我が家の「青大将」のはなし
先日入線したKATOの旧製品EF58・青大将仕様に関連したクルマネタです(笑)
実はこのネタはだいぶ前にこのブログで上げた事があるのですが、実際にEF58の青大将が入線した事ですし、この機会に増補改訂版を上げようかと(せこいな)
「青大将」というとこのブログを読んでくださる方の大半が「EF58」を連想される事と思います。
あの独特のカラーリングはEF58の中でもなかなか個性的で一度見たら忘れられないインパクトがあると私も思っていますし、だからこそ今回の中古モデルの入線につながっているところも多分にあったりします。
鉄道模型趣味の中断期間中だった30年ほど前の頃ですが、たまたま車を買い替える事となりミニバンを中心に車種を物色していた、そんな折にカタログで見つけた変なクルマ。
最初一目見た印象は「青大将だ!」
明緑のカラーリングと言い黄色のストライプを入れた配色と言い青大将のEF58をほうふつとさせるイメージでした。
(まあ、似ているのはそこだけなのですが)
その車の名は日産の初代セレナのRVセレクト。
このクルマには他にも色々と当時の競合車種にないメリットがあった事もありひと月ほどの検討を経て購入を決断しました。
しかし、このクルマの選択の段階で「青大将みたいなカラーリング」というのが大きく影響していたのは確かです(爆笑)
で、入庫した当初は鉄道趣味に縁のない周囲からは「未来カー」とか「お茶屋の営業車」とか随分いろいろ言われました。このカラーリングはカタログのシンボルカラーだったにも拘らずセレナの中でも断トツに人気が無かったらしくこれに乗っている期間、同じ色のセレナには2度しか会っていません(岩手~岐阜の範囲でですが)
尤もそのせいで「どんなに混みあった駐車場でもうちのクルマだけはどこに停めたか一発でわかる」という隠れたメリットもあるにはありました。
で、このセレナというクルマ、当時(も今も?)ミニバンとしてはなかなかマニアックな中身の1台でしてカッコさえ気にしなければ満足度の高いクルマでした。
何しろ当時のシルビア(S13)ですらオプションだったLSDが標準装備、ワンボックスとしては異例のマルチリンク式4輪独立懸架だった上にミッドシップのエンジン配置のせいで当時のRX-7並みの前後重量配分を実現していたという凝りまくった足回りのおかげでワンボックスとは思えない安定した走りが楽しめた記憶があります。
4輪駆動のシステムもビスカス式ながらLSDを含めて実質デフを二つ組み込んだような仕様だったので「雪道なんかで3輪までスタックしても残りの1輪が噛んでいれば脱出可能」という驚異の性能まで持っていたりしてw
ただ、燃費はどうやってもなかなか二桁に届きませんでしたし「尻の下から湧き上がるSR20DE(これもシルビアと同じ形式)のツインカムサウンド(笑)」には参りました。あと車重が重すぎたのでブレーキのキャパシティが足りなかったのも弱点でしたが
さて、この手のクルマにつきもののユーティリティの話に移ります。
ミッドシップレイアウトを実現するためにエンジンを縦置きのまま運転席の真下に置いたためバルクヘッドが運転席と2列目以降を分断している点はワンボックスと同じなのですが、それでも1BOXの様に「前輪が尻の下に来ないためバルクヘッド自体がワンボックスより小さかった」ので他のミニバンでは困難だった「3列シートすべてのフルフラット化」が可能だったのは大きな特徴の一つです
(これと同じ事が出来たのは同じミッドシップのボンゴフレンディくらい)
と同時に、3列目と併せて「2列目シートを前転させて畳めるようにする事で広大なラゲッジスペースを実現」これは後のミニバンでは当たり前になっている装備ですがその意味では先進的(笑)でした。
特にRVセレクトの場合2,3列が左右分割式だったので「片側だけ座席、反対側に長大なラゲッジスペース」とか「片側だけフルフラット化」という自由度の高いアレンジが可能だったのも特筆できます。
更に余禄として「2列目シートを畳むことで3列目にリムジン顔負けの広大なレッグスペースを確保する」という裏技もあり、これも現在のノアやステップワゴンのシートアレンジに継承(笑)されています(今のミニバンは逆に3列目を畳んだスペースに2列目を後方スライドさせるのが主流ですが)
ふかふかした座り心地とは無縁の2,3列目のシートもまるで最近の通勤電車みたいに座面に適度にくぼみが掘ってありアップライトな着座姿勢と併せてそれほど不快ではありません(というか、当時のミニバンで一番座面が広い2列目シートでした)
シートの柄も当時やたらと高級ぶっていたミニバンの中では異例な程カジュアル志向の織物仕様でこのクルマには似合っていました。
実際帰省のたびに車中泊をやる身としては広大なフルフラットシートの実用性はかなりなものでしたし、上述のリムジンモードの時はこれまた広々したスペースを利して食堂車的な喫食スペースを作ることが出来ました。
もし今でもこのセレナに乗っていたならグランシップなんかでクラブのモジュール運搬にも大活躍していたであろうことは間違いありません(笑)
ただ、これらの高度な多機能性というのは大抵の場合何かと引き換えに成立する事が多いのですが、セレナの場合そのトレードオフの代償はもっぱら「マンボウの化け物を思わせるぼってりプロポーション」でした。
この点でほっそりした葉巻のスタイリッシュさでライバルのエスティマ(特に5ナンバーのルシーダとかエミーナ)が順調に販売を伸ばしていったのとは対照的に初代セレナは終始苦戦せざるを得ませんでした。
ですが室内の広々感はエスティマ以上。当時クラス唯一の「スライドドアの窓が開閉できる」「二つのサンルーフがどちらもスライド解放できる」メリットは絶大でした。前者は後のミニバンのほぼすべてに継承されています。
特に遠出などで2列目席なんかに座っていると道路上なのに「列車のコンパートメント臭い」雰囲気が感じられたのは当時中断中だったとはいえ鉄道も好きな身としては嬉しいポイントだったりします。エアコンの吹き出し口も天井にありましたしその操作もワイヤレスリモコンで可能、これで頭上に網棚でもあれば完璧でしたね(笑)
背も高ければ床も高いという当時のミニバンの構造もどこか電車的ではあります(最近のミニバンはFFのセダンベースのプラットホームなので一部を除いてかなり床が低い)
クルマというよりも特急列車が似合いそうなこれらの特徴には「路上の青大将」という綽名が似合うものだったと思います。
(ご丁寧にも「やろうと思えばヘッドマークを取り付けられそうなメッキのグリルガード」まで標準装備w)
この青大将、当時の私の生活パターンに合致していた車だったので6年近く使ったのちにベンツのAクラスにバトンタッチしています。
が、今乗っているエスクァイアなんかもよく考えてみればこのセレナのアップグレード仕様みたいなものではありますねw
光山鉄道管理局
HPです。
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実はこのネタはだいぶ前にこのブログで上げた事があるのですが、実際にEF58の青大将が入線した事ですし、この機会に増補改訂版を上げようかと(せこいな)
「青大将」というとこのブログを読んでくださる方の大半が「EF58」を連想される事と思います。
あの独特のカラーリングはEF58の中でもなかなか個性的で一度見たら忘れられないインパクトがあると私も思っていますし、だからこそ今回の中古モデルの入線につながっているところも多分にあったりします。
鉄道模型趣味の中断期間中だった30年ほど前の頃ですが、たまたま車を買い替える事となりミニバンを中心に車種を物色していた、そんな折にカタログで見つけた変なクルマ。
最初一目見た印象は「青大将だ!」
明緑のカラーリングと言い黄色のストライプを入れた配色と言い青大将のEF58をほうふつとさせるイメージでした。
(まあ、似ているのはそこだけなのですが)
その車の名は日産の初代セレナのRVセレクト。
このクルマには他にも色々と当時の競合車種にないメリットがあった事もありひと月ほどの検討を経て購入を決断しました。
しかし、このクルマの選択の段階で「青大将みたいなカラーリング」というのが大きく影響していたのは確かです(爆笑)
で、入庫した当初は鉄道趣味に縁のない周囲からは「未来カー」とか「お茶屋の営業車」とか随分いろいろ言われました。このカラーリングはカタログのシンボルカラーだったにも拘らずセレナの中でも断トツに人気が無かったらしくこれに乗っている期間、同じ色のセレナには2度しか会っていません(岩手~岐阜の範囲でですが)
尤もそのせいで「どんなに混みあった駐車場でもうちのクルマだけはどこに停めたか一発でわかる」という隠れたメリットもあるにはありました。
で、このセレナというクルマ、当時(も今も?)ミニバンとしてはなかなかマニアックな中身の1台でしてカッコさえ気にしなければ満足度の高いクルマでした。
何しろ当時のシルビア(S13)ですらオプションだったLSDが標準装備、ワンボックスとしては異例のマルチリンク式4輪独立懸架だった上にミッドシップのエンジン配置のせいで当時のRX-7並みの前後重量配分を実現していたという凝りまくった足回りのおかげでワンボックスとは思えない安定した走りが楽しめた記憶があります。
4輪駆動のシステムもビスカス式ながらLSDを含めて実質デフを二つ組み込んだような仕様だったので「雪道なんかで3輪までスタックしても残りの1輪が噛んでいれば脱出可能」という驚異の性能まで持っていたりしてw
ただ、燃費はどうやってもなかなか二桁に届きませんでしたし「尻の下から湧き上がるSR20DE(これもシルビアと同じ形式)のツインカムサウンド(笑)」には参りました。あと車重が重すぎたのでブレーキのキャパシティが足りなかったのも弱点でしたが
さて、この手のクルマにつきもののユーティリティの話に移ります。
ミッドシップレイアウトを実現するためにエンジンを縦置きのまま運転席の真下に置いたためバルクヘッドが運転席と2列目以降を分断している点はワンボックスと同じなのですが、それでも1BOXの様に「前輪が尻の下に来ないためバルクヘッド自体がワンボックスより小さかった」ので他のミニバンでは困難だった「3列シートすべてのフルフラット化」が可能だったのは大きな特徴の一つです
(これと同じ事が出来たのは同じミッドシップのボンゴフレンディくらい)
と同時に、3列目と併せて「2列目シートを前転させて畳めるようにする事で広大なラゲッジスペースを実現」これは後のミニバンでは当たり前になっている装備ですがその意味では先進的(笑)でした。
特にRVセレクトの場合2,3列が左右分割式だったので「片側だけ座席、反対側に長大なラゲッジスペース」とか「片側だけフルフラット化」という自由度の高いアレンジが可能だったのも特筆できます。
更に余禄として「2列目シートを畳むことで3列目にリムジン顔負けの広大なレッグスペースを確保する」という裏技もあり、これも現在のノアやステップワゴンのシートアレンジに継承(笑)されています(今のミニバンは逆に3列目を畳んだスペースに2列目を後方スライドさせるのが主流ですが)
ふかふかした座り心地とは無縁の2,3列目のシートもまるで最近の通勤電車みたいに座面に適度にくぼみが掘ってありアップライトな着座姿勢と併せてそれほど不快ではありません(というか、当時のミニバンで一番座面が広い2列目シートでした)
シートの柄も当時やたらと高級ぶっていたミニバンの中では異例な程カジュアル志向の織物仕様でこのクルマには似合っていました。
実際帰省のたびに車中泊をやる身としては広大なフルフラットシートの実用性はかなりなものでしたし、上述のリムジンモードの時はこれまた広々したスペースを利して食堂車的な喫食スペースを作ることが出来ました。
もし今でもこのセレナに乗っていたならグランシップなんかでクラブのモジュール運搬にも大活躍していたであろうことは間違いありません(笑)
ただ、これらの高度な多機能性というのは大抵の場合何かと引き換えに成立する事が多いのですが、セレナの場合そのトレードオフの代償はもっぱら「マンボウの化け物を思わせるぼってりプロポーション」でした。
この点でほっそりした葉巻のスタイリッシュさでライバルのエスティマ(特に5ナンバーのルシーダとかエミーナ)が順調に販売を伸ばしていったのとは対照的に初代セレナは終始苦戦せざるを得ませんでした。
ですが室内の広々感はエスティマ以上。当時クラス唯一の「スライドドアの窓が開閉できる」「二つのサンルーフがどちらもスライド解放できる」メリットは絶大でした。前者は後のミニバンのほぼすべてに継承されています。
特に遠出などで2列目席なんかに座っていると道路上なのに「列車のコンパートメント臭い」雰囲気が感じられたのは当時中断中だったとはいえ鉄道も好きな身としては嬉しいポイントだったりします。エアコンの吹き出し口も天井にありましたしその操作もワイヤレスリモコンで可能、これで頭上に網棚でもあれば完璧でしたね(笑)
背も高ければ床も高いという当時のミニバンの構造もどこか電車的ではあります(最近のミニバンはFFのセダンベースのプラットホームなので一部を除いてかなり床が低い)
クルマというよりも特急列車が似合いそうなこれらの特徴には「路上の青大将」という綽名が似合うものだったと思います。
(ご丁寧にも「やろうと思えばヘッドマークを取り付けられそうなメッキのグリルガード」まで標準装備w)
この青大将、当時の私の生活パターンに合致していた車だったので6年近く使ったのちにベンツのAクラスにバトンタッチしています。
が、今乗っているエスクァイアなんかもよく考えてみればこのセレナのアップグレード仕様みたいなものではありますねw
光山鉄道管理局
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この記事へのコメント
グレードで違うんですかね?
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あの当時のミニバンは売れ筋がディーゼルターボ(セレナはCD20Tの91PS)で100台セレナが居たらその中の80台くらいがディーゼルだ
ったのではという位普及していました。
ディーゼルは加速性がトロい反面、トルクに物を言わせた走りが出来たので長距離の巡航には向いたエンジンです。おそらく匿名希望さんの知人が乗っておられたのはディーゼルか1・6リッターガソリン(こちらはサニー用のGA16)の仕様だったのではないかと思います。
わたしのRVセレクトは2リッターガソリン仕様(それでも130PS)でしたが加速性はまあまあだったと記憶しています。
物理的な車重が重いのでさすがにスポーツカーみたいな訳には行きませんでしたが。