JAMのニュースと「鉄道模型のデジタル化」に思うこと

 最初に

 今回の記事は多分に酒の入った頭で勢いに任せて書いた一文です。
 文章がおかしかったり、思い込みで書いている部分も多分にあると思うので、もし内容でお気に障るところがあったら「酔っぱらいのたわごと」と割り切って頂けると有り難いです(大汗)

 この時期は鉄道模型ホビーの界隈は年に一度の一大イベント「JAM」一色に染まります。
IMG_5215~photo.jpg
 実を言いますと「今年こそはJAMに行くぞ」という決意を固めていたのですが、昨年を上回る勢いで職場のコロナ禍が進捗してしまっているため今年も行けそうにありません。
 とはいえ、昼間のニュースでJAMを扱ったネタが出ていたりして、テツドウモケイの趣味も一般レベルにそれなりに膾炙しているのは実感します。

 ですがその見出しが「鉄道模型にもデジタル化の波」とあったのには半分びっくり半分は「さもありなん」と感じるものがありました。
IMG_5163~photo.jpg
 通りすがりのテレビを斜め見した程度の情報量なので幾分見落としがあるとは思いますが、この業界は「コロナ禍の巣ごもり需要を掬い上げたせいで前年比3.8%増の売れ行きを見込んでいる」のだそうで(でも元々の分母がよくわからないですからこの数字にどれくらいの意味があるのかはわかりません)テレビニュースの上では景気のいい業界と見られている様子です。

 で、本題の「デジタル化」ですが同じニュースによると「日本ではテツドウモケイのデジタル化は欧米に比べて20年遅れている」のだそうでこれからの鉄道模型の業界地図がデジタル化で変わるかもしれないという文脈で語られていた模様です。
 (という事は今年は各社の試作品でデジタル関連のそういうアイテムが出品されているという事でしょうか。それにしても「20年」がどういう根拠からきているのかは謎です)
 
 まあ、確かに日本ではそもそもデジタルテツドウモケイの総本山たるメルクリンが普及していませんし、もう一方の雄たるDCCも今の段階では運転形態の一バリエーションという普及レベルに留まります。その意味では20年遅れという言葉は一見すると説得力がある様に見えます。
IMG_5180~photo.jpg
 ですが今の時点では(少しづつ変わり始めてはいるものの)欧米と日本での鉄道模型の楽しみ方の違いがあまりにも大きい点を見逃すわけにはいきません。レイアウトの普及率でも複雑な運転が手軽にできる環境という面でも彼我の差は依然大きなものがあります。

 そのレイアウトの方も最近はパイクの普及に象徴される「レイアウトの盆栽化」が新たな潮流になっていますから、なおさら「デジタルまで使って運転を楽しむ魅力」を感じにくくさせている感じがあります。

 まして昔からの16番に象徴される「細密造形にプライオリティを置いた車両模型偏重傾向」は50年前とそれほど変わっていない(主役がNゲージやZゲージに変わっただけ)のも却ってデジタル化の魅力を見えにくくさせている気もします。
IMG_5184~photo.jpg
 今のメーカーにすべての動力車にDCCを標準装備するとか、従来とは全く変わった線路を含む制御システムを構築してデジタルの魅力を感じやすくさせるとかいう方向でもあれば話は別ですが、総体としてのこうした趣味人気質を変革させるところまで行くものかどうか、わたしには正直未知数に感じられてなりません。

 ですが最近メルクリンやホーンビィなどのHOゲージのデジタルシステムをカタログなんかで俯瞰してみると英語やドイツ語がろくに分からないわたしが写真や図版だけさっと斜め見しても、見ていてワクワクするくらい魅力的に感じるのも確かです。

 ですから個人的には鉄道模型のデジタル制御は今後進んでほしいし、そうなる事で「複数の列車を個別に制御することで単純なエンドレスの運転すら楽しくなる」様になる時代が来ることを内心望んでもいます。

 ただ、それがいつになるのやら。
IMG_5152~photo.jpg
 で、最後に一言
 「今年こそJAMに行きたかったのに!!」
(今回の写真は2019年のJAMからの抜き焼きです)

光山鉄道管理局
 HPです。


にほんブログ村


にほんブログ村


にほんブログ村


鉄道模型ランキング

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。


この記事へのコメント

さいとう たいいち
2023年08月19日 10:40
言われてみればその通りです。
日本においてパワーユニットに並行して制御するものがTOMIX製のTNOSくらいで、DCCは輸入品を活用しているということで「デジタル化が進んでない」と紹介していると解釈します。
承知の上で述べますがHOゲージにおいてKATO、天賞堂、アクラス、トラムウエイの製品にDCC準備で製造されているのでありがたいです。でも実際にやろうとすると先々で挫折するから(自分も含め)やれないのです。
行事については懐事情を考えるとダメだというのであきらめました。KATOの製品の発売日が近いのでそちらにお金が回ります。
鉄道模型大好きおじさん
2023年08月19日 18:51
日本でDCCが普及しない最大の理由は、メーカーや販売店にやる気が無いからでは?
欧米のメーカーはDCC対応の入門セットを出しており、初心者でも最初からDCCを導入しやすい環境が整えられています。
ところが日本のメーカーでDCC対応の入門セットを出しているところは無く、KATOですら出す気配はありません。
販売店も全くやる気が感じられず、殆どのお店ではDCC関連のアイテムは置いてせんし、置いているお店でも店頭でデモンストレーションなどはしていません。
メーカーや販売店にやる気が無いのでは、ユーザーが食い付く筈がありませんし、いつまで経ってもコストダウンもしません。
その証拠に日本にDCCが登場して20年以上も経つのに、普及率は殆ど上がってないですね。
私自身もDCCを導入してません。
メーカーや販売店にやる気が無いものにお金を使えませんからね。
匿名希望
2023年08月19日 20:01
そもそもDCCを必要とするような大規模レイアウトを所有している人がどれだけいるか……という話も。
日本ではむしろ3Dプリンタやレーザーカッターといったデジタルモデリングのほうが進歩しそうですね。
光山市交通局
2023年08月19日 22:11
>さいとう たいいちさん

 TNOSの場合はデュアルキャブコンの一種なので今回の様な個別制御とは異なります(但し、それゆえに使える車両を選ばないメリットもあります)

 DCCレディのモデルが日本型でもじわじわ出ているのはまあ、救いなのですが、彼の地ではマニアからは玩具扱いのホーンビィですらDCCが装備車の基本セットが出ているのに比べれば確かに雲泥の差ですね。

 ましてメルクリンデジタルはシステムの手軽さの点でDCCの上を行きますし。
光山市交通局
2023年08月19日 22:17
>鉄道模型大好きおじさん

 やる気というよりも、DCCのメリットをメーカー自体が認識しているのかどうかすら疑わしい気がします。
 (複数の機関車を独立して制御できるメリットはむしろ小レイアウトで威力を発揮するはずなのですが)

 この点は今回の記事に上げたファンの気質や環境の違いとも関連する部分ではあります。

>欧米のメーカーはDCC対応の入門セットを出しており、初心者でも最初からDCCを導入しやすい環境が整えられています~

 実はこの点について、先日入手したホーンビィのセットに絡めて記事を上げる予定でおりました。JAM絡みで同じ題材が出てくるとは思っていなかったので順番が前後してしまいますが、その折はご笑覧ください。


光山市交通局
2023年08月19日 22:22
>匿名希望さん

 コメントありがとうございます。

 実は今回の記事でわたしが言いたかったことの一部がそれです。

 大レイアウトというと一番手っ取り早いのがレンタルレイアウトなのですが、現状では店の方でDCC車のレンタルでもやってメリットを感じさせるくらいしか手はないのではないかという気はします。

 ただし、DCCやメルクリンデジタルのようなシステムは大レイアウトよりも機関区のセクションや小レイアウトで複数の機関車を個別に動かす場合に威力を発揮できる物でもあるはずなのですが、今回のニュースを見る限りそうした認識はまだ薄いようですね。

 事によるとメーカーの側でも認識していないかもしれません。
Manic
2023年08月20日 07:55
元々日本は車輌偏重の嫌いがありますけれど、実際走行させる事を楽しむ人ってどれだけ居るのかな?と思います。

少なくとも自分の場合は操作を細々するのは煩わしい、風景の中を列車が走っているのを眺めている方が良いという考えです。自分が操作でやりながら眺めてみたいとすれば峠区間を走る機関車の解結シ-ンとなりますが、DCCの場合はそれを行う事は簡単でも、車輌をそう出来る様にデコ-ダを取り付けるハードルが高い感じですし、同じ事はキャブコンでも出来ない事ないので、結果DCCの機材も最低限所有していますが何年も使わずタンスの肥やしになっています。

とにかく国内NゲージでDCCの場合、推進(している程でもないですが)しているのがKATO1社だけですし、DCCフレンドリー対応の電車・気動車以外は機関車用基盤タイプのデコ-ダは結構しますし、汎用デコ-ダだと絶縁対策やはんだ付け、デコ-ダを納める等いろいろ大変、かといってラウンドハウスでしたっけ?の加工品は手作業故に値段もおいそれとはいきません。

この様な状況が変わらない限り、大きな普及は困難じゃないか?というのが自分、そして大多数の方の見解じゃないか?と思います。
鉄道模型大好きおじさん
2023年08月20日 14:23
>>Manicさん

私の地元大阪では、DCCに力を入れている販売店は「もけいや松原」くらいです。
ここの店長は器用な人なので、お客に依頼されたらDCCデコーダー取付け、キット組立て代行、塗装変更など何でもしてくれます。
勿論、工賃は要りますけどね。
オリジナルのパワーユニットやポイントスイッチ、信号機等も販売しています。
其のように器用な店長が居る販売店は果たして何軒あるのやら…
販売店がDCCにやる気が無いのは、従業員で手を動かさない人が増えたのも理由かと。
これでは客にアドバイスなんて無理ですね。
最近は価格競争ばかり熱心で技量の低い量販店が増えましたし。

メーカーにしてもKATOのDCCフレンドリー対応車両なら予めデコーダーを取付けるスペースと端子が用意されてますが、他社製品は自分で配線をしなければならないし、機関車などはダイキャストを削るなどの加工も必要ですね。
其の割にはトミックスの常点灯システムなど、他社と互換性の無いものには積極的だったり。

メーカー各社がカプラーの相互連結互換性すら考慮しない状況では、100年経っても状況は変わってないかもしれません。



光山市交通局
2023年08月21日 21:52
>Manicさん

 昔に比べると運転を楽しむ層は徐々に増えてきていますが(専らレンタルレイアウトとモジュールのおかげで)今のままではただ暴走させて終わりというレベルに留まって終わりそうな危惧はありますね。
 デジタルならではの小技(主に入れ替え運転、或いは分割併結運転)を効かせた楽しみ方が理解されれば、多少は変わるかもしれませんが。

 ですが、そもそもDCCを最初から実装したモデルが殆どない今の状態では、アピールどころか好き物の改造レベルのままで終わってしまうのではないでしょうか。
 あの学研のICSですら、レシーバー装備のキハ40をセットに入れていたのに。

・・・とか言いつつ

>操作を細々するのは煩わしい、風景の中を列車が走っているのを眺めている方が良い~

 まさに今のわたしのメインレイアウトがそれです。ポイントもないエンドレスが3つあるだけのメインラインですが、この冬の改修でフレキシブルレールや勾配線を組み込んだら眺めるのが楽しくなりましたw

 因みにわたしの手持ちでDCCを組み込んでいる車両が1両あるのですがそれが「中古入線の客車(おそらく室内灯が任意に点灯できるのでは?)」だったりしますw
光山市交通局
2023年08月21日 22:08
>鉄道模型大好きおじさん

 DCCの普及の妨げ、というかそれ以前の知名度の低さの要因のひとつがメーカーがレシーバーの取り付けひとつとっても、ユーザーや販売店任せにしている現状にありそうですね。

 現にわたしの現住地や故郷なんかでは、店の方でもDCC自体が何かよくわからない状況なので、お客に勧める事すらないのですから。

 その眼で見るとメルクリンがメーカーの全責任でほぼすべての車両にデジタルコマンドシステムを標準装備させているのは改めて凄いと思います。
(AC3線式なのでかなり昔から「車両のレシーバーとパワーパックの双方向通信」みたいな制御をやっていましたから、デジタル化の発想もごく自然に出たのでしょうね)

 今のメーカーにそれだけの負担を敢えてやろうとするところはまだ出てきそうにありませんね。