「STEAMで深まる鉄道模型」

 落合南長崎の聖地での戦利品から。
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 先日、当ブログで「高圧鉄塔キット」の話を書いた時に「STEAM」の概念の話に軽く触れました。
 その時はその話はそれで終わったつもりでいたのですが、ホビセンの売り場に「STEAMで深まる鉄道模型・Nゲージ、ジオラマのデザイン力」というブックレットを見つけました。

 総32ページの映画のパンフレット並みの薄さですが、そこで書かれていた事は鉄道模型の魅力を「考えながら作る」という観点で実にわかりやすく纏めているのに驚かされました。
 一冊110円とお値段的にもリーズナブルでしたし、早速購入した次第です。
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 本書では主にジオラマ作りの観点からコンセプトの設定、自然観察に基づいたシーナリィ表現、建物類の製作・改造の仕方、ジオラマの視覚的表現、工具の選択など多岐にわたる視点で「考えながら作る」「作りながらセンスを磨く」「何を表現したいのかを明確にする」事が要領よく描かれています。

 しかもそれらが文章一辺倒ではなく、写真や図版を豊富に使い視覚的にもわかりやすい上に、さらに深く探究したい人向けのガイドとしての書籍やHPも同時に紹介していると言う親切さ!
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 個人的な印象では、かつての「○年の科学\学習のノリでジオラマ、レイアウトの作り方を出してみた」という感じを受けます(笑)

 ここで書かれている概念はシーナリィ付きのレイアウト作りやモジュール製作などで、私たちが無意識にやっている事を言語化したものと思います。
 ですが、出版物としてそれらの概念をこれほどわかりやすく言語化した書籍は、これまで無かったのではないでしょうか。
 これまでの入門書がもっぱら具体的な技法の解説に重点を置いていた一方で、根本にあるコンセプトの設定については抽象的かつ不消化に終わっていたのとは対照的です。
 そして、これこそがビギナーに鉄道模型の魅力を伝える上でとても大事なことではないでしょうか?

 今回、聖地で同時に購入したPecoのブックレットもこれと同じ様に、レイアウトのコンセプトの設定について直裁的な書き方で簡潔ながら深い表現をしていました。
 これまでマニア視点の延長で本を書いていた一般入門書に比べて、メーカーサイドの出版物がここまで抽象的な概念を具体化した本を出す様になったと言う事には驚かされました。

 本書はSTEAMがどうとかは関係なく、単にレイアウトづくりを目指すユーザーにとって入門書としても良書の部類に入ると思います。
 これがたった110円で買えると言うのですから全く凄い。

 今回の聖地探訪では模型そっちのけでこの手のブックレットばっかり買い集めてしまいましたが、それだけに満足度は非常に高かったと思います。

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2021年12月07日 07:56
そのブックレット、持ってますよ。
一昨年、地元の模型店でカトーのC56を買ったら、店主がサービスしてくれたので無料でした。
ページ数は少ないですが、内容は濃いですね。
光山市交通局
2021年12月07日 18:34
>鉄道模型大好きおじさんさん

 わたしの地元の模型屋さんにはこれはなかったのですが、本来なら模型屋さんの店頭で一種の啓蒙書として配られてもおかしくない一冊と思います。

 特にビギナーにレイアウトやモジュール・パイクなどの魅力と奥深さを伝えるには好適な一冊ではないでしょうか。

 或いはヨド〇シの様な量販店で「ほかの模型を買いに来たようなユーザーにテツドウモケイの世界を紹介する」のなんかにも良いと思うのですが・・・
PIano
2021年12月07日 21:02
私は、アマゾン_キンドルで購入しました。110円。電子書籍としてスマホに入ってます。書籍とは言えない価格ですし、本屋の流通ルートには乗らないでしょうね。

この本、鉄道模型コンテストに参加する中学高校生を意識して、作成したものです。

鉄道模型で、単純に遊ぶ、じゃなくて、模型なりレイアウト作りを通じて、S=サイエンス(科学)・T=テクノロジー(技術)・Eエンジニアリング(工学)・A=アート(芸術)・M=マスマティクス(数学)を、ちょっと考えてみませんか?。そこに「次世代へのメッセージ」が込められていますね。

(平成の氷河期世代みたいに、Nゲージを集めては中古屋に売る、みたいな、結局、手元になんにも残らない趣味じゃ、だめだよね・・・と(笑)

「趣味の王様」なんて言い方より、私は、こちらのほうが好きです。



光山市交通局
2021年12月08日 22:26
>PIanoさん

 コメントありがとうございます。
 本書がKindleでも読めるというのは知りませんでした。

 「考えながら手を使う、自分なりのセンスを身に着ける」過程は特に趣味としての鉄道模型の魅力の中でも大きな部分と思います。

 が、これまではメーカーはもとより専門誌や年長のファンが、ビギナーユーザーにそれをアピールする姿勢が不足していたのは否めません。
(「自分だけ楽しければいい」という姿勢では趣味人としての成長も止まりそうな気もします)
 今回の様な試みが手を使う新たな層の掘り起こしにつながれば、と思います。