扱いでした。
この記事には当時のTMSー機芸出版社もかなり協力していたとのことで70年代前半の主要なレイアウトや車両模型の中からトップクラスの上澄みを選り出して掲載している感があります。
(機芸出版社 「鉄道模型趣味」223号 49Pより画像引用)
具体的には
荒崎良徳氏の「雲竜寺鉄道 祖山線」
坂本 衛氏の「摂津鉄道」
鯉江 成氏の「美園鉄道」
グループですでんの「遠江鉄道原野谷線」
などの16番スケール系に混じって黎明期のNゲージから
池田 稔氏の「千里山鉄道」
平石久行氏の「三江鉄道」(1971年にダブルスリップを自作した黎明期の傑作レイアウトです!)
が取り上げられ、車両模型では
平岡幸三氏の「ライブスチーム」
平野和幸氏の「明治の汽車」
西尾博保氏の「私鉄特急電車」
と、錚々たるラインナップ。
更に
篠原正瑛氏の「メルクリン」
椙山 満氏の「アメリカン」
87Precintの「ダックス」
(朝日新聞社「アサヒグラフ」1974年10・11号104Pより画像引用)
などTMSのメインから外れたジャンルも取り上げてバランスを保ち
最終回は伝説の大レイアウト ジョンアレンの「GD Line」で締めるという充実ぶり!
(この記事ではTMS本誌でも取り上げられていないアレン氏の死去時の様子も書かれており晩年の氏を知る上でも貴重と思います)
全て合わせても40Pそこそこというボリュームですが密度の高さは少年サンデー以上。
通しで読み通すと大概の人が鉄道模型の魅力に酔っ払うこと請け合いの記事と思います。
というのも、専門誌ではないだけに難解な用語や言い回しは控えられ、細かな技法よりも「それぞれのオーナーやモデラーの趣味に対するポリシーの表明」にしている事で一般の人やビギナーには非常に共感を得やすい構成になっているからです。
(機芸出版社 「鉄道模型趣味」223号 49Pより画像引用)
これを読むために図書館への訪問を丸半年我慢してきましたが、実際それだけのことはありました(笑)
しかも偶然と言いますか、帰りがけに立ち寄った古本屋で最終回の入った1冊だけ残っていたのを見つけ200円で買って帰れたのも有難かったです。
アサヒグラフは県立・または市立クラスの図書館であれば大概のバックナンバーは揃っていると思われますので興味をお持ちの向きには是非御一読をお勧めします。
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この記事へのコメント
上澄みだけを抽出し堅気な層にも分かるように、しかし押しつけがましい論調にせぬ特集記事。これぞ本来あるべきジャーナリズム。
……昨今の週刊誌やワイドショーにも見倣って………
無理でしたね。何かを宣伝するか貶すかに徹してますし。
一般の方々にも鉄道模型の愉しみを分かりやすい形で伝えるというのは実は案外と難しいものかもしれません。
1980年代頃のテレビのスペシャルとかびっくり人間系の書籍なんかで取り上げられていた鉄道模型ファンの扱いは半分は趣味に対する興味があるにしても残りの半分は「ご当地の変わり者、珍獣扱い」の物が多かったですから(笑)
その意味ではアサヒグラフのこれらの記事は(TMSの助言も多かったと思いますが)理想的にまとまっていると思います。
涼しくなったら もう一度のチャレンジします。
コメントありがとうございます。
合本の場合は大概その月の月初めの号が先頭に来る事が多いのですが、写真の号は前から二番目か三番目なのでいきなりこの表紙が最初に来る可能性は少ないと思います。
県立クラスの図書館ですとパソコンかスマホで所蔵本の検索ができる事が多いのであらかじめ当該の号の有無を検索してから行かれると良いと思います。
全号を借出しコピーをとらせてもらいました。 50年前の記事ですが、今の若い方が読んでも参考になると思います。
貴重な情報、有り難うございました。
そちらでも閲覧できたとの由。よかったですね。
私もコピー取りを含めて図書館に3度通いましたが、時期がコロナ禍の第4波と5波の谷間の時期だったことが幸いでした。
いまは図書館もワクチンの集団接種の会場になってしまい行きたくてもいけません。
アサヒグラフの「ほびぃ」は合本で出版されればよかったのにと思いますね。これは鉄道模型以外のジャンルでも言える事ですが。