日本の名随筆「駅」

 今回は書籍ネタです。
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 30年ほど前、作品社というところから「日本の名随筆」というシリーズの本が出ていたことがあります。
第一期全100巻(その後、第二期も出ています)で一冊一冊に「花」「恋」「詩」などのテーマが与えられ、それぞれのテーマに合わせた随筆が10〜20程度集められたものです。
 ここに取り上げられた随筆のいくつかは最近青空文庫などで読める様になっていますが、そのいずれもが安心して読める読み物としています。

 で、このシリーズにテーマが200もあるのなら「鉄道」というのも一冊くらいあるのではないかと思って探してみたのですがあいにくそれはなし(涙)

 ですがそれに代わる存在として「駅」というのが出ているのを知り、先日古本を取り寄せることができました。
 本書の編者は宮脇俊三。集められた随筆は内田百閒をはじめ種村直樹や立松和平から芥川龍之介、水上勉など33編にのぼります。
 (そういえば岡本綺堂の「停車場の趣味」が入っていないのはなぜだろう?)

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 そのいずれもが「駅という空間の持つ一種独特の雰囲気」が活写されていて臨場感たっぷり。

 題材も上野、市ヶ谷、有楽町、門司港などのメジャーどころから若狭本郷、南大夕張、後半では海外の駅を舞台にしたものも揃えられ、居ながらにして「駅構内をさすらう旅人」あるいは「通勤などで普段利用している駅の常連の一人」の気分が得られるお得な一冊となっています。

 実際、本書は寝る前のひと時のゆったりした気分で読むのが最も似合うと思います。本書を初読したのが「体を壊して寝込んでいた時」だったので余計そうした気分が強かったのかもしれません。
光山鉄道管理局
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