「レイアウトコレクション1」
帰省の戦利品から
古本屋さんで入手できたTMS選書のひとつ「レイアウトコレクション1」
B5サイズで150P程度のTMS別冊と言うとまず連想されるのは「レイアウト全書」「レイアウトモデリング」「レイアウトテクニック」の「TMSレイアウト3部作(と私がかってに呼んでいるw)」です。
この中で最も新しいレイアウトテクニックでは昭和40年代前半から中盤にかけてTMS誌上に掲載された記事ですが、今回の「レイアウトコレクション」で取り上げられているのは1972年~1982年にかけての物ですから連続性で言えば「レイアウトテクニック」の次と言う立ち位置の一冊と言えます。
この頃はそれまで主流だったHO・16番が勃興著しいNスケールのレイアウトに移り始めた時期に当たります。またナローゲージのレイアウトの勃興期にも当たる訳で、ある意味レイアウトという鉄道模型の愉しみ方が広がり始めた頃とも言えるかもしれません。
本書ではHOレイアウトが6なのに対してナローゲージが7つ、Nゲージのレイアウトが12という構成ですが、これ以前の別冊はHOばかりでしたし、以後の別冊はNゲージレイアウトばかり(例外的にHO中心の「レイアウトアート」というのが出ましたが)になっていますから「いろいろなフォーマットのレイアウトを1冊で楽しむ」点では最もバランスの取れた構成になっていると言えます。
実は本書で取り上げられているレイアウトの殆どはわたし自身が個別のTMS本誌でお目に掛かっているものばかりなので、個人的な新味は薄いのですがレイアウト記事だけを一冊にまとめた構成は一々本誌を引っ張り出すよりも手軽で読みやすいメリットを感じたので(お値段も300円でしたし)手を出してしまった次第です(汗)
本書に所収の記事で個人的に惹かれるのはNでは日本型ストラクチャーの市販品がまだ出揃わなかった時期にほぼフルスクラッチのストラクチャーとシーナリィを駆使して本格的な大都市型レイアウトをものした「本邦鉄道」、同様に機関区と客車区を限られたスペースで要領よくまとめ上げた「機関区と客貨車区のセクション」昭和40年代に製作されたレイアウトの裏側に別のレイアウトを組み付け、前代未聞のリバーシブルレイアウトを実現させた「第3次銀河鉄道」です。
HOでは16番とメルクリンHOを同居させおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさが横溢している「岩日鉄道」、比較的大きなサイズでありながら地形創生を優先し、敢えて駅やヤードを排した事でゆったり感を出している「遠江鉄道原野谷線」が、ナローでは本書で唯一のLGB庭園鉄道、リバースを駆使して駅周辺の作り込みと運転の楽しさを両立させた三鷹高校鉄道研究会のレイアウトが印象に残ります。
この時期のレイアウトはレイアウトそのものの可能性が個人レベルで様々に模索されていた時期でもあり、細密感や作り込みも去る事ながら、それ以上に骨太且つ一点突破的なアイデアや作者の決めたコンセプトが明快なものが多いのが特徴と思います。
それゆえに、最近の細密志向やレイアウトの盆栽化とは一味違う独特の解放感が感じられるのが本書の功徳ではないかと言う感じもします。
(なお、写真は記事のレイアウトとは関係ありません)
光山鉄道管理局
HPです。
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古本屋さんで入手できたTMS選書のひとつ「レイアウトコレクション1」
B5サイズで150P程度のTMS別冊と言うとまず連想されるのは「レイアウト全書」「レイアウトモデリング」「レイアウトテクニック」の「TMSレイアウト3部作(と私がかってに呼んでいるw)」です。
この中で最も新しいレイアウトテクニックでは昭和40年代前半から中盤にかけてTMS誌上に掲載された記事ですが、今回の「レイアウトコレクション」で取り上げられているのは1972年~1982年にかけての物ですから連続性で言えば「レイアウトテクニック」の次と言う立ち位置の一冊と言えます。
この頃はそれまで主流だったHO・16番が勃興著しいNスケールのレイアウトに移り始めた時期に当たります。またナローゲージのレイアウトの勃興期にも当たる訳で、ある意味レイアウトという鉄道模型の愉しみ方が広がり始めた頃とも言えるかもしれません。
本書ではHOレイアウトが6なのに対してナローゲージが7つ、Nゲージのレイアウトが12という構成ですが、これ以前の別冊はHOばかりでしたし、以後の別冊はNゲージレイアウトばかり(例外的にHO中心の「レイアウトアート」というのが出ましたが)になっていますから「いろいろなフォーマットのレイアウトを1冊で楽しむ」点では最もバランスの取れた構成になっていると言えます。
実は本書で取り上げられているレイアウトの殆どはわたし自身が個別のTMS本誌でお目に掛かっているものばかりなので、個人的な新味は薄いのですがレイアウト記事だけを一冊にまとめた構成は一々本誌を引っ張り出すよりも手軽で読みやすいメリットを感じたので(お値段も300円でしたし)手を出してしまった次第です(汗)
本書に所収の記事で個人的に惹かれるのはNでは日本型ストラクチャーの市販品がまだ出揃わなかった時期にほぼフルスクラッチのストラクチャーとシーナリィを駆使して本格的な大都市型レイアウトをものした「本邦鉄道」、同様に機関区と客車区を限られたスペースで要領よくまとめ上げた「機関区と客貨車区のセクション」昭和40年代に製作されたレイアウトの裏側に別のレイアウトを組み付け、前代未聞のリバーシブルレイアウトを実現させた「第3次銀河鉄道」です。
HOでは16番とメルクリンHOを同居させおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさが横溢している「岩日鉄道」、比較的大きなサイズでありながら地形創生を優先し、敢えて駅やヤードを排した事でゆったり感を出している「遠江鉄道原野谷線」が、ナローでは本書で唯一のLGB庭園鉄道、リバースを駆使して駅周辺の作り込みと運転の楽しさを両立させた三鷹高校鉄道研究会のレイアウトが印象に残ります。
この時期のレイアウトはレイアウトそのものの可能性が個人レベルで様々に模索されていた時期でもあり、細密感や作り込みも去る事ながら、それ以上に骨太且つ一点突破的なアイデアや作者の決めたコンセプトが明快なものが多いのが特徴と思います。
それゆえに、最近の細密志向やレイアウトの盆栽化とは一味違う独特の解放感が感じられるのが本書の功徳ではないかと言う感じもします。
(なお、写真は記事のレイアウトとは関係ありません)
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この記事へのコメント
うちの近所にある「もけいや松原」のレンタルレイアウトにはNゲージの他にHOゲージもあり、通常の直流とメルクリンの3線交流どちらでも走行可能になっています。
店長が器用な人なので、スイッチ一つで両者の切替が出来るようになっています。
その関係か、HOのレンタルレイアウトにはポイントはありません。
Nゲージのレンタルレイアウトには店長オリジナルのパワーパックやポイントスイッチ、信号機などが設置されてます。
そのパワーパックやポイントスイッチは販売もされてます。
作例のレイアウトではDC2線とAC3線は別個に敷設されていましたが、理論上はAC3線のレール上をDC2線の車両を走らせる事は可能だそうですね(逆は不可)
但し通電方法とは別に、メルクリンの3線式は日本型16番モデルが使えないレベルの急曲線やポイントが多いですから互換性の壁は大きいと思います。
最近はメジャーメーカーのパワーパックの性能や機能に飽き足らないニーズに対応したオリジナルパワーパックのキットや製品が増えている様ですね。
特に電源部の性能に余裕のあるパックは同じ車両を走らせても走りの質感に大きな差が出る事が多い様です。
案外こういうのがこれからのテツドウモケイ趣味(雑誌に非ずw)の新潮流になる様な気がします。