「TEZMO SYNDOROME」とクモルのはなし
WEBコミックの「TEZMO SYNDOROME」の今月分が更新されたので今回はその関連の思い出ばなしなどを。
例によって今回のはなしは本編をお読みになってから、こちらを読んだ方が良いと思いますので以下のリンクをご参照ください。
配給電車に「沼る」!TEZMO SYNDROME(テツモ・シンドローム)38話
(それにしても、ついこの間始まったように思っていたこのマンガも38回目だったとは。ぜひ単行本を出して頂きたいと思います)
今回題材となっているGMのキット改造品のクモル〈24)ですが、この種の配給電車はGMの改造パーツが普通の電車のキットに「その気があるならやってみてください」と言ったノリで付属していましたし、1980年代のTMSなんかでも自作やキットバッシュの作例が掲載されていたものです。
わたしの手持ちにも配給電車に挑戦したと思しき中古モデルがあったりするのですが、あの当時のこの種の電車の一番の難関は「自走できるようにする事」だったと思います。
運転台から後ろがフラットな荷台になっている独特の構造は、当時の動力ユニットの転用ではどうしても「荷台にモータやギアが(それも盛大に)はみ出さざるを得ず」それをどう処理するかが難題でした。上記のTMSなんかの作例ではKATOの旧式動力(103系やキハ20系に使われていた凸型形状のダイカストのユニット)を用い、上からカバーをかぶせて大荷物の運搬中に見せかける」なんていう奇策を使ったものが印象に残っています。
そんな具合ですから読者のわたしも「Nゲージで自走できる配給電車が市販されるなど永久に来ないだろうな」とすら思っていました(汗)
それからずっと経ってこの趣味を再開したくらいのタイミングでワールド工芸から「自走できるクモルが製品化されていた」のを知った時は驚いたのなんのって(大袈裟)
さらに何年かして偶然から中古モデルを入手できましたが、狭いキャブの中に片側2軸のユニットをキチキチに詰め込んだ構造はプラよりも肉の薄いボディが可能なブラスモデルならではのモデル化と思ったものです(ただ、その余裕のない構造のおかげで急カーブには弱かったですが)
さらに時代が下ってあの鉄コレからもクモルが製品化されたのにはやっぱり驚かされたものです。
ワールドのそれよりもキャブが長いせいか動力ユニットも余裕のある構造でこちらはきちんとミニカーブが曲がれるのが有難かったですし、当時は動力ユニットが手軽に買えたので「これなら他に何かできそうだ」というイマジネーションを刺激してくれたアイテムでもありました。
ですがそれくらいで驚くのはまだ早かった。
その数年後に入手したワールド工芸のプラ製クモヤ22001に至っては「コンテナ3個積みが可能なフルフラット構造の電車が自走できる」レベルまで行っています。
小型のコアレスモータを縦置きした2軸動力はNゲージとしては最小レベル(実際には同じワールドから「台車の中にモータを組み込んだN版パワートラックみたいなのまで出ており、実質それが最小と言えますが)ここまで小さいなら(牽引力を気にしなければ)クモヤやクモルの無蓋電車の製品化や製作のハードルはだいぶ低くなった事になります。
思えば電車としては相当に曲者と言える無蓋の配給電車ですが、その動力化の軌跡はそのまんまNゲージの動力の進化の歴史と言えます。
というか「まさかここまで進化するとは思わなかった」というのが正直なところですね(汗)
さて、クモルについてはそんなところですが、今回のコミックでは風奈と高嶋先輩が「スマホで通話(つまりおしゃべり)しながらモデルを組み立てている」リモートの描写に時代を感じました。インドア趣味の極北ともいえる鉄道模型の車両工作を「おしゃべりしながらやっている」というのは一面でかつてのモデラーの夢のひとつの実現かもしれません。
尤も、わたし個人はこういうのは面白いと思いつつも「気が散りそうだから実行できない」とは思うのですが。
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例によって今回のはなしは本編をお読みになってから、こちらを読んだ方が良いと思いますので以下のリンクをご参照ください。
配給電車に「沼る」!TEZMO SYNDROME(テツモ・シンドローム)38話
(それにしても、ついこの間始まったように思っていたこのマンガも38回目だったとは。ぜひ単行本を出して頂きたいと思います)
今回題材となっているGMのキット改造品のクモル〈24)ですが、この種の配給電車はGMの改造パーツが普通の電車のキットに「その気があるならやってみてください」と言ったノリで付属していましたし、1980年代のTMSなんかでも自作やキットバッシュの作例が掲載されていたものです。
わたしの手持ちにも配給電車に挑戦したと思しき中古モデルがあったりするのですが、あの当時のこの種の電車の一番の難関は「自走できるようにする事」だったと思います。
運転台から後ろがフラットな荷台になっている独特の構造は、当時の動力ユニットの転用ではどうしても「荷台にモータやギアが(それも盛大に)はみ出さざるを得ず」それをどう処理するかが難題でした。上記のTMSなんかの作例ではKATOの旧式動力(103系やキハ20系に使われていた凸型形状のダイカストのユニット)を用い、上からカバーをかぶせて大荷物の運搬中に見せかける」なんていう奇策を使ったものが印象に残っています。
そんな具合ですから読者のわたしも「Nゲージで自走できる配給電車が市販されるなど永久に来ないだろうな」とすら思っていました(汗)
それからずっと経ってこの趣味を再開したくらいのタイミングでワールド工芸から「自走できるクモルが製品化されていた」のを知った時は驚いたのなんのって(大袈裟)
さらに何年かして偶然から中古モデルを入手できましたが、狭いキャブの中に片側2軸のユニットをキチキチに詰め込んだ構造はプラよりも肉の薄いボディが可能なブラスモデルならではのモデル化と思ったものです(ただ、その余裕のない構造のおかげで急カーブには弱かったですが)
さらに時代が下ってあの鉄コレからもクモルが製品化されたのにはやっぱり驚かされたものです。
ワールドのそれよりもキャブが長いせいか動力ユニットも余裕のある構造でこちらはきちんとミニカーブが曲がれるのが有難かったですし、当時は動力ユニットが手軽に買えたので「これなら他に何かできそうだ」というイマジネーションを刺激してくれたアイテムでもありました。
ですがそれくらいで驚くのはまだ早かった。
その数年後に入手したワールド工芸のプラ製クモヤ22001に至っては「コンテナ3個積みが可能なフルフラット構造の電車が自走できる」レベルまで行っています。
小型のコアレスモータを縦置きした2軸動力はNゲージとしては最小レベル(実際には同じワールドから「台車の中にモータを組み込んだN版パワートラックみたいなのまで出ており、実質それが最小と言えますが)ここまで小さいなら(牽引力を気にしなければ)クモヤやクモルの無蓋電車の製品化や製作のハードルはだいぶ低くなった事になります。
思えば電車としては相当に曲者と言える無蓋の配給電車ですが、その動力化の軌跡はそのまんまNゲージの動力の進化の歴史と言えます。
というか「まさかここまで進化するとは思わなかった」というのが正直なところですね(汗)
さて、クモルについてはそんなところですが、今回のコミックでは風奈と高嶋先輩が「スマホで通話(つまりおしゃべり)しながらモデルを組み立てている」リモートの描写に時代を感じました。インドア趣味の極北ともいえる鉄道模型の車両工作を「おしゃべりしながらやっている」というのは一面でかつてのモデラーの夢のひとつの実現かもしれません。
尤も、わたし個人はこういうのは面白いと思いつつも「気が散りそうだから実行できない」とは思うのですが。
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この記事へのコメント
昔TMSかどこかでGMクハ47の側板から17mの車体と荷台を一体で切り出すという作例を見て目からウロコだった記憶があります。
私の地元を走る近鉄にも似たような車両があって、通称マンモスと呼ばれています。
狭軌の南大阪線系統や第三軌条式のけいはんな線の車両を五位堂車庫で全検する時は2両のマンモスでサンドイッチして回送されます。
私がこの趣味を始めた頃は「キャラメルモーター」それこそキャラメルと同じ寸法のモーターしかありませんでした。KATOのFM-5がそれよりやや細身で、長さが短くても太めのモーターがC11やD51に搭載されていました。
希土類を応用した「キドモーター」が出て小型化が進み、最近はコアレスとか携帯電話のバイブレーター用でさらに技術が進歩した印象です。
クモルと同じようにディーゼル機関車のボンネット型も動力化が困難なモデルですが、ここでも良い時代になったと言えるものです。
一方おっしゃるように通話や会話しながらの工作はたしかに集中力が散るので、工作の種類によっては考えてしまいます。
何が違うかというと「そもそも動力仕込まなくてよい」w
(クエ7000は形式記号でわかるように制御車です。自走しません。)
返事が遅くなりすみません。
仰る様にGMの板キットは芋付けを試すには肉が薄いですね。尤もわたしもやった事が無いので確証はないのですが汗
確かにクハ47から一体切り出しの方が現実的な気はしますね。
>鉄道模型大好きおじさん
>
返事が遅くなり、すみませんでした。
マンモスとはモト75の事でしょうか?
私鉄の事業用車はカラーリングが独特の事が多いですが、これなどはかなり目立つ方ですね(まあ、実車が事故防止のために目立つカレーリングにしているのでしょうが)
>
返事が遅くなってしまい、すみませんでした。
KATOの初代C50が装備していたのもキャラメルタイプだったと思います。あの当時はNゲージ専用のモータが出ていなかったのでHO用の最小のモータを使っていたという話を聞いたことがあります。
パワトラタイプの動力は弘南鉄道の機関車キットではじめてお目にかかりましたが、衝撃的でしたね。
牽引力には難がありそうですが、実車が実質キ100の後押しくらいしか使われていないとの事なので、まあ、レイアウトでは使える機関車にはなっています。
>レサレサさん
>
返事が遅くなりました。すみません汗
クエ7000、実車はともかく見た目だけなら「見るからに走りそう」に見えるのが厄介というか面白いというか(笑)
国鉄型よりもコンパクトで凝縮感のあるルックスは個人的には好みです。
昔(といっても10数年前)、RMモデルスで当時発売されていたキャラメルNという動力を使った作例で、JR東海のキヤ97レール運搬車が発表されていたのを思い出しました。
箱の部分が運転室しかないような車両で「こんなのが走るのか…」と驚いた覚えがあります。
>さん
>
コメントありがとうございます。初コメントなのに返事が遅くなりすみませんでした。
キヤ97はわたしの近所でも時折見かける車両ですが、初見の時は実車ですら「こんなのが自走できるのか⁉」と驚いた記憶があります(汗)
それがNゲージで自走モデルが作れるのですから凄い時代になったものですね。
(ワールド工芸の「台車組み込み動力」も凄いですが「これならアレやアレがNゲージで作れるな」という希望と妄想を掻き立ててくれる点でも好いアイテムですねw)