特撮映画とNゲージのはなし

 今回はレイアウト趣味から見る特撮映画のネタから

 ものは2013年公開の「ウルトラマンサーガ」

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 この作品で個人的に注目し、期待していたのが「都市破壊シーンや空中戦シーンなどで150分の1のビル街のセットが登場する」点です。
 これまでの常識ではミニチュアというのは可能な限り実物の大きさに近づけるために大きく作るとのが原則とされ(子供の頃図書館で読んだ特撮映画の撮影法の本でも書かれています)殊に縫いぐるみの怪獣やヒーローが暴れる場合は中のスーツアクターの身長から逆算して25分の1から40分の1(ゴジラなどの設定身長が伸びたため)のスケールでセットが組まれるのが普通でした。

 Nゲージの市販の建物類が特撮セットで使われる事もあるにはあったのですが例えば昔の東映戦隊シリーズなどで補助的な使用がされる程度だった訳です。
 それが今回ウルトラマンの映画でセットが組まれる。どんな画になるのだろうかというのが興味の中心でした。


 クライマックス近く、東京の上空でウルトラマンサーガとゼットンが空中戦を行う所などでこのセットが登場します。
 今回の場合はヒーローと怪獣の空中戦のなかで「密度のある俯瞰風景が見せたくてNスケールを選択した」という所のようです。
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 ただしどちらも光線技を乱発するので上空から外れた光線などが下のビルを直撃して破壊するというシチュエーションが目立ち、それを上空からの視点でとらえる必要もあったようです。
 今回ソフトをチェックしてよく見ると確かにビル街にジオタウンやTOMIXのビルなどの建造物が「かなり」使われているのを視認できました。
 ただし戦隊シリーズなどの様にビルを横から見せるのでなく、上空からの俯瞰でとらえているカットが多いので意外にぼろが出ません。


 爆発なども基本的に炎の合成による処理なのでスケールの呪縛(火や水は縮尺できないというのが昔の常識でしたが今ではCGの合成でスケールに合わせた炎を組み合わせられる)がなくこれも自然でした。
 もう一つ工夫されている点ですが、確かにビルの多くに市販のストラクチャーは使われていますがそれらとは別にランドマークになる様な大型のビルをスクラッチしており、それを組み合わせる事で市販品を並べた時に独特のちまちま感を回避している所も参考になった点です。

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 もちろん作り手の狙いだった「大俯瞰」の表現のなかで「ビルや道路がリアルに見えるような配置の工夫」がされている点も大いに学べる部分でした。

 実際どんな大レイアウトでも畳二枚分のスペースをフルにビル街だけで表現するなどという事はやらないしできません(笑)ですがもし実際にそれをやった場合どう云う画面効果があるかというのを実際に見せてくれたのがこの作品でした。
 今は特撮の主流はCGとされ、ミニチュアが傍流扱いされつつありますが、質感表現やアナログな配置を要するところでまだまだ存在価値がある事も今回の作品では語っている気がします。
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 特撮もののドラマでNゲージのストラクチャーが使われるのは1980年代にGMのキットが使われ始めた辺りが最初と思いますが、ここ20年くらいは主に東映の戦隊ものでTOMIXやジオタウンのビルや一般建造物が使われるケースが多いようです。

 この正月にもそういうのを一本観ましたが「巨大化したコタツ」を表現するのに表「本物のコタツの周囲にTOMIXのマンションやジオタウンの大型ビルが並べられている光景」なんてのがあって、これには頭がクラクラしました。
(これは決してお屠蘇に酔ったせいではないと思いますw)

光山鉄道管理局
 HPです。


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