「地球炎上」とNゲージの103系

 久しぶりに映像作品と鉄道模型ネタです。
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 サブブログでは昨年紹介している「NHK特集・核戦争後の地球・第一部 地球炎上」(1983年 NHK)
 本作は各国の科学者の助言のもと、誰も見たことのない(あっても困りますが)核爆発化での都市の破壊を映像化した想定ドキュメントで、NHKの製作としては空前の大スペクタクル映像番組でもありました。

 7月上旬の午後2時、東京タワーの上空2400メートルで1メガトンの核が爆発した時どの様な現象が起きるかという想定のもと、爆心直下・5キロ圏(新宿副都心、渋谷のNHK放送センター)10キロ圏(江東区大島団地、羽田空港、湾岸のコンビナート地帯)で起こりうる惨状がTVフレームの中で再現された一大想定スペクタクル。

 爆発の瞬間、東京タワーの周囲で増上寺が、東京駅が、銀座が木っ端微塵に砕け散る。5キロ離れた渋谷のNHK放送センターでは熱線で全てのものが瞬間的に発火、数秒後の衝撃波でガラス張りの局舎が砕け散ります。
 更に10キロ離れた大島の団地では、アパートの一室が発火し30秒後に衝撃波。空港では着陸態勢のDCー8が炎に飲まれ、湾内ではLPGタンカーが空中に巻き上げられ炎と共に四散。
 これらのシークエンスがたたみかける様に映像化され、従来のいかなる作品でも映像化されなかった核による都市破壊の全貌が観るものを凍りつかせます。

 これらの特撮は「板硝子に実景の写真を貼り付け、火薬とガソリンで爆発する瞬間を80倍速のハイスピードカメラで捉える」というある意味アイデア賞ものの撮影法で捉えられたものですがその中の1カットに「丸の内のビル街を通過中の山手線の103系電車が衝撃波で吹き飛ぶ」というのがあります。
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(ポニーキャニオン LD「NHK特集名作100選・核戦争後の地球」より画像引用)
 後からメイキングを読んで知ったのですが、このシーンは市販のNゲージの電車をカーテンレールで逆さ吊りし、ゴム鉄砲の要領で射出。ビル街を通過する瞬間に爆発させるというテクニックを使っているそうです。
 当時市販のNゲージの模型というとKATOのそれがまず思い浮かびますが、実際あの頃最も手軽に買える電車の模型だったと思います。

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 このシーンは他のそれに比べると「特撮くささ」を感じさせる物ですが、そのリアリティの一端を市販のNゲージモデルが担っていたと思うと面白い気がします。
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(同LDより画像引用)
 なお、同番組では銀座の高架を通過する新幹線も同様に吹き飛ばされますが、見た限りではこのシーンも0系の中間車だけは模型を使っている様に見えます。
 (玩具では、新幹線の25M級の長い車体を再現しているものはごく少ない)

 

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この記事へのコメント

レサレサ
2022年01月22日 00:22
おお、これは以前(昨年10月の「特撮テレビ映画とテツドウモケイ」)話題に挙がったというか、私が挙げたあれですね。

・・・ところでアーカイブスから引用ということは。残念ながら、光山市にあるβテープはサルベージ不可でしたか。

秋津のOB
2022年01月22日 17:03
現実にならんことを祈るのみ、ですな…………。

まあ核だけではなく巨大隕石でもこうなるかそれ以上の事態になるわけですが……。
光山市交通局
2022年01月22日 22:18
>レサレサさん

 実はサルベージの直前のタイミングで本作のLDの出物を見つけたので急遽そちらに振り替えたものです。

 LDならDVDに肉薄するレベルの画質とデジタル音声が装備されているのでこれは結構な拾い物でした。
 当方のプレーヤーのくたびれを反映して一部でノイズが出てしまうのですが、それでもβやVHSよりははるかに高画質です。
光山市交通局
2022年01月22日 22:21
>秋津のOBさん

 私も同感です。

 実際、本放送当時、この番組はわたしにとってもかなりのトラウマだった番組でした。

 他の作品だと核戦争の威力で終わってしまうところを、この番組ではその後1万年単位で続く気象、環境の大変動にも目を向けていたので恐怖感は更に強かったですね。