カツミ模型店のEF65 1000番台
今回は16番スケールモデル(中古)です。
先日の秋葉行きの戦利品から
カツミ模型店のEF65 1000の中古モデル。もちろんHOゲージです。
とある中古ショップで出物を見つけた物ですが、外箱の記載によると1974年に買われた物らしいですから、わたしがこの趣味に入る前年の製品という事になります。
ですから当然年代物モデルで、今のモデルと比べて細密度や走行のスムーズさは及ぶところではありません。
ですが、店頭でこれを見つけた時わたしの琴線に触れるところがあったのも確かです。
ブラス造形のボディは細密度では今時のNゲージにも劣りますが、ボディの質感の点では今でも負けていません。造形にかっちり感はなくとも手作業で作られた素朴さが一つのキャラクターになっている感じがします。
これは70年代前半くらいまでの完成品のHOモデルの多くが持っていた味の様な物でありいわゆる精密模型とも玩具とも異なる独特の雰囲気といえます。
(なので最近のプラ成型モデルやブラスでも工芸品レベルの札束モデルを有難がる様な向きには見向きもされないでしょう)
それなりにディフォルメはされていますが、前面の印象は悪くないですし造形のバランスの良さも感じられます。
走行性はややガラガラした感じですが、それで困るほどでもありませんしHOらしい重量感を感じる走り(実際、2モーター仕様らしくその気になれば人を殴り殺せそうな重さがありますw)を見せます。
これが出た当時は鉄道模型の世界はまだまだHO(16番)が主流でメルクリンの3線式モデルもそれなりに普及していた時期ですが、当時小学生だったわたしの眼からすればその頃の時代の勢いのようなものを感じさせるモデルでした。
このモデル、わたしも驚くほどの安価(以前入線した天賞堂のMなしED75の中古とほぼ同額。Nのテンダー蒸気の新品よりも安価ででした)だったのですが、外箱のくたびれに加えて動力台車のダイカスト部に一部微妙な変形を生じていたからの様です(小さな変形ですが飾ってみるとこれが意外と目立つ)
とはいえ、上述の様に走り自体に大きな問題はないですし、時代的に通常ならばベーカー型が付いている筈なのが既にケーディカプラーに換装されているので、やはりわたし的にはお買い得品だったのには間違いありません。
先日のレンタルレイアウトでも試走させたのですが、同席していたご店主も驚くほどのスムーズな走りを見せてくれました。この辺り、年代物の中古でも侮れません。
光山鉄道管理局
HPです。
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この記事へのコメント
イメージとしては貨物列車を牽引する感じで、メーカーのカタログに紹介された寝台列車は「?」と思うだけした。
1992年に発売された「鉄道模型考古学」によるとこの製品のマイナス面が述べられており、テールライトユニットの位置が低すぎたために間延びした印象を受けてしまっていると良い評価はされてません。登場した直後に製品化されたせいか、つらら切りがないことも要因としてあるでしょう。
私は16番の電気機関車といえば、40年以上前にマイクロエースからプラモデルとして発売されていた(現在でも売ってますけどね)EF65を1両買ったのみです。
これは本来は単3乾電池で走らせるものですが、台車に集電板を仕込んでやればレール集電で走らせることも可能でした。
牽かせるものは同じくマイクロエースから出ていたプラモデルの24系客車と、プラ板から自作した貨車でした。
因みにこのシリーズにはEF58やEF66も有りました。
前オーナーの方が長年大事に愛用してきたんだろうなというのが伝わってきます。
昔模型店の店主に「鉄道模型は一生物の趣味で大切に扱えば子や孫の世代にも受け継げる」と言われたことがありますがこのEF65を見るとそれは事実なんだなと改めて思わされます。
ただし金属製品に限る、でしょうか。
プラ・ダイキャストの量産品は往々にして経年崩壊を免れません。
中古漁りで戦々恐々としてます。
鉄道模型考古学はわたしも読みましたが、カツミ製品についてはテールランプ位置については仰る通りの評価だったものの、それ以外については概ね悪くない印象だったように記憶しています。
本書の著者の松本氏も鬼籍に入られました。この場をお借りしてご冥福をお祈りします。
>鉄道模型大好きおじさん
>
有井のプラモデル、ありましたね。実はわたしも10年以上前にモーターライズ仕様の出物を入手しています。
一応モータは生きていたのでレールの上は走れるのですが、本当に「ただ走れるだけ」と言った感じでプラ車輪・電池駆動モデルに鉄道模型の走りの質感は求めようがなかった気もします。
今度グランシップで走らせてみようかな(爆笑)
>Citronさん
>
わたしが上京時に見つける中古のHOはその殆どがこの手の年代物なのですが、あの頃のモデル特有の味を堪能できるのも、コンディションの良さによるところが大きいですね。
地方の中古屋でも最近はHOのモデルを見掛ける様になりましたが、東京ほどコンディションに気を使ったモデルは少ない印象です。
HOのブラスモデルの機関車でもシャシがダイカストの物は多く、経年に伴う変形で走りがおかしくなったり車輪が浮き上がってしまっているモデルはあります(というか、以前そういう個体に当たった事がある)
NのエンドウのEF57のようにほとんどの中古モデルで屋根上のホワイトメタルが変形している様なのもあったりするので、金属製と言えども油断はならないと思います。
素材の経年変化は材質だけではなく保存状態や製造時の品質管理などにも左右されやすいので一概に言えないのが現状ではないかと思います(例えば海外のHOゲージやミニカーではボディがダイカスト製の60年以上前のモデルでも崩壊せずに残っているケースが多いですし)
この辺りの見極めは難しいですね。