レイアウト改修作業2023・その8・シーナリィの骨格を考える
先日、行きつけのショップを訪ねた折、たまたま居合わせた一見さんのお客がご店主にレイアウトの製作について相談している場に出会いました。
向こうは文字通り初めてのレイアウト製作との事で、台枠の設置やレイアウトプランの設定などに関していろいろとご店主の助言を頂いているところを脇から興味深く拝見させて戴いていたのですが、そこでご店主が言ったひとことが胸に刺さりました。
それは「実物の鉄道は自然の地形の上に線路を敷設するのですが、レイアウトの場合は逆に線路に合わせて地形を作るのが原則」という一節です。
レイアウトつくりの上でこれは当たり前と言えば当たり前の事なのですが、改めて言われてみるとこれは胸に刺さります。
一部の本格派(と言われる)シーナリィ重視のレイアウトであっても、基本的には地形が線路に従属するのがレイアウトの宿命みたいなものですから地形創生の時点でどこかしらシーナリィに不自然さが出てしまう事は避けられません。
わたし自身、今回のレイアウト改修でやれフレキシブルレールの緩曲線だとか自作突堤による緩勾配だと独りよがりなこだわりを持って改修を進めてきた訳ですが、それらは結局線路を主体にしか考えておらず(もっと言えば「少しでも列車の走りをリアルに観たい」という欲求から)無意識のうちにシーナリィが線路に従属する形でしか考えていなかった訳です。
尤も完全な形で実物の鉄道を縮小したらまともなダイヤ運転をするために少なくとも教室ひとつ分くらいのスペースが必要な気がしますし、そのスペースの中で線路の占める割合は(操車場の様なケースを別にすれば)恐らく数パーセントにも満たないでしょう。
しかし、わたしもそのお客様も、大レイアウトの製作経験のあるご店主にしても基本は「鉄道ファン・鉄道模型のファン」の端くれですから風景の主体はやはり鉄道な訳です。
如何にして風景のリアルさ(これは必ずしも細密である事を意味しません)と走らせる列車との釣り合いを取るか。または「風景の中に列車を溶け込ませる」のか「列車が映える様な風景づくり」にするのか。
これはシーナリィ付きのレイアウト作りではプランの段階でビルダーの頭の中で鬩ぎ合う課題ではないかと思います。
わたしなんかは基本的な構想を決めればあとは殆ど「どんぶり勘定と現物合わせ」の繰り返しでレイアウトらしきものをでっちあげるプロセスの繰り返しなので、予め確固としたモチーフを持って製作されているコンペで入賞する様なレイアウトとは彼我の差がありすぎる訳ですが(大汗)本当ならもっとこの点については神経質であるべきだったのかなという感じはしています。
今回は殆ど実際の工程の前振りみたいな内容になってしまいましたが、製作の進行については次の機会に。
光山鉄道管理局
HPです。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
鉄道模型ランキング
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
向こうは文字通り初めてのレイアウト製作との事で、台枠の設置やレイアウトプランの設定などに関していろいろとご店主の助言を頂いているところを脇から興味深く拝見させて戴いていたのですが、そこでご店主が言ったひとことが胸に刺さりました。
それは「実物の鉄道は自然の地形の上に線路を敷設するのですが、レイアウトの場合は逆に線路に合わせて地形を作るのが原則」という一節です。
レイアウトつくりの上でこれは当たり前と言えば当たり前の事なのですが、改めて言われてみるとこれは胸に刺さります。
一部の本格派(と言われる)シーナリィ重視のレイアウトであっても、基本的には地形が線路に従属するのがレイアウトの宿命みたいなものですから地形創生の時点でどこかしらシーナリィに不自然さが出てしまう事は避けられません。
わたし自身、今回のレイアウト改修でやれフレキシブルレールの緩曲線だとか自作突堤による緩勾配だと独りよがりなこだわりを持って改修を進めてきた訳ですが、それらは結局線路を主体にしか考えておらず(もっと言えば「少しでも列車の走りをリアルに観たい」という欲求から)無意識のうちにシーナリィが線路に従属する形でしか考えていなかった訳です。
尤も完全な形で実物の鉄道を縮小したらまともなダイヤ運転をするために少なくとも教室ひとつ分くらいのスペースが必要な気がしますし、そのスペースの中で線路の占める割合は(操車場の様なケースを別にすれば)恐らく数パーセントにも満たないでしょう。
しかし、わたしもそのお客様も、大レイアウトの製作経験のあるご店主にしても基本は「鉄道ファン・鉄道模型のファン」の端くれですから風景の主体はやはり鉄道な訳です。
如何にして風景のリアルさ(これは必ずしも細密である事を意味しません)と走らせる列車との釣り合いを取るか。または「風景の中に列車を溶け込ませる」のか「列車が映える様な風景づくり」にするのか。
これはシーナリィ付きのレイアウト作りではプランの段階でビルダーの頭の中で鬩ぎ合う課題ではないかと思います。
わたしなんかは基本的な構想を決めればあとは殆ど「どんぶり勘定と現物合わせ」の繰り返しでレイアウトらしきものをでっちあげるプロセスの繰り返しなので、予め確固としたモチーフを持って製作されているコンペで入賞する様なレイアウトとは彼我の差がありすぎる訳ですが(大汗)本当ならもっとこの点については神経質であるべきだったのかなという感じはしています。
今回は殆ど実際の工程の前振りみたいな内容になってしまいましたが、製作の進行については次の機会に。
光山鉄道管理局
HPです。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
鉄道模型ランキング
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
この記事へのコメント
(実物大でもTDLウェスタンリバー鉄道は機関庫への分岐以外はエンドレスで、通過する途中駅でカブースのおかれている側線などはダミーですらポイントがなく分断されてます。)
話変わりますが、ジオコレの情景小物で「屋上小物」なる面白いものが販売されておりました。
A~Dの4パターンでフェンス・エアコン室外機・塔屋などが入っております。
私はフリーランスの建物を作る際に屋上が殺風景で困ってたんですが、これはいいかも。
私も初めの頃は車庫のある地方私鉄の終端駅で、貨物側線があって引き込み線や機回し線があって・・と考えて行ったら、畳1枚分くらいのスペースのほとんどが駅と引き込み線だけになって、列車を走らせるメイン部分はおざなりになっていたことがありました。
まあ狭いスペースに実際の風景を映しこむんですから仕方ないですが・・・
レイアウトプラン集なんかを見てもともかく複雑に線路を敷き詰めるものが多いですが、実際の風景ではそんな場所こそ少ないわけですしねぇ。
ただリアルさばかりを追求していると、今度はスペースのほとんどが風景と建物にくわれて線路の占める割合がうんと減ってしまうわけですけれど。
返信遅れてすみません。
側線を本線と繋がらない形でダミー化するのはわたしも機関区セクションでやった事があります。
本線と繋がる側線で一番厄介なのはポイントとカーブレールが意外と長さとスペースを食うことですから、運転上の不都合に目をつぶれば意外にリアルな情景が作りやすいですね。
屋上小物、もう出ましたか。私もあれは注目していたので早速探してみたいです。
日本のレイアウトプラン集の線路でわたしが気に入らないのが大型になるほど線路の密度が高くなってしまう事と、規格品カーブの仕様を前提とした幾何学的なトラックプランです。
PECO辺りのプラン集ならある程度フレキシブルレールやカーブポイントを駆使したごく自然な配置になるのですが、あちらはあちらでお座敷運転を想定していない弱みがあります。
シーナリィに比重が行き過ぎてしまうと却って線路が邪魔になってしまう可能性もありますね。
実はそういう実例を先日帰省の折に見学できたので、近いうちに紹介したいと思います。