鉄道ミステリとNゲージ・42「ひかり号で消えた」と0系新幹線
新幹線開業60周年の便乗企画(笑)
0系新幹線を題材にした「鉄道ミステリとNゲージ」ネタ第2弾。
今回は徳間文庫「殺しのダイヤグラム」所収の大谷羊太郎作「ひかり号で消えた」をば。
ある有名音楽評論家が名古屋に向かうひかり23号に乗り込んだが、列車が出発した直後の留守宅に「評論家を誘拐・監禁した」という謎の電話が入った。
彼が列車に乗り込むところは複数の目撃者がおり、発車後の車内で本人を検札した車掌までいたにも拘らず彼は車内電話にも出ず、名古屋駅にも現れない。文字通り列車の中から消失してしまったらしい事が判明するのだった。
かねてその評論家を快く思っていなかったクラブ歌手の主人公は、かつてその評論家に騙されて彼の元を去った元恋人がこの事件に絡んでいるのではないかと疑い始める・・・
というのが大雑把なストーリーです。
ネタばれにならない範囲で種明かしをすれば、本書の人間消失トリックの一部は当時なら実際に実行可能と思われるごく当たり前のものです(今の様にモバイルスイカと自動改札と監視カメラが当たり前に存在する時代では多分成立しない)
このミステリのユニークなところは「犯人自身も予期していなかった偶然から当初計画されていたアリバイトリックが結果的に人間消失トリックに変わってしまった」という皮肉な展開にあるのではないかと思います。
その辺りはなかなか興味深く楽しめるのですが、本作の弱点は登場人物の人物像が平板過ぎて感情移入を伴いにくい事にあり「目の前で事件がなんとなく展開してなんとなく犯人が捕まる」のを眺めているだけの様な印象があります。
冒頭から登場する主人公にしてもトリック解明のヒントを指摘はするものの、事件そのものには深入りせず傍観者に近い立ち位置ですし。そもそも犯人指摘の意外性も希薄だったりするので猶更淡白な読後感になってしまうのかもしれません。
まあ、この辺りは実際に本書を読んで頂いて判断されるのがよろしいかと。
本作の初出は1971年で登場する新幹線もやっぱり0系前期型ですが、今回は前に紹介した学研製ではなく10年ほど前にディスプレイ用に発売されたアシェットの国産鉄道コレクションの先頭車を取り上げます。
学研のモデルから40年近く後に出たものですが、ヘッドライトの反射板の有無とか床下機器類のディテーリングなどを除くと案外学研版との大きな造形上の差が見いだせないモデルであります。
机上で飾って楽しむなら、これはこれで悪くないアイテムではあります(わたしも「鉄博モジュールの展示品」の用途で購入しましたし)
光山鉄道管理局
HPです。
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この記事へのコメント
なるほど、アシェット・コレクションズ・ジャパン㈱の「国産鉄道」シリーズの0系でしたか。
納得致しました。筆者は、アシェットの国産鉄道シリーズを創刊号から4号までと、何号目か記憶が怪しいですが、確か15号以降から150号くらいまで購入したと思います。
(整頓しないで、大きな段ボール箱などに収納?してあって、マガジンは一部を資源回収に出してしまった関係から、いったい何号分が格納されているのか、不明です。)
ただアシェットの車両たちは、何回かの「グランシップ トレインフェスタ 」にて、自分が出展していたブースにて、公開展示しましたので、画像を撮影して行かれる来場者が多く見られました。
アシェットのミニチュア・モデル(Nゲージ(9㎜・1/150scale))は、以外と人気がありまして、来場者には評判良かったみたいです。
わたしの場合は記事にも書いた「展示品」用途の購入だったので創刊号のみの購入でした。
あの手の週刊コレクション系は気づかないうちにどんどんたまる恐ろしさがあるのでなかなか手が出せないですね(汗)