今月のTEZMO SYNDOROMEに思ったこと

 先週、WEBマンガの「TEZMO SYNDOROME」の最新話が公開されました。
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 今回は前回の続きという体裁で、ある眠れない真夜中に起きだした主人公の風奈が「前に入手したKATO(関水金属)の中古キハ82のメイクアップに挑む」という展開(そしてさらに次回に続く)
 元のモデルに追加塗装や色刺しを施し、ルーバーに墨入れしてゆく過程が描かれていましたが、これはジャンク品や低年式中古モデルを買った事のある人の大半が一度は経験した事ではないかと思います。

 あるいは首都圏の「ぽち」のジャンクコーナーに群がるお客の何割かは「そっちの方が趣味のメインになっていそうな方々」ではないかとすら思ったりするのですがw
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 わたしも何度かそういうのを経験していますし、中古ショップで入手するモデルの何割かは「ここをこうすれば走りが復活するのでは?」とか「兼ねてやりたかった色刺しやリペイントが試せるのでは?」とか言った興味から買われたものだと思います(その最たるものが先日の学研モハ485だったりするのですが)

 今回風奈が実行しているリペイントとか墨入れですが、これがもし定価で買ったばかりのビカビカの新品だったらそこまで試せるかと言ったらわたしなら躊躇します(尤も、腕の立つ工作マニアだったら素材のひとつとして敢えて新品を買うというのも、その武勇伝と共によく聴く話ではあるのですがw)
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 が、殊中古モデルの場合にはそうしたメイクアップやレストアを施す事には新品とは別な意味を見いだせる様な気がします。

 中古で買われたモデルの中には前ユーサーの手の入った「半加工品」みたいなのに当たる事があり、手に取って眺めながら前ユーザーの貌を想像する愉しみもありますww
 それとは逆に「いったい前のユーザーは何が面白くて手放したのか」わからないような無加工の新品同様のモデルが拾えることもあります。
 物の安さにもよりますが、わたしがメイクアップを愉しむのは主に後者の方ですが、前者のモデルでも手を加える事は往々にしてあります。

 それらに手を加えている時に時々思うのが「これでようやくこのモデルは自分のものになったな」と言う感慨です。
 手を加える前には前ユーザーの持ち物としての過去を引きずったモデルと言う感覚が付いて回る事が往々にしてあるのですが、そこに一部なりともわたし自身が手を加える事で、初めて「わがものとなる感覚」を得る事があるのです。

 何のことはない、犬や猫が自分の縄張りにマーキングするのと大同小異なのですが、中古モデルに自分なりに手を加えるというのは大なり小なりそういう側面があるのではないでしょうか。
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 まあ、これが「工作派の矜持」みたいな高尚なものだったら、そういうのも自慢のひとつにもなるのでしょうが、腕が伴わないわたしにとってはこれもまた「自己満足のひとつのかたち」ではあります。

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

秋津のOB
2022年04月12日 17:48
しばらくぶりに失礼します。

今回の貴記事には色々と同意する点が多いです。中古品から想像する前オーナーの拘り、手を入れて麾下の模型列車になった感が湧く、中古ならさほど躊躇わないがピカピカ新品だと加工を躊躇うなどなど。

当方はレサ10000系を18両ずつ、KATO製もtomix製も仕入れてます。20年ほど前に組成した前者へは4度に渡って手を入れてます。カプラー交換・田宮の墨入れペン(実質的には0.3mmシャーペン)で全車墨入れ・ガンダムマーカー_リアルタッチマーカーによる簡易ウェザリング・後者で余った車番インレタで番号被り全車解消と。

しかるに去年仕入れたばかりの後者tomix編成は、付属品取り付け&貼り付けにカプラー交換で止まっています。前者より白が更に明るくてウェザリングどころか墨入れも躊躇う気分が確かにまだあります。実車写真だと綺麗なレサよりも、全体的に黒ずんだり錆汚れが目立ったりする方が多数であります。

しかしそういった実車に近付ける作業はKATO編成でやってしまい、結局は後者も似たような汚し方になってしまうのでは…。そういう気分もあります。
光山市交通局
2022年04月13日 22:37
>秋津のOBさん

 墨入れとウェザリングは中古加工の定番ですね。
 冷蔵車は新品状態のピカピカだと編成の中で映えますが、実車の汚れっぷりを考えれば編成の中で浮かない程度にトーンを抑えるのが難しい気がします。

 あと、相当に古いモデルなんかだと銀河モデルのパーツでメイクアップと言うのも悪くないですね。

 行きつけのショップが割合品揃えが良いのでたまにディテールアップに挑む時があります(大概自己満足のレベルですが)



レサレサ
2022年04月16日 21:38
車両の加工ですと、ウェザリング以外でよくやっているのが「キャンバス屋根の車両の屋根に方解末(10番)を混ぜたつや消し黒or灰色を塗る」でしょうか。

方解末は岩絵具の一種で絵の具を盛り上げるための無色(「白」ではない)のものですが、アクリル塗料に混ぜて使うとフラットベースより極めて強いつや消しというか紙やすりのような質感になり、パステルなどの食いつきも強くなるのでよいかと。
光山市交通局
2022年04月17日 22:37
>レサレサさん

 キャンバス屋根の処理は小型車や旧型車にはこよなく似合いますね。

 今思ったのですが、この手法を使うと道路のアスファルト舗装がそれらしく見えそうな気がしますがどうでしょうか(もちろん色はそれ相応のもので)
レサレサ
2022年04月18日 00:35
>光山市交通局様
>この手法を使うと道路のアスファルト舗装がそれらしく見えそうな気がしますがどうでしょうか

灰色系の屋根見る限りそれっぽい感じにはなりますが、それ目的ならタミヤからそのままズバリ「情景テクスチャーペイント(路面ダークグレイ・品番87115、税抜き800円で100ml入り)」なる物が販売されていますので、そっちがお勧めかと思います。
タミヤ水性アクリル塗料の一種で溶剤も同一のアクリル溶剤で可能、粒子があるのでよく混ぜる必要がある他、詰まるのでエアーブラシには使えません。

【参考:タミヤの公式サイトの該当ページ】
https://www.tamiya.com/japan/products/87115/index.html
光山市交通局
2022年04月20日 22:59
>レサレサさん

 そういえばテクスチャペイントの事を忘れていました。ありがとうございます。

 方解末を使うやり方も混ぜる色を選ばないという点では応用範囲は広そうにも思います。