フライッシュマンのUmbau-Wagen

 今回は外国型Nゲージの中古モデルネタです。
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 現住地で外国型モデルの中古に当たるなんて事は滅多に無いのですが、その中でもわたしの琴線を刺激するようなモデルに当たる機会はさらに少なくなります。
 先日、行きつけの中古屋でそういうモデルに当たるのもかなり珍しい事です。

 物はフライッシュマンの客車3両セット。
 写真を羅列するとカラーリング以外脈絡のない組み合わせなのですが、これでも正規のセット物だそうです。
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 ドイツ型としては異例なほど短駆のボギー客車とショートボディの3軸客車2種。同じ編成だとすれば随分とちぐはぐに見える組み合わせです。
 これを見つけた時考えたのは「上の観光地区レイアウトで小型機関車に牽かせる観光列車に似合いそう」でした。

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 サイズ的にもこれまで入線している外国型の2軸客車よりも堂々としたフォルムで日本型とのサイズ差も少ないものですし、編成を組ませてみても案外違和感を感じません。
 面白いのが3軸客車の構造で真ん中の1軸が左右に横動し、急カーブに対応している点です。
 勿論実車準拠ならこういう構造は考えにくいですが、運転主体で考えるなら歓迎できる処理です(実車でも3軸の車両は2軸よりも不安定な走りの事が多いですし)

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 ただし、連結間距離が市販車としても異例に狭い設定でリアルである反面280R程度でも車体同士が接触しやすく台車の機構ほどには急カーブには強くない様です。
 客車単独で使うか、他社製車両との混合列車にして連結間距離を広くするなら棚幡線(ミニSLレイアウト)でも使えるかもしれません。せっかくの台車横動機構は生かしたいですし。


 ところで、車両の第一印象で「観光地向けメルヘンぽい列車」を勝手に想定していたのですが、実車の情報を調べてみたら実はこの客車は「Umbau-Wagen」と呼ばれ、「1950年代のドイツで深刻化していた物資の不足に対応するために旧型車を改造して大量に生み出された再生客車の一群」だったのだそうです。日本でもかつては客車の鋼体化の時期に増備が間に合わなかった為に木造客車のベースに鋼製ボディを乗せた「半鋼製車」が作られていた時期がありましたが、事情は違うとはいえノリはごく近い様です。
 (因みに3軸客車もベースとなったプロイセンやバイエルンの仕様として存在しており、特にこの客車のために用意されたものではない様です)

 何事もイメージだけで調べないでいるとイメージと現実の落差に気付かないまま過ぎてしまいそうですね(大汗)

光山鉄道管理局
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この記事へのコメント

鉄道模型大好きおじさん
2023年11月12日 09:17
車体長の異なる形式の混成は日本の国鉄でも旧客や旧国、気動車でよくありましたね。
コンテナ貨物列車でコキ5500系とコキ50000系の混成なんてのもありました。
レサレサ
2023年11月12日 13:26
要するに、この間KATOが出したEF55のセットにあるスエ78がス級(対して重くない)・尚且つ前世が荷物車の救援車という乗り心地がどうでもいい車種なのに3軸ボギーというような現象ですか。
よく見るとこれのボギー車も中央に乗降口があるなど、通勤用臭いデザインだよなぁ・・・
でも、3軸車の方の片方(最初の写真の方)は半室一等車みたいですね。(「1」という数字が向かって右のドア近くにあって、こっち側3つの窓は左側3つより間合いが広い→座席が広い?)
光山市交通局
2023年11月13日 22:10


>鉄道模型大好きおじさん
>
 17M級の客車が故郷では殆ど走っていなかったので、客車列車では車体長の異なる編成にはなじみはありませんでした。
 むしろ気動車がキハ52を中心とした運用だったので微妙に短いキハユニ26やキハ58と組み合わされた編成の方になじみがあります(笑)
光山市交通局
2023年11月13日 22:15


>レサレサさん
>
日本では通勤車両のほとんどが電車なのであまり意識されませんが欧州では客車の通勤車というのは割合多く存在していた様です。外国型客車では2扉でも扉がセンター寄りに配列された(キハ40辺りの雰囲気に近い)客車は(モデルで、ですが)意外と見かけますね。

3軸の短駆の客車で一等車というのは珍しいと思いますが、何しろ出自が出自なのでこういう形式で1等車を出さなければ追いつかなかったという事なのでしょう。見た目のメルヘンチックさとは裏腹になかなかシビアな環境下で出たゲテモノと言えますね。