テレビとテツドウモケイのはなし・2023

 先日のこと、とある地上波局のゴールデンタイムのバラエティ系紀行番組でわたしの行きつけである鉄道模型ショップが登場し驚くと同時に堪能させて頂きました。
 BSやCS辺りの趣味系番組・紀行番組でテツドウモケイが取り上げられる事は今世紀に入って以来それなりに増えていますし、地上波でもローカル系紀行番組やワイドショーなんかで地元のショップが出てくる機会も増えてきています。
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 とはいえ、全国区の地上波番組で鉄道模型ショップが纏まって取り上げられたというのは一種のカルチャーショックではありますし、個人的には行きつけの店なだけに結構な壮挙と感じます。

 それは置いておいて、
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 以前(と言っても大分昔のことになりますが)前世紀の地上波バラエティで鉄道模型ファンを取り上げたテレビ番組の事を当ブログでも扱った事があります。

「レイアウトを持つ事」とステイタスの関係(笑)
テツドウモケイとメディアの露出に思うこと

 その当時はNゲージがそれなりに一般レベルでも知名度を上げてはいたものの、自宅の中にレイアウトが引き回されている家というのはまだまだ少数派でしたし、番組内の扱いも「究極のマニアとしてのファンの濃さ」に焦点が当たる事が多かった感じがします。
 (そのノリは演出を多少変えているとはいえ最近のBSやCSの趣味系番組でも基本的に変わっていない気もします)
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 その一方で徐々にではありますが「普通の人が普通にテツドウモケイを愉しむ」という観点からこの趣味を取り上げるコンテンツも現れ始め、観ている人に「凄いですねぇ」と感嘆させるよりも「これなら私でも出来そうだ」と感じさせる敷居の低さを持った番組も登場し始めています。
 今回の場合、紹介されているのは「レンタルレイアウトに車両を持ち込み日がな運転を愉しむお客」でしたが、その姿を見たゲストの男優さんが「こんなのもあるんだ・・・」と呟いていたのがわたしには特に印象的でした。

 恐らくこの男優さんのつぶやきは同時にこの番組を観ていた視聴者の何割かが感じた実感ではないかと思います。
 特に大手ホビーショップの無い地方にとってはそうでしょう。

 他の番組で「部屋いっぱいを占領しているマニアのレイアウト」ばかりを観てその出来とスケールに圧倒されてしまい「これは私には無理だ」とあきらめかけていた予備軍にとって「車両さえ持っていればそれを走らせられる場所がある」事を知らしめる意味でも今回の地上波全国放送(とはいえキー局の中で最も系列の少ないところですが)はそれなりに意味があったのかもしれません。

 ファンにとっては半ば常識のレンタルレイアウトも、その存在自体が一般に知られている訳ではありませんし。
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 個人的に感じる事なのですが趣味としての「鉄道模型の市民権」とやら(これも前世紀来専門誌でよく聞かされる定番ワードですが)を認知させようと思ったら凄腕モデラーの作品を取り上げるのと同じくらいに「腕は無くても趣味そのものを愉しんでいる人たち」の存在もアピールされなければならないのではないかと思います。
 今ではネット動画に押されて旧世代メディアになりかかっている感のある地上波ネットですが、それでも1%の視聴率でも大概のネット動画より露出度がはるかに高いのですからその中でこうした「凄腕でなくても十分以上に楽しめる」事を感じてもらう事が趣味の裾野を広げるうえでも必要なのではないかと。
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 今回の放送を観てふと思ったのはそんな事だったりします。
 (写真は一部を除き本題とは関係ありません)

光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2023年03月25日 08:13
鉄道模型のレンタルレイアウトの存在を知らない人は多いですね。
スロットカーやラジコンカーのレンタルサーキットを知らない人も多いですから、鉄道模型のレンタルレイアウトを知らない人が居ても不思議ではないのかも知れませんけど。
それなのに何故かミニ四駆のレンタルサーキットは比較的よく知られてますね。
ミニ四駆の場合は一時、爆発的なブームになったのでレンタルサーキットの存在がよく知られているのだと思います。
鉄道模型もNゲージがブームになったことはありましたが、その当時はレンタルレイアウトなど影も無かったのとは大違いです。
Nゲージがブームだった頃、何故レンタルレイアウトの発想が無かったのか不思議ではありますけど。
光山市交通局
2023年03月26日 23:22
>鉄道模型大好きおじさん

 地方のファンだとレンタルレイアウトを知識としては知っていても実物に触れた事の無い方も多いのではないかと思います。

 ミニ四駆の場合はホビーショップばかりでなく一部家電量販店やショッピングモールにも併設されている事があるのと、テツドウモケイに比べて予算面での敷居が低い事が要因の様な気がします。

 Nゲージブームの時はレンタルレイアウトの発想があってもそこから踏み出すことに躊躇したケースが大きい様にも思います。
 何しろ初期投資と事前の手間が半端ないのは、近所の鉄道カフェを見ていても感じますから。