「マイカー選びとテツドウモケイ」のはなし・その1
今回の記事は過去の「鉄道模型とカーライフ」の姉妹編みたいなものです。
過去記事はこちらから。できればそちらを読んでから本項に戻って頂ければ分かりやすいと思います。
「鉄道模型とカーライフのはなし」
「テツドウモケイとクルマ趣味に思うこと2018」
「テツドウモケイとクルマ趣味に思うこと2018その2」
昭和50年代初めころまでは、モータリゼーションの勃興と普及の時期で「クルマさえあれば」という段階にありました。
あの頃は誰もが「とにかくクルマを持つことがステイタスシンボル」であり、その価値観も「次に買うクルマは今よりも高級なクルマを、豪華なクルマを」という状態で「ではそのクルマでなにをするのか?」について真剣に顧みる余裕が(少なくとも一般レベルでは)薄かったと思います。
そうした流れの中ではセダンタイプの車というのは無難なうえに車格によるヒエラルキーが分かりやすかった事もあって、市場の主流を続けてこられたわけです。
少なくとも平成初頭までのいわゆる「バブル期」までは一部の好き者を除けば「となりの車が小さく見えます」とか「名ばかりのGTは道を譲る」的な価値観が主流だったわけです。
勿論そんな中にあって「ユーザーのクルマ以外の趣味に合わせたクルマ選び」というものは細々とながら存在していましたが。
その流れに変化が訪れたのはバブル崩壊の直後、それまでのセダン・GTカー嗜好とは異なるクロカン四駆の流行からでした。
最初のうちは「セダンとは違う何か」を求めるユーザーが流行に乗る形で四駆車を買い、走り回っているレベルでしたが90年代半ばに乗用車ベースのワゴンやミニヴァンに主流が移り、アウトドアのレクリエーションの普及に伴うRVブームに繋がります。
現在ではミニヴァンとハッチバック、そして「クロカン四駆とセダンの折衷系のいわゆるSUV」がクルマ全体では主流となり、従来からのセダンやGTカーは一部の高級車を除けば軒並み縮小傾向を続けている状態と言えましょう。
前置きが長くなりましたが、以下は「上記の嗜好の変化の流れがどう鉄道模型ライフに影響しているか」について考察してみたいと思います。
上述の「セダンからRVへ、ミニバン、SUVの普及」というマイカー像の変化で何が変わったのか?
人を運ぶ、自分が運転を愉しむという従来の要因から「持ち運べる空間」としての要素がクローズアップされた結果「セダンでは運べないものが容易に持ち運べる、少なくとも一般ユーザーがそうする事を躊躇しなくなった」事は言えると思います。
鉄道模型にこれを当てはめるなら、モジュールという形ではあっても「レイアウトを持ち運ぶ」ライフスタイルが勃興した事が一番大きな変化ではないでしょうか。
私がここ数年参加しているグランシップのトレインフェスタですら準備、設営に集まって来る車の車種のバラエティの多さには驚かされます。さすがに大規模な組み立て式レイアウトは2トン車とかハイエース級のワンボックスが幅を利かせていますが、数枚のモジュールを運ぶレベルならばミニバンを筆頭に国産・外車を取り混ぜたワゴンやSUV、近年荷室が大きくなった1リッタークラスのコンパクトカーまでもが集まってきています。
この種のレイアウトが集まるイベントはそれこそ昔ならトラックや1ボックスを雇って集まるものが多く少人数のクラブや個人のレベルでは敷居が高かったものと推測されますが、ラゲッジ容積の大きい小型車がマイカーとして普及した事がその敷居を下げた側面は大きいと感じられます。
思えばモジュールレイアウトという概念自体、当時の日本以上にワゴンが普通に普及していたモータリゼーション先進国のアメリカから発祥した事を思うとこうした変化も必然だったのかもしれません。
(この項続きます)
光山鉄道管理局
HPです。
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