「アゴ割れ・大口スカート」の思い出w

 先日来、美里山鉄道さんとManicさんのブログで昔のKATOロコの特徴のひとつだった「アゴ割れスカート(とわたしが呼んでいる)のKATO製機関車」の話題が盛り上がっていました。
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 この件に関してはわたしがこの趣味に入った頃の思い出とも密接に関連している事もありましたので、この機会に当ブログでも便乗させていただこうと思います(汗)

 わたしがNゲージの電気機関車を買ったのは昭和50年の暮れ頃のことでした。
 物はKATO(当時は「関水金属」)のEF65。あの頃は故郷が交流電化区間で周囲で見かける機関車ときたらED75ばっかりでしたから、青いボディの電気機関車への憧れが強く当時Nゲージの花形だった20系ブルートレインが最も似合う機関車でもありましたから入線までは大いに盛り上がった物です。
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 で、小遣いを貯めてやっとの思いで入線を果たしたEF65を線路に乗せて初走行と相成ったのですが、カーブに掛かった時に「スカートがカプラーごと豪快に首を振る姿」に少なからず衝撃を受けたのはいまだに忘れられません。
 カーブに掛かるたびにスカートが左右にずれる(しかもカーブがキツくなるほど激しく)のですからどっちらけなんて物ではありません。
ですから当時はNゲージの電気機関車に少なからず幻滅したのを記憶しています。
 (写真のロコはEF66 ですがご勘弁を)
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 一方、同時期に入線したトミーナインスケール(のちのTOMIX)はスカートが車体に固定され、アゴ割れの無様さはありませんでした。
ですがこちらはまたこちらでカプラーの左右動に合わせてこれまた豪快な切り欠きが開けてありました。見た目に「大口を開けている」様に見えるそれはアゴ割れほどの違和感はないもののやはりモデルの玩具臭さを強く感じさせる物でした。
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 それ以後もしばらくの間Nゲージの電気機関車や一部の電車やディーゼルカーなども含めてスカートはアゴ割れか大口かのどちらかしかない状態が続きます。前者は止まっている時は良くても走らせれば馬脚を表し、後者は逆に停止状態で目立つという相反する弱みでもありました。
 当時のHO(16番)のモデルでそんな弱点を持つ機関車はありませんでしたからこれらのスカート処理は余計にNの弱点として目立つものだったのです。
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 まあ、当時は電気機関車以外の車両もいろいろありましたし、EF58の様に最初からスカートを履いていないモデルもありましたからなんとか我慢もできましたが、80年代の終わり頃にこの趣味が一時中断した遠因のひとつにこのスカート問題があったのは事実です。
 
 元々HOよりも小回りを効かせ、かつ確実な連結を実現するためにカプラーを台車マウントとしていた事が根本的な原因だったのですが、80年代の中頃にカプラーがスカートにマウントされる様になってようやくこの弱点は改善されました。
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 わたしがこの趣味を再開した頃には新製品に関する限りはスカートのアゴ割れも大口スカートも絶滅していましたから外見上のウィークポイントはかなり減っていました。

 わたし個人の思い出としてはまあそんなところですw
 が、スカートとカプラーの問題に限らず急カーブのクリアと連結機能の維持というのは鉄道模型の車両全般についてまわる課題ですがNゲージの場合は特に外観にその影響が出やすかったと言えます。
(この項続く)

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2023年05月16日 01:48
懐かしいですね。 
私が最初に買ったNゲージの電気機関車は中古で購入したカトーのアゴ割れEF66でした。
慣れるまでは何という不気味な機関車だろうと思ったものです。
私がNゲージを始めた頃はもう、Nゲージの電気機関車はカプラーがスカートに固定される方式が主流になり始めてましたからアゴ割れはEF66のみ保有してました。
EF66を購入して翌月、同じくカトーのEF81貨物色を購入したらスカートがアゴ割れではなかったので技術の進歩を感じました。
動力もフライホイールが搭載されていて、走行性能もアゴ割れEF66とは月とスッポンでした。
レサレサ
2023年05月16日 20:58
この問題は旧型電機(実車も基本台車マウント)には起きなかった問題でしたね・・

ちなみに台車マウントの旅客車は日英のように「ドア高さ≒車体裾下部」の場合は問題ありませんが、アメリカなどステップがある場合首振りでカプラーが当たる場合があります。
この為コンコーのガスエレクトリックカー模型でステップがあるので台車マウント不可、普通にボディマウントだとオーバーハングが長く次車を脱線させかねないためか、「後部台車と車体マウントのカプラーが梃子で連動して首を振る」という面倒くさい構造のがあったりします。
光山市交通局
2023年05月16日 23:26
>鉄道模型大好きおじさん

 そういえばアゴ割れの消えた時期はKATOの動力系のリニューアルの時期と重なりますね。

 車体造形の良さと走りの良さで当時(も今も)頭抜けていたKATOの数少ないウィークポイントがアゴ割れのスカートでしたから、80年代末にそれが絶滅した事で更にKATOのステータスが上がったように思います。


光山市交通局
2023年05月16日 23:30
>レサレサさん
 
 旧型電機ではアゴ割れこそありませんでしたが、別な問題があり一部のモデルで尾を引いている部分もあります。
 これについては近日後編で書きたいと思っています。

 これらの問題の根本には「模型の車両は実物ではあり得ない急カーブをクリアしなければならない」点があり、車両リアリズム派と走行派、あるいはレイアウト派それぞれのポリシーの違いがぶつかりやすい面もありそうですね。
秋津のOB
2023年05月30日 13:20
しばらくぶりに推参します。当方がやっとN始めたのは92年のことで、tomix製DE10が最初の機関車でした。前端がデッキのDLはtomixも KATOもスカート開口部を広めに取った様式でしたね。

2002年頃に某氏から転入したEF70四代目製品が当方にとって初のアゴ割れスカート電機でした。最初はまあこういうもんかと思ってましたが違和感は消えず。総本山へ行きEF81-500のボデマンスカートを調達。スカートを含めまだ似ているだろうという判断です。

前灯基板の遮光板取り付け溝とスカートの取り付け穴の位置が偶然にも合ったので、遮光板の脚を少し切って溝を空け、1ミリ角棒でスカート用爪を新製し取り付け。前面ガラスパーツが車体裾まで伸びているので、干渉しない程度に切り詰めたらどうにかなりました。

ジャンパ栓の位置などは違いますが、まあアゴ割れのままよりはマシだと割り切りました。今なら現行品スカートを使えますが、今更交換するのも面倒なのでスルーしている始末です。81スカートは縁が角張ってますし、70スカートは丸みを帯びてますから少しヤスってはみましたが……イマイチ似てません。離れて見る用と割り切りました。

当時のボデマンスカートの電機には付属していたカトカプ用アダプターを装着しましたが、カーブ出口で自然解放起こすので板バネを省略。数年前にかもめナックルへ更新した際に再装着してます。

それ以後に導入したアゴ割れ電機は、もはや旧い模型の味だと割り切りそのままにしました。カプラーだけは分解整備時に今時の車間短縮ナックルに換えてます。
秋津のOB
2023年05月30日 18:48
6行目を訂正します。

(誤)スカートを含め→(正)スノープロウを含め
光山市交通局
2023年05月30日 20:50
>秋津のOBさん

 余談ですが初期の関水のEF65は台車もスカートもEF70の流用でした。ですから顎ワレとは別に実車ファンには噴飯もののモデルだった訳で(でも当時は気にする人はまだ少なかったと思います)

 秋津のOBさんが入線させたと言われる4代目EF70はライトが点灯式になり、ようやくEF65に専用台車とスカートが装備されたのですが今度はなんとEF70のスカートがEF65のものになってしまい驚かされましたw
 EF81のスカートならやすることもできるのですが65ではそれもできませんし汗

 まあ、今となっては顎ワレ同様にモデルとしての味の一種と割り切っています。