鉄道ミステリとNゲージ・41「浜名湖東方15キロの地点」と0系新幹線
今年は東海道新幹線開業60周年に当たります。そんな訳で当ブログも少しあやかってみようかと(笑)
この間のブログのコメントで「鉄道ミステリと鉄道模型」ネタで「0系新幹線をなかなか取り上げられない」といった内容の返事を書きました。
事実「鉄道ミステリに合わせて該当する鉄道模型のモデルを取り上げる」というコンセプトなので、記事を書いた当時はネタの宝庫でありながら0系新幹線をそうそう何度も出せない様な気分になっていたのは確かです。
ですがその後エンドウのモデルや救援車のモデルなどがいくつか入手できた事もあり、そろそろ0系ネタを解禁しても好いかなという気分になってきました。
という訳で今回はその第一陣としてカッパノベルズ「下りはつかり」所収の森村誠一作「浜名湖東方15キロの地点」を取り上げたいと思います。
というのが大まかなストーリーです。
他の鉄道ミステリが新幹線利用のアリバイトリックを題材に選ぶ事が多い中、本作はそのものずばりの新幹線爆破計画を選んでいるところが面白いところです。映画の新幹線大爆破に6年先んじていますし。本作の主眼になる着想は実際に本作を読んで頂いた方が良いと思いますのでここでは割愛しますが、今でもやろうと思えば実際にできてしまいそうな事なのでくれぐれも真似などしないように(汗)
それを別にすれば過激派によるデモや騒乱が日常的に起きていた当時の世相を反映した内容で、これまで取り上げてきた鉄道ミステリの中で最も時代の空気を反映した一作という事は言えるでしょう。実際、初読の当時〈1975年)わたしも騒乱の描写に違和感は感じなかったですし。
本書が書かれたのは1969年の事で作中で過激派のデモによる混乱を避けるために特別列車が品川駅から発車する描写があるのですが、新幹線の品川駅が開業するのはずっと後の2003年の事だったりします。
今回の主役は勿論0系新幹線。
時期的に大窓仕様の前期型なのは間違いないでしょう。この仕様のNゲージモデルは1975年に学研がリリースした物が最初でしたが、長い事追随モデルがなく最近になってマイクロやTOMIXから現在の水準の造形モデルがリリースされています。
わたしの手持ちは学研のモデルですが、西ドイツトリックスモーター搭載の動力が自慢でした。
が、M車が片軸駆動で牽引力不足なのに加えてT車の台車の転がり抵抗がこれまた大きいため5連以上の運行はかなり困難。5連でもそう速く走れないという困ったモデルでした。
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この間のブログのコメントで「鉄道ミステリと鉄道模型」ネタで「0系新幹線をなかなか取り上げられない」といった内容の返事を書きました。
事実「鉄道ミステリに合わせて該当する鉄道模型のモデルを取り上げる」というコンセプトなので、記事を書いた当時はネタの宝庫でありながら0系新幹線をそうそう何度も出せない様な気分になっていたのは確かです。
ですがその後エンドウのモデルや救援車のモデルなどがいくつか入手できた事もあり、そろそろ0系ネタを解禁しても好いかなという気分になってきました。
という訳で今回はその第一陣としてカッパノベルズ「下りはつかり」所収の森村誠一作「浜名湖東方15キロの地点」を取り上げたいと思います。
この世の中に面白いものは何もないと信じているノンポリを自称する有閑大学生の主人公が、肉体関係にあった過激派女闘士が内ゲバで殺害された事をきっかけに彼女を殺した反対派を出し抜くために西側のA国大使が乗る新幹線特別列車を爆破しようと計画する。だが警備厳重な専用列車を爆破する方法で行き詰った主人公が新聞の交通事故の記事を見てひらめいたアイデアとは・・・!
というのが大まかなストーリーです。
他の鉄道ミステリが新幹線利用のアリバイトリックを題材に選ぶ事が多い中、本作はそのものずばりの新幹線爆破計画を選んでいるところが面白いところです。映画の新幹線大爆破に6年先んじていますし。本作の主眼になる着想は実際に本作を読んで頂いた方が良いと思いますのでここでは割愛しますが、今でもやろうと思えば実際にできてしまいそうな事なのでくれぐれも真似などしないように(汗)
それを別にすれば過激派によるデモや騒乱が日常的に起きていた当時の世相を反映した内容で、これまで取り上げてきた鉄道ミステリの中で最も時代の空気を反映した一作という事は言えるでしょう。実際、初読の当時〈1975年)わたしも騒乱の描写に違和感は感じなかったですし。
本書が書かれたのは1969年の事で作中で過激派のデモによる混乱を避けるために特別列車が品川駅から発車する描写があるのですが、新幹線の品川駅が開業するのはずっと後の2003年の事だったりします。
今回の主役は勿論0系新幹線。
時期的に大窓仕様の前期型なのは間違いないでしょう。この仕様のNゲージモデルは1975年に学研がリリースした物が最初でしたが、長い事追随モデルがなく最近になってマイクロやTOMIXから現在の水準の造形モデルがリリースされています。
わたしの手持ちは学研のモデルですが、西ドイツトリックスモーター搭載の動力が自慢でした。
が、M車が片軸駆動で牽引力不足なのに加えてT車の台車の転がり抵抗がこれまた大きいため5連以上の運行はかなり困難。5連でもそう速く走れないという困ったモデルでした。
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この記事へのコメント
まあ重要って言っても「犯人は見つかる心配がなかった」っていう程度ですけど。
・・・開業時は大騒ぎだった新幹線も、この時期のシーズンオフだとこのありさまか・・・
実は今月は「シンカンセン0系絡みのミステリネタ」で何本か引っ張る予定なのですが、そちらで紹介された「新幹線殺人事件」を含めて作品が出た時期が1970年代半ば前後の作品ばかりです。
曲がりなりにもシンカンセンが小説の題材として神通力を持っていたのがこの時期だったという事なのでしょうか。
余談ですがほぼ同時期に出ていた平野威馬男の実録系怪奇事件簿で「乗り込んだ時はガラガラだった新幹線が(途中一度も停まらなかったのに)食堂車から戻ってみたら満員になっていた」という不思議なはなしがあったのを思い出しました(汗)
列車ミステリーも面白いですが、筆者の場合には、列車のパニック映画がいいですねぇー。
🎬️🚅1975年公開『新幹線大爆破』(The Bullet Train, Super Express 109)日本のオールスターキャストによるパニック映画がありましたね。
監督、佐藤純弥さん、脚本、小野竜之助さんと佐藤純弥で、出演は「高倉健」さん、「千葉真一」さん、「宇津井健」さんと云うそうそうたるメンバーでした。(特別出演に丹波哲郎さん)
簡単な内容説明すると「新幹線が走行速度80km/hを下回ると爆発する」という状況下で繰り広げられたパニック映画です。(新幹線何かあったら、安全性を考慮して必ず止まる。そんな安全神話すらある新幹線が万が一にも止まらなかったら・・・ )
当時の国鉄(日本国有鉄道)側に、実物(実車)での、0系新幹線電車の撮影協力を交渉したところ、「新幹線大爆破」と云う、余りにも刺激的なタイトルに難色を示し、全面協力が得られなかった(ロケ拒否)と云うエピソードがあります。
なので映画に登場した新幹線の車内は、ベニヤ板によるセットではなく、当時実際に国鉄へ車両を納入していた「日立製作所」や「東芝」などから実物の椅子や壁面、網棚などを発注して原寸大の車内を再現したそうです。
後日、各社は国鉄からお叱りを承けたそうですが・・・
そんな訳で、映画の撮影に使われた新幹線車内のセットは、その後暫くは保存され、新幹線車内の撮影が必要なテレビのドラマの撮影(新幹線公安官)などに使われまして、その際のレンタル料で元を取ったそうです。
また、それとは別に特撮用に、1車両が約1メートルの大型鉄道模型(5インチ(127㎜)ゲージ 乗用模型の改造か?)が2編成用意され、撮影所に長いレールを敷設して、実際にミニチュア新幹線を走らせて、爆破シーンなどの特撮ロケを行ったそうです。
実は当ブログでも「新幹線大爆破」は何度か取り上げています(前の掲載は開業50周年の時でしたw)
今でも年に何回か観返します。
佐藤淳弥監督が某CSのインタビューで語っておられていましたが国鉄サイドでは「新幹線危機一髪」だったら協力する意向だったのを監督が「大爆破」に拘ったため決裂したのだそうです。
まあ、実際の作品は「危機一髪」でも何ら問題なかった気もしますが(或いは「9600大爆破」とかw)
実車のパーツを用いた車内セットは実にリアリティのあるものでしたね。
「新幹線公安官」では実際にはありそうにない「走行中の新幹線を1両借り切った車内結婚式」なんて話までやっていましたがあれもこのセットあればこそです。
ちなみにこのセットを外から見たらどうなっているかについては後に「バトルフィーバーJ」の一篇(映画の撮影所が舞台のはなし)で見る事ができます。
そういえば「大鉄人17」の一篇では総合指令所のプロップの一部が小規模な形で転用されている模様です。
新幹線大爆破の特撮にはウルトラシリーズの成田亨も参加していましたが、浜松駅付近のオープンセットは「ミニチュアとわかっていても引き込まれる」迫力と描写力が印象的でした。
いい意味でレイアウト的な何かを感じさせます。
主演は草彅剛さんとのことです。
(リメイクとは違い原作をベースに現代的な解釈や変更を加えたストーリーになると思われます。)
既にエキストラ募集も行われているそうです。
原作が上映された半世紀前と現代では新幹線はもちろん社会情勢や通信技術など当時とは格段に変化しているためストーリー、世界観、犯人の動機や背景などは根本的に変更されるでしょう。
その変更が吉と出るかどうかは今から楽しみでもあり不安でもあります。
またJRからの許可や協力を得られるのかも気になるところですね。
国鉄時代に比べればJR各社の姿勢は軟化してるとは思いますが原作と同じく許可を得られない可能性もあります。
JRから許可が得られなかった場合はフルCGでそれっぽい車両をでっち上げるか海外の鉄道を使っての撮影になるんでしょうか。
実際に藁の盾という映画では新幹線のシーンを台湾高鉄で撮影していました。
(車両は台湾高鉄そのままで駅名標だけCG処理で岡山、新神戸などになっていました)
ネトフリでのドラマ化というのも一つの時代の象徴と言えそうですね。
映画館やテレビの前でなく例えば「手元の端末で満員電車の中でも観られるオリジナルドラマ」という時点で映画とは別物な造りになりそうな予感はします(笑)
余談ですが30年くらい前に似たような題材の小説が書かれた(タイトル失念)のですが、爆弾を仕掛けられたE1系が二つの周波数に対応しているのを利用して東京駅から東海道新幹線に乗り入れさせるという展開があったらしいです。
今なら北陸新幹線の車両で同じことができそうですね(笑)