「阿房列車の車輪の音」

 今回紹介するのは帰省の折に故郷の鉄道ショップ(カラ●ツトレインですね)で入手した一冊。
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 ここでは大概の場合模型か、それがなければ鉄道関連の古本を買う事が多いのですが、最近は本を買うにも「故郷の実家やホテルなんかで寝っ転がりながらゆったりと読める本」が選ばれる事が多いです。

 という訳で、今回買ったのは内田百閒の「阿房列車の車輪の音」(六興出版)

 今年に入って内田百閒の阿房列車シリーズを(今になって)買い揃えて読み散らかしていますが(汗)本書は阿房列車シリーズの補足編とでも言いますか、過去のシリーズで取り上げにくかったであろう題材の随筆を纏めた一冊の様です。

 一等車の話、非常汽笛とアクシデントの話、食堂車の話から沿線広告の話や関東大震災直後の列車の乗車の思い出など、同じ鉄道ネタでも扱うジャンルが幅広く、それでいて各記事も短いのでどんどん読み進められます。
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 それらの記事のどれにも百鬼園と呼ばれた作者ならではの視点が貫かれ、まるで一緒に列車に乗っているかのような臨場感が感じられる随筆集になっているのが「寝っ転がって読む一冊」としては嬉しいところです。

 わたしの場合、コロナ禍の影響でここ数年帰省、旅行、出張といえば決まって車での移動ばかりで妙なストレスが溜まりがちな気がする最近、こういう本を読んでいると「そろそろ汽車旅をやってみたい」気分になって来ます。

 でも本書を読んだ翌日が「車を駆って12時間の連続ドライブで帰宅」というスケジュールだったりするのですがw

 余談ながら、本書の随筆の多くは文庫版の「立腹帖」に収められているそうなのでもし今から読むならそちらの方が入手は楽だと思います。
 因みに今回の古本はハードカバーの2刷本でした。

 ハードカバー本は旅先(というか帰省中)で読むには文庫本に比べると気分的に「いかにも旅をしながら読んでいる」様な好い雰囲気で読めるのが取り柄ですね。

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

秋津のOB
2022年12月02日 11:49
たびたび失礼します。これは是非読みたいものですね。所沢の古本まつりなどで見掛けたら確保せねば…。

コロナ禍前に京都鐵博へ行き、ヒマラヤ山系氏こと平山三郎氏「実録阿房列車」を仕入れたものの……ようやく読み始めたものの、スマホやタブレットで空き時間潰しする傾向が染み付いて、昔のように読み続けることができなくなったのは地味にショックでした…。




余談ですが気のせいか、俊三翁の文庫本を書店で見かけなくなった気がしてしまいます。
光山市交通局
2022年12月02日 22:03
>秋津のOBさん

 わたしが阿房列車シリーズのハマり始めたのはついこの間からですからまったくお恥ずかしい話です。

 それにしても、古本祭りですか。わたしの現住地は古書市の類に縁がないので羨ましいですね。

 今回の本は故郷にある鉄道書籍専門の中古ショップだから見つかったようなもので殊に田舎のブックオ●レベルではまず見ない本だと思います。
 最近では古本一冊買うのでも一種の地域格差の様なものが感じられて侘しい気もしますね。