「波乱万丈の車両 様々な運命をたどった鉄道車両列伝」

 先日の塩尻行きで入手した一冊から
 「波乱万丈の車両 様々な運命をたどった鉄道車両列伝」(岸田 法眼著 アルファベータブックス)
20230601SE (3).jpg
 かつてはベストセラーとしてあちこちに並んでいたのに、暫くするといつの間にか店頭はもちろん古本屋からも姿を消すというリョコウバトみたいな本のことを「そいなみ本」(そういえばいつの間にか見なくなってしまった本の意味)と呼ぶそうですが、これは本に限らずクルマとかお菓子とかにも応用可能な用語なので、わたしも折に触れて使っている表現です。

 本書で取り上げられているのはその伝で言うならさしずめ「そいなみ電車(あるいは気動車)」とでも言いましょうか。
 取り上げられている主な車両は新幹線の500系やE1系、キハ185系、E351系、京阪3000系、小田急HiSE、E207系、大阪市交通局2代目20系、東京メトロ01系などの「そういえば以前はよく見かけた車両、昭和の終わりころから平成中盤まで活躍していたような車両」がメインとなっています。
SNShouo71IMG_2995.jpg
 これらは執念深い鉄道ファンならともかく、一般の乗客のレベルからすれば「登場時が華やかだったり、前は結構見かけたのにいつのまにかなくなってしまった車両」中心のラインナップとでも言いましょうか。

 まあ、最近は有名な車両だと引退イベントやさよなら運転も頻繁に行われますから、その日を境に見なくなることも多いのですが、それでも利用者の側からすればそうしたイベント自体も忘れられ「あれ?あの電車いつの間にか見なくなってしまったな」程度の記憶しか残らなくなるものではないでしょうか。
SNShoIMG_2368.jpg
 本書の初版は2018年で、その時点で引退または縮小した様なかつての華型車両を題材にその波乱にとんだ生涯を概観したものですが、それからさらに5年を経た今の目で見ると「そいなみ感」がさらに加速している観があります。

 このある意味中途半端なブランクゆえに今読み返すと、そいなみ感と懐かしさがないまぜになった、不思議な読後感を感じたりします(著者がそれを意図していたかはわかりませんが)
 取り上げられた中には地方私鉄に譲渡されて現在も活躍中の現役車も結構あるので、適度に「現在」を感じさせる部分もあったりします。

 今気が付きましたが、本書の車両たちは鉄コレの種車になったものも多いですね。

光山鉄道管理局
 HPです。


にほんブログ村


にほんブログ村


にほんブログ村


鉄道模型ランキング

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。


この記事へのコメント