今月の「TEZMO SYNDOROME」とペーパーストラクチャーのはなし
今月はいつもよりも更新のペースが早かったWEBコミックの「TEZMOSYNDOROME」
いつもはレトロ系、懐かし系のアイテムが取り上げられるこの漫画ですが、今回はバリバリの現行モデル。
最近鉄道模型を始めた宮浦さん(風奈の同居人の麻里の職場の同僚)が以前風奈といっしょにJAMを覗いた折に買ったペーパーストラクチャーキットを風奈のアドバイスを受けながら作ってゆくというのが今回のはなし。
(もちろん風奈も自分のキットを作ってゆきます)
これからお分かりのように今回の題材は近年急速にアイテムが充実しているペーパーキットのストラクチャー。
これはわたしもコロナ禍この方ハマり込んだジャンルで、積みキットの消化と称して街が一つできるくらいの勢いで随分と作り込んだものです(大汗)
作中でも言及されていますが、ペーパーストラクチャーのキットが登場した一番のご利益はまず「どこにでも普通にありそうな一般建造物のバリエーションが飛躍的に増えた事」にあると思います。
それどころか従来の鉄道模型ジャンルでは想定すらされていなかった「アニメの劇中の建造物のキット」なんてのまでがジャンルとして定着するほどの数がリリースされ、今までよりも「市販モデルで自分好みの街並みが容易に作れる様になった」のですから凄い話です。
バリエーションの広さで言うなら今やNゲージストラクチャーのジャンルも欧米並みのレベルに達しつつあるように感じます。
キットの特徴としてはもう一点見逃せないのが、作中で宮浦さんがいみじくも語っていますが「あらかじめ切れ目が入れてありパーツの切り離しが容易」な事。
一見小さい事の様ですが、最近のペーパーキットの最大のメリットと言えます。
これが昔のペーパーキットの様にパーツの切り出しから自分でやるとなるとものすごく大変なことになるのは昔の「紙で作る蒸気機関車」をやっている身としては全く有難いことであり、涙が出るほど身に染みるところ(笑)
また、レーザーカッターの普及でガレージキットのレベルでもそうした構成の細密ペーパーキットの販売が可能になったのは大きいと思います。
これがなければペーパーキットそのもののの普及はなかなか覚束なかったのではないかとすら思えます。
ただ、作りがかっちりしているだけに説明書と違う工程を選んでしまうと後から目も当てられないことになりやすいのは作中で風奈が語っている通りです(大汗)
しかしレーザーカッティングで構成されたこれらのキットは出来の方もかっちりしたもので細密感も上々。
それゆえ、ごく普通に作っていても「工作をしている実感」が高いのも楽しいところです。
さて、今回のキットの中では風奈が作った3階建てのビルは一昨年の春頃にわたしも製作しました。
建物としてはどこにでもある普通のビルですが、その普通さゆえにどこにでも使えますし従来のプラキットではなかなか製品化されない「横に長いビル」だけに使い勝手も抜群です。
従来のプラ系ストラクチャーには店頭の陳列の都合からか「外箱の大きさで建物のサイズや形状が規定されてしまう」弱み(ミニカーのトミカと同じ弱点)があったと思います。
が、素の状態で「薄いファイル状の状態で陳列できる」ペーパーキットの場合はその縛りが少ないようで建物のサイズや形状の自由度が比較的高いのもメリットではないかと思います。
ただ、紙製とはいえ製造コストはそれなりに高い様で、よほど安価な出物でもないとおいそれと増やせないのが悩みの種ですが。
さて、今回宮浦さんが住宅を作ったのは最近よくネット広告でお目にかかる(というか当ブログでもいつの間にか広告が載っている事が多いw)「東京ジオラマファクトリー」の製品。
実はここの製品にはまだ挑戦していないのですが、みにちゅあーとが1960〜70年代の一般建造物を製品化しているのに対し、21世紀に見かける比較的新しい建造物を製品化してくれているので注目しているブランドです。
現在改修中のレイアウトに使えそうなものもいくつか出ているので来年あたり挑戦してみようかと思っています。
光山鉄道管理局
HPです。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
鉄道模型ランキング
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
この記事へのコメント
あの様なものでしょうか?
そういえば「テツモシンドローム」の最新話では、学研のペーパーストラクチャーについては触れてませんでしたね。
何時もなら歴史的な経緯についても蘊蓄が語られるのに意外でした。
>鉄道模型大好きおじさん
>
>ペーパーストラクチャーといえば昔、学研から発売されてましたね。
>あの様なものでしょうか?
学研のストラクチャーはわたしもいくつか持っていますが、最近のみにちゅあーとなどとは全く異質なモデルと思います。
最近のモデルが建物のプロトタイプ設定の確かさや、レーザーカッティングによる窓の抜けの良さなど本格的にストラクチャーとして成立しているのに対して、学研のそれは悪く言えば「小学館の学習雑誌の付録」のレベルでレイアウトに組み込むことを考えていない様に見えます。
(実は現在移設中のレイアウトにもこっそり学研のビルを混ぜていますが、裏通り用の書割程度の用途だったりします)
歴史的経緯に触れていないのは元々これらのキットがセットのおまけのレベルで誰にでも入手可能なものではなかったからではないでしょうか?
(作者自身が存在を忘れていた可能性もあります)
作ってて思ったのですが、ペーパー(特にケント紙のような腰の強い紙)って金属の次ぐらいに細いパーツ(上記の場合筋交いに使用)に強いですよね。プラや木でこういうもの作ると大抵ぽっきり行きます。
>鉄道模型大好きおじさん
学研のペーパーストラクチャーは風奈が年齢的に知らない可能性がかなりありそうです。
風奈は幼少期の回想場面(第11話)から「2000年」の時に小学生と分かる(購入物の発売年より、ラストで明記)ので、80年代末期ごろが誕生年の上限で学研はもう撤退済み。
誕生以前の物を中古購入などで知識はあっても、こういうペーパーストラクチャーはまず中古は流通せず(普通遊ばなくなったら廃棄)、売れ残りの残存にうまく当たらないと知らないのでは?
材木置き場はあれ以来ジオコレの製材所で定位置を占めています。
改めて思うのですが、製材所で材木置き場というのはよほど煩瑣でない限りいくつあっても違和感がないですね。
さんけいやプラムのモデルを作って思うのですがペーパーと言えどもきちんと組まれていれば意外なほど強度がありますね(紙質にもよりますが)
最近警戒しているのは自然光や蛍光灯の紫外線による退色です。
こればっかりは後から補正が利きませんから。